Steam基本プレイ無料MMO風クリッカー『World of Talesworth』がそこそこ人気。ギルド作っても実質ひとり、孤独の廃人


先日Steam向けに配信された“シングルプレイ向け”MMO放置ゲーム『World of Talesworth: Idle MMO Simulator』(以下、World of Talesworth)が、同ジャンルの小規模作品として好調な同時接続プレイヤー数を記録しているようだ。経験者がニヤりとする“MMOあるある”を盛り込んだ作風となっている。


『World of Talesworth』は、MMORPGをテーマにしたクリッカー/放置ゲーム。しかし本作でプレイヤーは、MMORPGを“ひとり”で遊ぶことになる。本作はマルチプレイなどには対応しておらず、あくまでも大規模マルチプレイゲームっぽい体験ができる作品なわけだ。

ゲームプレイは基本的に放置で進行する。ゲーム開始時には「WARRIOR(戦士)」クラスのキャラのみが作成可能だ。キャラを作ったら、適切な狩り場を選択。あとは自動的にキャラクターが動いてクエストを受注し、討伐対象の雑魚敵を倒しにいき、クエスト完了報告から再受注まで済ませてくれる。画面に張り付く必要はないわけだ。最初は基本的に見守るしかないものの、レベル上昇などの進行に応じて要素がアンロック。報酬コインでの“アカウントアップグレード”や、武器のクラフトなどが可能になっていく。また、敵からドロップする装備などでもキャラ強化が可能。強い装備を身につけるほど、クエスト自動進行の速度が加速していくシステムだ。


そして、『World of Talesworth』の魅力のひとつが、随所に散りばめられた“MMOあるある”だ。一定までゲームを進めると、ギルドが作成可能となる。掲示板にギルドメンバー募集書き込みをして、加入メンバーを募りパーティーを組むのだ。しかし、募集書き込みは定期的に手入れして表示順位を“アゲ”なければならない。新規書き込みに流されないよう、上位表示を維持する必要があるわけだ。また、加入メンバーにも生活があるため、時折オフラインになる。望むクラスとレベルのメンバーが来るとも限らないため、時には加入申請を拒否する必要も。申請拒否すると実績「Elitist Jerk(エリート主義の嫌なやつ)」がアンロックされる。ただ、拒否されたプレイヤーやギルドメンバーから不満が寄せられることはないため安心だ。

ほかにもMMO関連のユーモアは多分に盛り込まれており、怪しげなゲーム改造Modの購入なども可能。さらには、途中から「プレイヤー自身」のメンテナンスも必要となってくる。食事と睡眠をとらなければ死んでしまうため、当然といえるだろう。ゲーム内で仕事にいけば“ゲーム内のリアルマネー”が手に入り、MMO向けゲーミング機器の購入なども可能となる。ゲームが進行すれば、本格的にギルドメンバーに指示を出して攻略するレイドなども解禁。生活すべてをMMOに捧げる体験ができるのだ。


本作は8月19日のSteamリリース後、ピーク時同時接続者数1894人を記録するなど、クリッカー/放置ゲームジャンルの作品としてはなかなかの好調を見せている(SteamDB)。本作がかつてブラウザ向けゲームサイトKongregateにて配信され、一定の人気を集めていた影響もありそうだ。Steamユーザーレビューについては、記事執筆時点で119件中73%が好評の「やや好評」ステータス。不評も寄せられており、課金要素およびゲームの進行ペースの遅さに対する指摘が散見される。ただ、そうした面も一種の“MMOらしさ”と解釈できるかもしれない。

『World of Talesworth』はPC(Steam)向けに基本プレイ無料で配信中。