『オーバーウォッチ2』電話番号認証義務がややゆるくなる予定。背景には世知辛いプリペイド携帯事情

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Blizzard Entertainmentは10月6日、『オーバーウォッチ2』におけるリリース直後の状況と、今後について告知した。そのなかでは、本作より導入された電話番号認証(SMSプロテクト)を一部緩和するとの方針も明かされている。その背景には、リリース直後より寄せられていた「プリペイド携帯利用者は、たとえ前作からファンでも『オーバーウォッチ2』を遊べない」とのユーザー指摘があったようだ。

『オーバーウォッチ2』はBlizzard Entertainment(以下、Blizzard)が手がけるオンライン対戦FPSゲーム。人気を博した『オーバーウォッチ』の続編として、基本プレイ無料タイトルとして10月5日にリリースされたばかりだ。本作では6対6から5対5への対戦人数の変更や、既存ヒーローの調整および新ヒーローの追加などが実施されている。また、システム面では新たにSMSプロテクトを義務付け。PCおよびコンソール版のすべてのプレイヤーはBlizzardが運営するBattle.netアカウントへの電話番号登録が義務付けられることになった(関連記事)。つまり、番号を登録してSMS認証を完了しなければ、本作を遊ぶことはできないわけだ。


しかし本日公開されたブログ記事にて、BlizzardはこのSMSプロテクトを緩和すると告知した。過去作『オーバーウォッチ』をすでに遊んでいたプレイヤーについて、電話番号登録なしで『オーバーウォッチ2』を遊べるようにするとの方針だ。対象は「既存の『オーバーウォッチ』プレイヤーの大部分」とされており、少なくとも現地時間2021年6月9日からサービス終了までに『オーバーウォッチ』を遊んでいたユーザーは、SMS認証せずプレイが可能になるとのことだ。この変更については、今月10月7日に実施される見込みだ。

BlizzardはSMS認証についての告知のなかで、プレイヤーからのフィードバックに度々言及している。プレイヤーから寄せられた意見を受けて、今回の変更が決断された様子を示唆している。このフィードバックの一例と見られるのが、現在SNS上などで寄せられていた「プリペイド式携帯の電話番号では、『オーバーウォッチ2』に登録できない」とするユーザー報告だ。


そうした不満は、Redditなどを中心に複数のユーザーより寄せられている模様。なかには認証を拒否された画面らしきスクリーンショットを投稿する者もいるようだ。こちらでは「後払い式の電話番号を入力してください」とエラーが表示されており、同様のエラーが出ているとするユーザーの声も寄せられている。

なかでも比較的注目を集めた投稿として、RedditユーザーのRLmclovin氏のもの。具体的には、プリペイド携帯にて『オーバーウォッチ2』の電話番号登録を拒否されたと報告している。同氏は低価格でも知られる、米国の事業者Cricket Wirelessのプリペイド携帯を利用しているとのこと。そして収入の関係で、同氏の家庭ではCricket Wirelessのプリペイド携帯を利用するのがやっとであるとの旨を明かしている。同氏は前作『オーバーウォッチ』からプレイしているユーザーのようで、「まさか後払い携帯を契約できる収入があるかどうかで、『オーバーウォッチ』のプレイ資格を失うとは思わなかった」と落胆を伝えている。

プリペイドゆえに『オーバーウォッチ2』を遊べなかったとするユーザーの声はほかにも寄せられており、PCGamerなど各海外メディアも伝えるに至っている。たとえばKotakuは、実際にCricket Wireless回線を利用しているという学生にインタビューを実施したとのこと。そのなかでは、米国において所得が比較的低い家庭やユーザーでは、プリペイド携帯の利用が現実的な選択となるという点や、「もしも普通の後払いを契約して未払いになった場合、クレジットスコア(信用情報)が台無しになる」との厳しい状況も語られている。

『オーバーウォッチ2』は、前作『オーバーウォッチ』がサービス終了し、そのまま入れ替わるかたちでリリースされた。また、上述のようにプリペイド携帯は、米国において低所得・貧困層に利用者が多いとされる。つまり「プリペイド携帯番号は登録できなくする」という基準は、そうしたユーザーへの門戸を閉ざし、さらには『オーバーウォッチ』を遊んでいた既存ファンの一部をも締め出すかたちになっていたわけだ。それゆえに本件はユーザー間で話題となり、Blizzard側も「既存プレイヤーに対しては、電話番号登録不要とする」との素早い対応に至ったのだろう。


なお、Blizzard側は『オーバーウォッチ2』にてSMSプロテクトを導入した目的として、チート対策などを挙げている。電話番号登録というハードルを設けることで、不正ユーザーの新アカウント取得などを制限していく目的だろう。チート対策として一定の成果は期待できるほか、アカウントのセキュリティ強化などにも繋がる方針ではある。今回は、その受け入れ基準が問題となってしまったようだ。

なお、新たに『オーバーウォッチ2』をプレイするユーザーなどは、引き続きBattle.netアカウントへの電話番号登録が必要となるとのこと。今後プリペイド携帯ユーザーも受け入れるかどうかは明らかにされていない。電話番号登録は、『オーバーウォッチ2』のみならずさまざまなオンラインゲームに導入されつつある。この仕組みにより、チート利用者が再びアカウント取得がしづらくなり、あるいはスマーフィングなどへの対策にもなる。一方である程度の縛りが伴う以上は、今回のような副作用も付随する。これらの問題をどのように解決するかが鍵を握る。引き続き、チート対策とユーザー受け入れのバランスは課題となるだろう。

オーバーウォッチ2』はPC/PlayStation 4/PlayStation 5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに配信中。電話番号登録義務の緩和は、現地時間10月7日より開始予定だ。

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