短編ADV『わだつみのこだま』Steam版が7月9日配信へ。海の向こうから聞こえる音にこだまを返す、ふしぎな交流
国内のサークルImage Laboは6月18日、『わだつみのこだま』のSteamストアページを公開した。2022年7月9日に配信開始予定。本作は、5月よりunityroomにて公開中のフリーゲーム『わだつみのこだま』の、Steam版となる。
『わだつみのこだま』は、海の向こうから聞こえる音にこだまを返す、短編アドベンチャーゲームだ。本作の舞台は、廃墟となった島のはずれである。そこには、ぼろぼろの家と古い塔があるものの、周囲には誰もいない。遠く海の向こうから届く奇妙な音と、波の音が静かに響いている。本作の主人公は、音がより大きく聞こえる場所を探して、島のはずれにたどり着く。その場所で古い塔を見つけた主人公は、そこからなら音が届くかもしれないと考え、自分も音を鳴らすことにする。顔も名前も知らない、海の向こうから聞こえる不思議な音との共鳴が描かれていく。
主人公がやってきた島のはずれには、音の鳴るモノが落ちている。プレイヤーは島を探索し、ただの空き缶や、笛のような音色を奏でる「竹箒の笛」など、音の出るものを収集。古い塔に備え付けられた装置を使って、海の向こうから聞こえてくる音と同じ音を返すことが本作の目的となる。
島の探索といっても、フィールドはごく狭い範囲に限られており、音の出るモノ自体は見つけやすい。音との交流を重ねるにつれて、海の向こうから届く音が増えたり、複数のモノを組み合わせて音を鳴らしたりといった要素も登場。音を介した数日間の交流と共に、不思議な音の背景も少しだけ明かされていく。公称プレイ時間は10分から30分程度。派手な展開があるわけではないものの、誰もいない島のはずれに届く寂しい音と、交流を重ねるうちに共鳴していく様子は、心に響くものがあるかもしれない。
本作のベースは、2022年5月に実施されていた1週間でゲームを作るゲームジャム「Unity1週間ゲームジャム(unity1week)」の第22回にて公開された作品だ。サークル「Image Labo」のむじ氏が絵および“その他”を、サークル「ヘビサイドクリエイション」のたらひろ氏がプログラムを、作曲家の二宮裕司氏が音楽とサウンドデザインを担当したとのこと。むじ氏のツイートによると、最初のバージョンが公開されるまで11日間で制作されたという。公開後、シナリオ/エンディングが加筆されているほか、調べられるものが追加されている。さらにSteam版では、英語字幕に対応している。
また、むじ氏は、明かりを頼りに進むADV『Recolit』を制作中であり、ノベルADV『イハナシの魔女』やパズル『さかだちの街』ではアートワークを担当している。プログラム担当のたらひろ氏が所属するサークル「ヘビサイドクリエイション」は、異世界配信RPG『●LIVE IN DUNGEON』とRPG『PIANOFORTE』を過去にリリース。同サークルでは感染禍ノスタルジックカフェゲーム『東京珈琲パンデチカ』が制作中となっている。
『わだつみのこだま』Steam版は、2022年7月9日に配信予定。unityroomでは、ブラウザ版がフリーゲームとして配信中だ。
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