「ポケモンカードゲーム」にて「約20年ぶりにユンゲラーが復活する」とユリ・ゲラー氏が宣言。騒動の張本人、勝手にバラす

超能力者を自称するタレントのユリ・ゲラー氏は1月26日、自身のTwitterにて今後発売となる「ポケモンカードゲーム」の新たなラインナップにユンゲラーが収録されると発言した。

超能力者を自称するタレントのユリ・ゲラー氏は1月26日、自身のTwitterにて今後発売となる「ポケモンカードゲーム」の新たなラインナップにユンゲラーが収録されると発言した。ユンゲラーは同氏の過去の訴訟の影響で商品展開が控えられ、「ポケモンカードゲーム」においては長らく収録されない状態となっていた。

ユンゲラーは、初代『ポケットモンスター』に登場したエスパーポケモン。ケーシィがレベル16になることで進化するポケモンで、通信交換を用いることでフーディンへと変化する。耐久こそ脆弱であるが、とくしゅに秀でる強力なエスパーポケモンとして、当時人気を博した。


今回ユリ・ゲラー氏は自身のTwitterアカウントにて、「ポケモンカードゲーム」にユンゲラーが復活すると宣言する動画を投稿。今年半ばに新たな拡張パックが発売され、そこでユンゲラーが2002年以来の登場を果たすと突然言い放ったのだ。同氏はさらに日本語版のユンゲラーのポケモンカードを背景に、ユンゲラーとの“問題”の経緯や想いを語っている。

ユリ・ゲラー氏が約20年前東京のショッピングモールを訪れた際、少女たちが自分に向かって叫んでいたという。何事かと驚き、その原因となる自分によく似た名前のポケモンカードを見つけたのだという。

そうした出来事を受けてか、ユリ・ゲラー氏は任天堂が自分のイメージを盗用しているとし、2000年にアメリカ・ロサンゼルスにて約100億円の損害賠償を求めて提訴していた。単なるイメージ盗用だけでなく、ユンゲラーが頭痛を引き起こす存在であることや、わるいユンゲラーなるポケモンカードが存在していること、そのほか頭や腹のマークがナチスの武装親衛隊を示しているなど、さまざまな理由にてイメージ悪化をもたらしていると訴えていた(ポケモンWiki)。

なおユンゲラーのポケモン名は、日本でのみ使用されている。同ポケモンの英語名はKadabraなのだ。それゆえにユンゲラー訴訟はアメリカ法の連邦法の訴訟の要件を満たしていないとし、ユリ・ゲラー氏が敗訴することとなった。任天堂は勝訴したものの 、ユンゲラーを使った商品展開を控えており、特に「ポケモンカードゲーム」においては、eシリーズ以降ユンゲラーは登場していない。アニメや関連ゲームでの登場も控えられており、ユリ・ゲラー氏のユンゲラー訴訟は尾を引く形となっていた。

しかし2020年11月29日、ユリ・ゲラー氏はユンゲラーの禁止処分要請を解くと発表した(関連記事)。背景としては、ユリ・ゲラー氏のもとにはユンゲラーを許可することを願うメールが大量に送られていたのだという(The Gamer)。また同氏はユンゲラーの禁止処分を解くと発表した当時、Twitterにて禁止要請を取り下げることが子供たちにとって非常に重要であると語っていた。さらに成功よりも失敗から学ぶとして、20年前にしたこと、つまり任天堂を相手取った訴訟について謝罪した。今回の発表では、今ではユリ・ゲラー氏もおじいちゃんになっていると明かしており、子どもたちへの想いからユンゲラーを解放するに至ったのかもしれない。

Image Credit: Uri Geller on Twitter


いずれにせよ、ユリ・ゲラー氏はユンゲラーの「ポケモンカードゲーム」での復活を喜んでいるようだ。今回の動画においてユンゲラー復活を大ニュース(Great News)としており、ポケモンカードファンに対して「愛しているよ!」ともコメント。ノリノリでユンゲラー復活を伝えている。

そもそもユリ・ゲラー氏の訴えが発端となりユンゲラーが消えていたこともあり、やや不思議な宣言ではある。また、ユンゲラーが「ポケモンカードゲーム」に復活するかどうかも、少なくとも国内向けには公式発表が見当たらず、「ユリ・ゲラー氏が先走って公表した」可能性が高い。とはいえ同氏の態度を見るに、20年以上の時を経て、ユリ・ゲラー氏と任天堂のユンゲラーをめぐる騒動は改めて雪解けに至ったといえるだろう。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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