『原神』ピラミッドの外壁を“不法登頂”する旅人たちが目撃される。待ち受ける、ねずみ返しと巨大逆三角形

 

HoYoverseは9月28日、『原神』にてアップデートVer.3.1「赤砂の王と三人の巡礼者」を配信開始した。同アップデートでは、新たな魔神任務や新キャラクターのプレイアブル化など、多数のコンテンツが登場。スメールの南西に広がる砂漠を舞台に、新たな冒険が旅人を待ち受けている。そんな多くの旅人が華々しい新コンテンツに触れる中、ピラミッドの“不法登頂”に挑む旅人もいたようだ。ゲーム実況・解説動画投稿者のマグロヘッド氏など数名が、見事外壁ルートからピラミッド登頂に成功している。


『原神』は、HoYoverseブランドより展開中のオープンワールドアクションRPGである。本作の舞台は、7つの国や元素が存在する世界テイワット。主人公は、あるきっかけからテイワット大陸を訪れた旅人だ。プレイヤーは旅人となって世界を冒険。現在のバージョンでは、4番目の地域スメール舞台とした旅路が描かれている。システム面では、各プレイアブルキャラクターにはそれぞれ扱える元素と、固有の元素スキル/元素爆発といった技が存在している。また本作では、スタミナを消費することで壁や崖の登攀が可能。一部キャラクターの移動に使える元素スキルなどもあわせて、山や建物の上を目指すなど、オープンワールドアクションらしい遊びも用意されている。

アップデートVer.3.1「赤砂の王と三人の巡礼者」では、砂漠を舞台にした魔神任務が追加され、セノやキャンディスといった新キャラクターがプレイアブル化。スメールの南西に位置する砂漠エリアも、あわせて開放された。砂漠には、古き王スカーレットキングを奉じる砂漠の民が住まい、時に砂嵐が吹き荒れる。砂漠の中央には、キングデシェレトの霊廟なる巨大ピラミッド型の遺跡が鎮座。霊廟は大きく3層に分かれており、地上から生えた山ほどのピラミッドの上には、更に2つの建造物が中に浮かび、異彩を放っている。『原神』の世界に、ファンタジーならではのロマン溢れる巨大建造物が新登場したわけだ。


旅人は通常、ある任務を経由してキングデシェレトの霊廟に訪れる。しかし、山が見えれば登りたくなるもの。有史以来人類がより遠く、より高く、より深い場所を目指してきたように、ピラミッドの外壁を直接登ろうとする旅人もいたようだ。巨大な遺跡をどのように登っていったのだろうか。ここからは、外壁の概要と登り方を紹介していこう。なおピラミッドの頂上に辿り着く手段としては、ゲーム内に正規ルートが用意されているほか、バグを利用した方法も存在している。


キングデシェレトの霊峰への挑戦

ピラミッド型の巨大遺跡「キングデシェレトの霊廟」外壁の攻略は、その構造自体と同じく、大きく3段階に分けられる。第一段階は、地上部分にあたるピラミッド風建造物だ。ピラミッド部分の攻略は、端的に言ってただ登っていくだけである。見かけの傾斜こそ厳しいものの、大部分はそのまま2本の足で歩き、通常アクションだけで登っていける。この段階にあたっては、明らかにHoYoverseも旅人がピラミッドを登ることを想定しており、観光気分で高所からの光景が味わえるだろう。外壁攻略の難易度が上がるのは、次の段階からである。


続いて、ピラミッド風建造物の上に浮かぶ遺跡中間部分の攻略となる。第2段階においては、まず高度が立ちふさがる。遺跡中間部分は文字通り浮かんでおり、これまで登ってきた地上部分のピラミッドから地続きになっていない。到達には高度が必要となるが、通常アクションのジャンプと滑空だけでは高さが不十分だ。そこで、岩元素主人公や鍾離の元素スキルによる設置物と、ウェンティや楓原万葉などの元素スキルを活用。設置物の上に乗り、そこから更に元素スキルによって跳躍することで、強引に高度を稼ぐ。

