イーロン・マスクが『エルデンリング』愛用ビルドをお披露目。しかし引用RTでボコボコに叩かれる
Elon Musk(イーロン・マスク)氏は5月24日、『エルデンリング』の自キャラクターのビルドを画像で公開した。しかし、そのビルドについて海外ユーザーから大量のツッコミが届いているようだ。
イーロン・マスク氏は米テスラ社のCEO。世界有数の資産家でありつつ、Twitterで熱心に活動している。同氏は最近、フロム・ソフトウェアのアクションRPG『エルデンリング』についてしばしば言及していた。同作についてお気に入りタイトルだと明かしたほか、自身のキャラビルドや攻略ポイントについてユーザーに語る一幕も。その際には、同氏に批判的な海外メディアKotakuに、ゲーム内での設定用語になぞらえて「巫女無し」と罵倒されていた(関連記事)。しかし、マスク氏は5月23日には、本作をクリアしたと示唆するツイートを投稿。ユーザー質問への返信として「明日ビルド画像を公開する」と伝えていた。
そして5月24日、マスク氏は自身のビルド画像を公開した。マスク氏が語っていたビルドは「知力/技量を重視した、近接武器も使う魔術ビルド」であった。投稿された画像では知力に68と多くのポイントを割き、技量にも25とそこそこ配分。HPを司る生命力については31と控えめながら生存性を確保し、精神力については、聖杯瓶のFP最大回復量に合わせてか38に設定している。最適化の余地はあるかもしれないものの、事前に伝えていたビルドに沿うステータスポイント配分といえる。
そして武器についてはルーサットの輝石杖で魔術を放ち、近接戦闘用には魔力派生にしたロジェールの刺剣とともに、戦技が強力なことで人気の名刀月隠を装備しているようだ。一方で気になるのは、マスク氏が盾を2種類装備している点だ。
この盾2枚装備の“イーロンビルド”を見た多くのユーザーが、まるで鬼の首を取ったかのようにマスク氏に罵声を浴びせかけているのだ。「なんで盾2枚装備してんだバカ」「ゴミビルド」というシンプルな悪口から、「テスラ社の株をすぐに売れ」など、マスク氏の経営者としての資質まで否定する野次も飛んでいる。上述のツイートは記事執筆現在、約800件リツイートされている一方で、引用リツイートは3200件以上。そのほとんどが口汚い野次である。ここまで貶められるほど、マスク氏のビルドはひどいのだろうか。
たしかに、気になる点はいくつもある。まず、装備重量は限界ギリギリの「重量」状態。軽量化を図った方が回避は安定するだろう。またそうした中で、戦技も付けずに性能の似通った盾を2枚装備している点は変ではある。また、同ビルドではやや効果が疑問なHP上昇タリスマンを装備している点や、回復用の聖杯瓶が装備アイテム欄にない点などに指摘や罵声が浴びせられているようだ。
一方でマスク氏は、速いローリングが必要な時は装備重量を調整するとしている。また、この装備で固定しているとも限らないだろう。疑惑の盾2枚も、お気に入りの盾2枚を紹介のために並べた可能性や、それぞれ魔法/炎カット率やガード強度に差があるため、たまたま比較中だった可能性も存在するだろう。聖杯瓶が装備アイテムにないのは不自然ですらなく、単にショートカット登録派だからだろう。そもそもマスク氏は、「強いビルド」ではなく、あくまで「自分のビルドの紹介」として今回のキャラビルド画像を投稿している。世界随一の資産家であろうと、一般プレイヤーであろうと、ただ好きな遊び方を紹介して批判を受けること自体が不憫といえる。
留意しておきたいのは、マスク氏自身が、政治的発言などで批判を受けやすい人物であること。そもそも資産家で超著名人という立場そのものが、一定層からのヘイトを集めてしまう。また、同氏は最近、セクハラ疑惑で告発され騒動の渦中にある。同氏への疑念や嫌悪感が、「イーロンビルド」への批判の形で噴出した可能性もある。しかしやはり、批判は『エルデンリング』のキャラビルドではなく、問題のある発言や行動に向けてなされるべきだろう。どのようにゲームを遊ぶかは、プレイヤーの自由である。
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