Steamで「ソードアート・オンライン」風二次創作アプリランチャーが人気。フルダイブ型便利ツール
Studio GPBetaは現地時間11月6日、SteamにてPC向けアプリランチャー「SAO Utils 2: Progressive」(以下、SAO Utils 2)を正式リリースした。価格は無料。小説・アニメなどで人気の「ソードアート・オンライン」に影響を受けた二次創作ソフトだ。その再現性のほか、実用性もあるツールとして人気を博している。
「SAO Utils 2」は、Windows向けのアプリケーションランチャーだ。コンセプトとしては、「ソードアート・オンライン」作中に登場する、同名VR・MMORPGにおけるゲーム内UIを再現した二次創作ランチャーとなっている。たとえば、本ランチャーの起動画面は、作中のフルダイブ型VRマシン「ナーヴギア」の起動画面の再現となっている。そしてランチャーが起動すると、アニメ「ソードアート・オンライン」さながらのゲーム内UIが展開。作中でキャラクターたちが実際に操作しているようなメニューが、デスクトップに展開されるわけだ。
また、効果音や3D空間風の描画もサポートしており、「VRっぽい雰囲気」を醸し出している。スピンオフ作品「ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン」の作中ゲーム「ガンゲイル・オンライン」風にもUIを変更可能だ。
また、同ツールは機能面でも凝っている。お気に入りのプログラムやフォルダを開くなどの基本機能のほか、デスクトップウィジェットもサポートしている。たとえばデフォルトでは、ランチャー画面左上に「キリトのHPバー」が表示。こちらは実際はPCのCPU負荷率の表示となっている。これらは項目を増やして「GPU負荷率」「HDD空き容量」などの好みの表示にできる。ほかにも「チャット/メールクライアント」「(中国ユーザー向け)アニメWeb配信表」など、多種多様なウィジェットが存在。プログラミングにより、ユーザーが自らウィジェットを作り上げることも可能となっているそうだ。「ソードアート・オンライン」の再現に留まらない、高い拡張性をもったツールとなっているわけだ。
本ツールは今年5月よりSteamにて早期アクセス配信を開始。その時点から1000人ほどが利用するなど一定の人気があった。そして、現地時間11月6日の正式リリース後にはSteamでのユーザー数がぐぐっと増加。それからSteamを通じて毎日ピーク時で3000人前後がこのツールを使っているようだ(SteamDB)。評価としても、早期アクセス段階を含めて、本稿執筆時点で300件を超えるレビューが投稿。うち95%が好評とする「非常に好評」ステータスだ。内容としては、やはり「ソードアート・オンライン」の再現性を評価するファンの声のほか、機能面も一定の評価を受けている。
また、人気の背景には、本ツールがSteam登場前から「SAO Utils」として長らく開発されており、すでにユーザーベースを構築していた点もあるだろう。本ツールを手がけるStudio GPBetaは、Joshua Chen氏による個人スタジオだ。「SAO Utils」については、2019年にはアルファ版が開発されていた様子が見られる。同ツールは有志によって日本語にも対応。国内外で時折話題となった様子があり、Steam早期アクセス配信前から一定の支持を集めていたわけだ。
そして2022年11月6日は、「ソードアート・オンライン」作中における記念日でもある。同日VR・MMORPG「ソードアート・オンライン」が正式サービスを開始。ゲーム内で死亡すると現実の肉体も死亡するゲームのなかで、主人公キリトの死闘が始まった日でもあるのだ。現実での同日には、「ソードアート・オンライン」ファンも大いに盛り上がりを見せていた。そんななか、「SAO Utils 2」が正式リリースされ、ファンたちに歓迎された面はあるだろう。
ほか、先日には、VRデバイス「Oculus」の生みの親が「ソードアート・オンライン」での出来事を記念して、「ゲームで負けると実際に命を失うヘッドセット」を作ったことを明らかにしていた(関連記事)。「ソードアート・オンライン」ファンの情熱が大いに発露する記念日だったわけだ。
「SAO Utils 2: Progressive」は、Steamにて無料で配信中。なお、ワークショップや実績などSteamサービスが利用できる有料版「SAO Utils: Beta」も配信されており、こちらは“寄付バージョン”と説明されている。
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