国土交通省がUnityとUnreal Engine向けに「日本都市の3Dモデル利用支援ツール」を無料公開。行政機関がゲーム開発など後押し

 

国土交通省は2月28日、ゲームエンジンUnityおよびUnreal Engineに向けて、「PLATEAU SDK(ソフトウェア開発キット)」を正式リリースした。GitHubにて公開中だ。また、Unity Asset Storeでも同SDKの無料配布が開始されている。

*PLATEAUによるサンプルプロジェクトより

「PLATEAU SDK」は、日本の国土交通省が主導するプロジェクト「PLATEAU(プラトー)」のなかで開発されたソフトウェアだ。同プロジェクトは、日本全国の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化を推進している。「PLATEAU SDK」はPLATEAUが提供するそうした3D都市モデルデータを、UnityおよびUnreal Engineにて扱いやすくしてくれるツールキットとなっている。同ツールはリリースに先立ってベータ版が公開されており、このたびバージョン1.0.0として正式リリースを迎えたかたちだ。


「PLATEAU SDK」の特徴としては、都市3DモデルデータのフォーマットであるCityGMLの直感的なインポート機能があるという。地図上での範囲選択による都市モデルの抽出や、PLATEAUのサーバー上で提供されているモデルデータへのアクセス機能も提供される。また、都市モデルに含まれる地物のフィルタリングやほか3Dファイル形式のエクスポート、属性データにアクセスするためのBlueprint APIへの利用などが可能となる。開発者は、こういった機能をUnityおよびUnreal Engineで駆使することにより、実世界の日本を舞台にしたゲーム開発に活かせるわけだ。

なお、昨年半ばには国交省発によるゲームのMod制作構想が明かされたこともあった(Mogura VR News)。PLATEAUの有する3D都市モデルを利用して、『Cities: Skylines』ゲーム内に日本の国土を反映しようという計画だ。また、その際にはSDKの開発とリリースの計画も語られており、今回めでたく実現したかたちとなる(関連記事)。ほか、同プロジェクトの詳細については、PLATEAU公式サイトを参照してほしい。

PLATEAU SDK for Unity」および「PLATEAU SDK for Unreal Engine」は、それぞれGitHubにて公開されている。また、Unity向け「PLATEAU SDK」についてはUnity Asset Storeでも公開中だ。MIT Licenseのもと、無償利用可能となっている。



※ The English version of this article is available here


貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。