個人ゲーム開発者の鬼虫兵庫氏およびroom6は7月28日、『シロナガス島への帰還』Nintendo Switch版を11月17日に発売すると発表した。価格はダウンロード版が税込750円。パッケージ版は税込2480円で、初回生産特典としてオリジナルシングルCDが付属する。
『シロナガス島への帰還』は、忌まわしき孤島に隠された真実に迫る、ミステリーノベルADVである。本作の主人公・池田戦は、ニューヨークに住む私立探偵だ。ある日、ニューヨークで大富豪のロイ・ヒギンズが自殺する。池田がヒギンズ氏の屋敷へ向かうと、書斎には遺言状が隠されており、シロナガス島への後悔と招待状が書き残されていた。
池田は、娘のエイダ・ヒギンズから依頼を受け、ロイ・ヒギンズの死について調査。完全記憶能力をもつ“コミュ障少女”出雲崎ねね子を助手に、太平洋上に浮かぶ絶海の孤島シロナガス島へと向かう。しかし、シロナガス島を訪れた池田とねね子の前には、奇怪な殺人事件が待ち受けていた。疑わしい招待客と使用人たち。次々に起こる事件。島に隠された真実。池田とねね子の2人は、隠された忌まわしき秘密を暴き、呪われた島から脱出することになる。
シロナガス島の謎は、基本的にはノベル形式で展開される。選択肢によって誰かと会話したり、犯人を指摘したりしながら、テキストとCGによって物語が描かれるわけだ。また一部のシーンでは、ポイントアンドクリック型のシステムも登場。画面内の特定の箇所をクリックすることで、怪しげな場所を調査する。システム面では、スタンダードなADVと言えるだろう。
本作を開発したのは、島根県出身の作家で、個人ゲーム開発者でもある鬼虫兵庫氏だ。同氏は過去に第二回講談社BOX新人賞Stonesを受賞している。本作では、PC向けの完全版が2018年12月に初頒布。その後、2020年3月にSteam版が配信開始されるなど、PC向けに作品が展開されてきた。Steamのユーザーレビューでは、1831件中96%の好評を得てステータス「圧倒的に好評」を獲得。6時間ほどの本編に込められた要素の数々や、鬼虫兵庫氏の性癖が詰まったキャラクターなどが、好評の要因となっているようだ。
今回発売されるNintendo Switch版では、本編およびエクストラシナリオの内容に、ボイスが追加している。出雲崎ねね子役を井口裕香さん、アキラ・エッジワース役を石原夏織さん、ヴィンセント・スイフト役を中田譲治さんが務めるなど、プロの声優陣による日本語フルボイスで、本作の世界がより豊かに表現されるのだろう。また追加要素としては、いとうかなこさんによるEDおよびイメージソングも新たに登場。パッケージ版の初回生産特典として、いとうかなこさん歌唱した3曲が収録される。なお鬼虫兵庫氏のツイートによれば、ボイスはSteam版にもアップデートで追加予定となっている。
また本発表にあわせて、マーダーミステリー版の『シロナガス島への帰還』として、「シロナガス島への帰還 異聞 ~豪華列車シロナガスエクスプレス~」が発表された。マーダーミステリーとは、プレイヤーがシナリオ上の役を担当し、プレイヤー同士の会話により事件の謎を解明するアナログの推理ゲーム。「シロナガス島への帰還 異聞 ~豪華列車シロナガスエクスプレス~」では、『シロナガス島への帰還』の世界観をベースにした、推理ゲームが展開されるのだろう。マーダーミステリー版では、鬼虫兵庫氏の監修の元、イバラユーギ氏が脚本を担当。声優陣による進行用CDが付属し、10月28日に発売予定となっている。また本作関連の情報としては、クラウドファンディングのリターン品として配布されたドラマCDの一般販売が発表。Nintendo Switch版の発売を記念した、オンリーショップの開催も発表されている。
『シロナガス島への帰還』Nintendo Switch版はダウンロード版が税込750円で、11月17日発売予定だ。パッケージ版税込2480円で、シングルCDが付属。各ショップでは予約が開始されており、店舗オリジナル特典も用意されている。また『シロナガス島への帰還』PC版は、Steam/BOOTH/DMM GAMESでダウンロード版が配信中だ。
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