サービス終了する『ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー』の反省点について開発元がコメント。PCに展開しなかったことなどをあげる

 

エイチームは12月13日、自社のIRページにて、2023年7月期 第1四半期決算説明会における質疑応答内容を公開した。その中で、『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER(ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー)』(以下、FF7FS)の問題点についてふれている。gamebizが報じている。

『FF7FS』は、マテリアやアビリティを駆使して生き残りを目指す、バトルロイヤルアクションゲームである。ゲームエンジンとしてはUnreal Engineを採用。舞台になるのは、『FINAL FANTASY VII』本編以前のミッドガルだ。同作本編から30年前、急速に軍事力を誇示しつつあった神羅カンパニーは、「ソルジャー計画・Project0」を発足し、強化兵士部隊を新設しようとしていた。本作では、知られざるファーストソルジャー結成にまつわる戦いが描かれる。


『FF7FS』については、スクウェア・エニックスと共にエイチームが開発を担当。2021年11月よりモバイル向けに配信されたものの、2023年1月11日にサービスが終了することが告知されていた。スクウェア・エニックスは、サービス終了の理由について「今後お客様にご満足いただけるサービスの提供が困難であるという結論に至った」と説明していた。


そして今回開発を担当したエイチームが、2023年7月期 第1四半期決算説明会にて『FF7FS』の問題点や得られた知見について問われ、経営陣が回答。PC展開していなかったことや初期のクラッシュ率が多かったこと、さらにファンが熱心であるにもかかわらず、シンプルなマネタイズモデルしか採用しなかったことなどを列挙した。

またPC展開について同社は、バトルロイヤルゲームはPCを中心に広がっているとの認識をコメント。本作のゲームジャンルがバトルロイヤルであることも踏まえ、PCで展開しなかったことを問題点としてあげているようだ。

ちなみにスクウェア・エニックスは『FF7FS』を配信する前の段階で、スマートフォン以外での本作サービス展開も示唆していた。たとえば、クリエイティブディレクターの野村哲也氏は、2021年10月時点に、同作をコントローラーに対応させると発表。同作はあくまでスマートフォン向けに開発されているが、コンソールやPCなどに対応してほしいというユーザー意見も想定し、ほかのプラットフォーム展開についても念頭において開発が進められているとコメントしていた(関連記事)。しかし結局その計画は実現に至らなかった。今回のエイチームのコメントも含めて、PCやコンソール展開について意識されていたことがわかる。


なお、エイチームは『FF7FS』から学んだ点としてはUnreal Engineを使って開発し高品質なアプリをリリースできたことや、多くのユーザーを同時にマッチングさせリアルタイムプレーを提供する技術の知見がたまったこともあげている。原文を見たい方は質疑応答ページ(PDF)を見てみるといいだろう。

なおエイチームといえば、『ユニゾンリーグ』や『ヴァルキリーコネクト』を含めてモバイルゲーム展開が多い会社だった。が、同社は今後のゲームにおいてはモバイルゲームだけでなく、PCゲームのデジタル配信やコンソールゲームのデジタル配信などをターゲットに、人気IPと連携し中長期的な展開をしていくとコメントした。『FF7FS』にて学んだ点は、そうした展開に生かされるのかもしれない。



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