高く飛び上がった後には、滑空しながらうまく掴まれる地点を探す。『原神』では、崖や壁などを登っていけるものの、どこでも登れるわけではなく、一部掴まれない崖などが存在している。遺跡中間部分においても登攀可能なポイントは限定的なため、高度を稼いでから掴まれる場所まで飛ぶことになる。また、登攀に関わる元素スキルをもつキャラクターの内、岩元素主人公以外はいずれもガチャでのみ入手可能。第2段階以降は、根気と所持キャラクターが問われるわけだ。なお筆者の場合は、第2段階で詰まってしまったため、以降の記述はマグロヘッド氏の動画を参考としている。

共にマグロヘッド氏の動画のキャプチャー


動画内でマグロヘッド氏は、楓原万葉の元素スキルによる空中ジャンプなどを活用し、第2段階を攻略。遺跡中間部分から、さらに上に浮かぶ逆ピラミッド型の建造物へ飛び移り、三段目へと進んでいく。逆ピラミッド型の建造物は巨大で、頂上へ向かうためのルートもはっきりしていない。一方で歩ける場所も存在するため、ポケットワープポイントをセーブ代わりに活用しながら、頂上付近まで登っていったようだ。

しかし、最後に難関が待っていた。頂上の目前には、ねずみ返しのような外に向かって広がる段差が待ち受けていたのだ。『原神』では、基本天井に張り付くことはできない。外側へ移動するには滑空かジャンプになるが、楓原万葉の元素スキルを使って空中ジャンプを駆使しても、ねずみ返しを越えるには高度と距離が足りない。一見不可能にも思えるが、ここで同氏は鍾離や岩元素主人公の元素スキルを使い、天井付近にいくつかの橋頭堡を確保することに。試行錯誤を繰り返しながら、6時間の挑戦の末、見事ピラミッドの“不法登頂”に成功した。頂上には何が待ち受けていたのか、挑戦のその後については動画をご覧いただきたい。


HoYoverseへの謎の信頼

記事執筆にあたってマグロヘッド氏に話を聞いた。そもそもピラミッドの不法登頂に挑戦した動機としては、マグロヘッド氏は高い建物に登るのが好きだからだという。どこかによじ登るような遊びはオープンワールドならではであり、『原神』をより堪能したい気持ちもあったのだという。続いて一番苦労したポイントとしては、ピラミッド後半部分の逆三角形を挙げている。動画では大部分がカットされていたが、すべてがキツイ傾斜となるため登れる場所が限られており、手探りで進んでいくのが本当に大変だったそうだ。マグロヘッド氏が挑戦したのはアップデート当日の9月28日のこと。当然ネット上にもピラミッド外壁の登頂ルート解説はないので、自力ですべてのルートを探さなければならない点は精神的にもこたえたそうだ。

登頂を終えた感想としては、嬉しい気持ちはあるものの、安堵が6割ほどを占めていたとマグロヘッド氏は語る。挑戦途中には、登り始めたはいいものの本当に頂上まで登りきれるかわからず、時間を浪費している焦りもあったという。しかしマグロヘッド氏は、HoYoverseなら途中にあえて引っかかれる場所を作り、頂上まで登れるように設計している気がしたといい、“謎の信頼”のおかげで最後まで登りきれたそうだ。なおピラミッドを登るコツとしては、岩元素主人公/鍾離/ウェンティ/楓原万葉といった無理矢理崖を登れるキャラクターの所持を挙げている。同氏によればキャラクターが揃っていない場合、今回の“不法登頂”は不可能かもしれないそうだ。ちなみに同氏は、普段あまり必要とされない鍾離の1凸効果が登頂で役立ったことを、興味深かった点として挙げている。尋常ならざる根気を必要としそうなキングデシェレトの霊廟不法登頂。高みを目指す旅人は、キャラクターが揃っているなら挑戦してみてもいいかもしれない。

原神』は、PlayStation 4/PlayStation 5/PC/iOS/Android向けに配信中。スメール南西の砂漠では、キングデシェレトの霊廟がさらなる不法登頂者を待っているかもしれない。

【UPDATE 2022/10/1 10:07】
キングデシェレトの霊廟の表記を修正



※ The English version of this article is available here


なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。