ユリ・ゲラー氏、ポケモンのユンゲラー訴訟を謝罪。ユンゲラー禁止処分要請の取り下げを宣言


超能力者を自称するタレントのユリ・ゲラー氏は11月29日、「ポケットモンスター」におけるユンゲラーについて、禁止要請を取り下げたと発表した。Twitterでは動画が投稿されており、ユリ・ゲラー氏が、20年間開いていなかったというカバンを開封。ユンゲラー関連の商品を見せつつ(見せている多くの商品がケーシィやフーディンのものだが)、これらは訴訟の際に使ったものだとコメント。ユンゲラーを自由にすると宣言した。

ユンゲラーは、初代『ポケットモンスター』に登場したエスパーポケモン。ケーシィがレベル16になることで進化するポケモンで、通信交換を用いることでフーディンへと変化する。耐久こそ脆弱であるが、とくしゅに秀でる強力なエスパーポケモンとして、当時は人気を博した。

前出のユリ・ゲラー氏は、任天堂が自分のイメージを盗用しているとし、2000年にアメリカ・ロサンゼルスにて約100億円の損害賠償を求めて提訴していた。単なるイメージ盗用だけでなく、ユンゲラーが頭痛を引き起こす存在であることや、わるいユンゲラーなるポケモンカードが存在していること、そのほか頭や腹のマークがナチスの武装親衛隊を示しているなど、さまざまな理由にてイメージ悪化をもたらしていると訴えていた(ポケモンWiki)。


ユンゲラーのポケモン名は、日本でのみ使用されている。同ポケモンの英語名はKadabraなのだ。それゆえにユンゲラー訴訟はアメリカ法の連邦法の訴訟の要件を満たしていないとし、敗訴することとなった。任天堂は訴訟には勝訴したものの 、ユンゲラーを使った商品展開を控えており、特にポケモンカードにおいては、ポケモンカードeシリーズ以降ユンゲラーは登場していない。アニメや関連ゲームでの登場も控えられており、ユリ・ゲラー氏のユンゲラー訴訟は尾を引く形となっていた。

しかし11月29日、ユリ・ゲラー氏はユンゲラーの禁止処分要請を解くと発表した。背景としては、ユリ・ゲラー氏のもとにはユンゲラーを許可することを願うメールが大量に送られているのだという(The Gamer)。Twitterでは、禁止要請を取り下げることが子供たちにとって非常に重要であると語っている。また成功よりも失敗から学ぶとして、20年前にしたこと、つまり任天堂を相手取った訴訟について謝罪した。

ユリ・ゲラー氏はすでに任天堂に禁止処分を解くメールを送ったといい、2名の担当者がそうした手紙を受け取っているそうだ。ユンゲラーを今後どのように展開していくかは、任天堂次第だという。20年の時を経て、ユリ・ゲラーとユンゲラーをめぐる騒動は雪解けに向かいつつある。