コーエーテクモゲームス、「バレンタイン/ホワイトデーのプレゼント」辞退表明。推しキャラへのプレゼント(物理)は自粛
コーエーテクモゲームスは1月31日、公式ホームページ内で、バレンタインデー、ホワイトデーの贈り物の辞退を表明した。バレンタインデーやホワイトデーでの贈り物を遠慮したいという、事情がわからない人にはやや不思議な表明であるが、ちゃんとした理由のある話なのだ。
バレンタインデーやホワイトデーでは、異性などにチョコレートやプレゼントを送呈する文化があるというのは多くの人がご存知だろう。そして贈られる相手は、“現実の人間”だけにとどまらない。ゲームキャラにもプレゼントを贈る人はいるのである。しかしそうしたプレゼントをゲームキャラに贈る手段は限られている。ではどうするのか、そのゲームキャラを生み出したゲーム会社に贈るのである。
コーエーテクモゲームスは多彩なIPを抱えている。その中でも、もっともコミュニティの熱気が強いのはいわゆる乙女ゲー界隈だ。コーエーテクモゲームス内には、ルビーパーティーと呼ばれるチームが存在し『アンジェリーク』『遙かなる時空の中で』『金色のコルダ』『バディミッション BOND』といった作品を生みだしてきた。それぞれのゲームのキャラが魅力的に描かれキャラ人気も高い。そうしたキャラへ贈り物をすべく、コーエーテクモゲームスにプレゼントを贈る人がいるわけだ。もちろん、プレゼントが贈られるのはルビーパーティー作品に限らないだろう。
しかし、コーエーテクモゲームスは昨年、コロナ禍ということや在宅勤務スタッフもいる、あるいは安全への影響もあるということで、バレンタインデーおよびホワイトデーの贈り物は辞退。そして今年も引き続きプレゼントは辞退する方向で固まったようだ。
コロナ禍に際してのバレンタイン・ホワイトデーでのプレゼントへの対応はゲーム会社で異なる。『ファイナルファンタジーXIV』においては、2021年1月にスクウェア・エニックスが「プレゼントに食品を贈るのを控えて」と告知していた(関連記事)。
一方、こうした文化をビジネスに落とし込んだのはCygames。今年は『グランブルーファンタジー』のキャラに対して、ユーザーがキャンペーンサイトから“好きなグッズを贈る”というバレンタインキャンペーンを展開中。サイト内でユーザーが購入したプレゼントは、直接キャラクターのもとへ届くという。後日、そのプレゼントを受け取ったキャラクターからのお礼の品か運営からのお礼が、ユーザーのもとに届くそうだ。キャラに直接プレゼントを贈るという意味で、面白い試みである。
コロナ禍や在宅勤務体制はすぐには終わらないと考えられるが、来年はコーエーテクモゲームスはこうした“愛”に対してどのように向き合うのだろうか。各社のプレゼント対応に注目したい。
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