『ポケモンSV』向けに、“強い”パーティ構築AIツールが対応開始。こだわりポイントを入力し、あとはおまかせ

ブラウザアプリ「AI Team Builder」が1月6日、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』へ対応した。本アプリではAIが機械学習をもとに、“強い”パーティ構築を提案してくれるという。

ブラウザアプリ「AI Team Builder」が1月6日、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』へ対応した。本アプリではAIが機械学習をもとに、“強い”パーティ構築を提案してくれるという。

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(以下、ポケモンSV)は、『ポケットモンスター』シリーズの最新作。開発はゲームフリークが手がける。本作では、オープンワールドを舞台に、ほぼ境目なくシームレスに広がる街や大自然が楽しめる。オンライン対戦機能も存在し、トレーナーたちがしのぎを削っている。ランクバトルモードも実装されており、先月よりシリーズ1シーズン1が開催。昨日1月6日からはシーズン2が開幕となった。

AI Team Builder」は、そんな対人戦におけるパーティ作りを助けてくれるというブラウザアプリだ。開発を手がけるのはなおまる氏。同氏は本アプリのほかにも、YouTubeにてポケモンとAIを絡めた動画を複数投稿している人物だ。

「AI Team Builder」では、ポケモン6体分の入力欄の任意の部分に好みの要素を入力すると残りのパーティ構築を提案してくれる。『ポケモンSV』向け「AI Team Builder」では、使いたいポケモン・もちもの・テラスタイプを入力。Buildボタンを押せば、ユーザーが入力しなかった枠を埋めるのによさそうなポケモン・もちもの・テラスタイプをAIが導きだして表示してくれるわけだ。

Image Credit: AI Team Builder


本アプリは2022年6月に、『ポケットモンスター ソード・シールド』のシングルバトル用パーティ構築用ツールとして公開。その後ダブルバトル向けや、伝説・準伝説ポケモンのみ使用可能なルール「レジェンド・オブ・ラウンド」向けの別バージョンが追加されていた。そんな本アプリがこのたび、『ポケモンSV』にも対応を果たしたかたちだ。

本アプリの仕組みとしては、まずユーザーが入力した内容をもとに1000組以上のパーティ構築をランダム生成。そのうちAIが“強い”と判断したパーティ上位5組を表示しているそうだ。AIにはニューラルネットワークを使用。ランクバトルや世界中の大会で結果を残したパーティ構築における、各ポケモンの種族値・タイプ・アイテムを入力値としてAIが学習をおこなっているという。そうした学習内容をもとに、“強い”パーティの判断をおこなっているわけだ。

なお結果を残したパーティ構築の情報は、構築記事をまとめたサイトから収集しているとのこと。『ポケモンSV』ではシーズン1終了に際して、ユーザーたちが同シーズンでの構築記事を数多く公開していた。このたび本アプリが本作への対応を果たしたのは、AIに学習させる構築記事が十分に集まったためだろう。

なおまる氏が本アプリを開発する動機としては、パーティ構築におけるトレーナーたちの悩みを解決する一助になりたいという想いがあるそうだ。「好きなポケモンを使って構築を作りたい」、「構築の最後の1枠がなかなか決まらない」といった悩みは同氏も抱えていたそうで、本アプリの開発に至ったという。

なお本アプリの学習済みAIによる検証データへの正答率は90%とされている。一定の精度は確保されているものの、強い構築を確実に導き出してくれるわけではない点には注意してほしいそうだ。

【UPDATE 2022/1/7 17:06】
AIの正答率に関する記述を調整。


『ポケモンSV』でポケモンたちにテラスタイプの要素が加わり、構築の可能性は大幅に広がった。そのぶんパーティ構築の難易度が上がった側面もあるだろう。運用してみて上手くいかず、構築を変える際には、育成などの手間もかかる。「AI Team Builder」を使えば、そうしたパーティ構築における試行錯誤をショートカットできる可能性があるわけだ。特に新規トレーナーにとっては、一定の精度で“強い”パーティを提案してくれる本アプリは便利だろう。パーティ構築の難しさから対人戦を避けていたトレーナーは、本アプリを利用してみてはいかがだろうか。

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』はNintendo Switch向けに発売中。



※ The English version of this article is available here

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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