アメリカのゲーム業界団体ESA（Entertainment Software Association）は現地時間7月7日、ゲームイベント「E3（Electronic Entertainment Expo）」を、オフラインとオンラインのハイブリッド形式にて、2023年6月の第2週に開催すると発表した。また、イベント・メディア運営企業ReedPopと提携し、同社が運営に携わることも明らかにされた。
E3は、世界最大規模のゲームイベントだ。例年、アメリカのロサンゼルス・コンベンションセンターを会場とし、世界中のゲームメーカーが出展。もともとは業界関係者向けの見本市という位置付けだったが、近年は一般のゲーマーにも開放されている。また開催に合わせては、大手パブリッシャーのプレスカンファレンスも実施され、新作発表や注目タイトルの続報などが続々と発信される。
ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年の開催は中止に。翌2021年には、E3として初めてのオンラインイベントとして開催されたが、今年2022年はふたたび全面中止となった。当時ESAは、組織のエネルギーとリソースを、2023年の夏にオンライン・オフライン双方で開催するE3に集中させるとコメント。そして今回、予告どおりに開催することが発表された。
E3 2023の運営は、イベント・メディア運営企業ReedPopが担当する。ReedPopは、PAX（Penny Arcade Expo）やNew York Comic Con、Star Wars Celebrationといった大型イベントを手がけ、また数多くのゲームメディアを抱えている企業だ。ESAのCEO Stanley Pierre-Louis氏は、ReedPopはポップカルチャーイベント運営におけるグローバルリーダーであるとし、ゲーム業界に対する理解も深いとコメント。経験豊富な同社に、E3の復活を託すことにしたようだ。
一方のReedPopの社長Lance Fensterman氏はE3 2023について、ESAからの支援を得ながら、これまで手がけてきたどのイベントよりも新しく幅広い方法で、グローバルなゲーム業界のためのワールドクラスのイベントを構築すると述べる。また、同社のゲーム担当グローバルバイスプレジデントKyle Marsden-Kish氏は、ReedPopは長年にわたり、世界中のゲームコミュニティの声に耳を傾け、学んできたとコメント。E3 2023では、これまでの成功を踏襲しながら、上手くいかなかった部分は再構築し、将来に向けてのベンチマークとなるイベントにすると語った。
新型コロナウイルスの影響が広がった2020年以降、オフラインイベントの開催が難しいなかで、数々のオンラインイベントが開催。世界中のゲーマーに向けて、各社が直接情報を届ける流れが定着してきた。そうしたなかにおいて、E3の存在感は低下しつつあるといえる。そもそもコロナ禍以前から、EAやSIEが出展を取りやめ独自イベントへと舵を切る動きなどがあり、ESAに対してはイベントのあり方について変革が求められていた。コミュニティに近いイベントの制作経験が豊富なReedPopを起用したことには、こうした背景があるのかもしれない。
E3 2023は、2023年6月の第2週に開催予定だ。
