『ポケモンGO』にて「リモートレイドパス3枚」が突如値上げ。ユーザー困惑
位置情報ゲーム『ポケモンGO』にて、ゲーム内アイテム「リモートレイドパス」が突如として値上げされた。この変更について、国内外の『ポケモンGO』プレイヤーが、SNS上などで悲しみの声をあげている。しかしながら開発元の過去の発表によれば、値上げされた新価格は実のところ、いまだ“割引価格”なのだ。
『ポケモンGO』は、任天堂とNianticが手がける位置情報ゲーム。本作には協力コンテンツ「レイドバトル」がある。ほかプレイヤーと協力し、「ボスポケモン」と呼ばれる強力なポケモンと戦うアクティビティだ。レイドバトルに参加するためには、無料で手に入るものの入手数が制限されたレイドパスか、有償のプレミアムバトルパスもしくはリモートレイドパスが必要となる。また、リモートレイドパスは、レイドへの遠隔参加を可能にしてくれる。本作は位置情報ゲームゆえに、本来はボスポケモンの出現位置まで、現実世界で近づかなければならない。しかし、リモートレイドパスなら離れた場所のボスポケモンにも挑めるわけだ。
リモートレイドパスは2020年4月に実装。導入前の発表でNianticは、「皆さんの懸念事項を解決し、自宅からでも、また外に出て冒険できるようになった時にも楽しめるような、新しく刺激的なゲーム体験を作り出すために努力しています」とコメントしている。パンデミック発生するなかで、自宅からでも『ポケモンGO』が楽しめるように配慮してのリモートレイドパス実装だったのだろう。
しかし今回、このリモートレイドパスの3枚セットが突如値上げされてしまったというのだ。リモートレイドパスはゲーム内ショップにて、有償ゲーム内通貨「ポケコイン」で販売されている。ポケコインはまとめ買いするとお得になるものの、1ポケコインあたり約1.2円ほど。リモートレイドパスは1枚100ポケコイン(約120円)、3枚セットで250ポケコイン(約300円)で長らく提供されてきた。しかし本日5月20日ごろ、この3枚セット価格が50ポケコイン値上げされ、300ポケコイン(約360円)と変更されたのだ。
この変更を受けた国内外ユーザーの反応は、悲しみや批難の声が中心だ。Twitter上では、リモートレイドパス値上げに対して「突然すぎる」として困惑する声や、「まとめ買いするメリットがなくなってしまった」などの意見が寄せられている。値上げに対する悲しみはもとより、事前告知が不十分だった点を問題視するユーザーも散見されるようだ。そして、先日告知された「イベントボックスからのリモートレイドパスの廃止」について合わせて言及する者も目立つ。
Nianticは5月19日に、『ポケモンGO』公式サイトにて新ソーシャル機能とレイドバトルについての発表を公開していた。同発表では、ユーザー同士の交流を後押しする新ソーシャル機能について語られたほか、レイドバトル報酬について言及している。注目したいのは「5月23日より イベントボックスからリモートレイドパスが入手できなくなる」と伝えられている点だ。イベントボックスは、1ポケコインで入手できる週替りのお得アイテム。内容はさまざまなアイテムのほか、リモートレイドパスも対象となっていた。同発表では値上げについては言及していなかったものの、リモートレイドパスの入手のハードルを全体的にやや高める方針があるのは間違いないだろう。
上述の発表においてNianticは、「今後は、以前のように皆さんが外に出て一緒にゲームプレイを楽しんでいただければと思っています」とコメント。リモートレイドパス実装時とは打って変わって、外出を促すようにユーザーに呼びかけている。リモートレイドパス自体が、パンデミックに対応する側面をもったゲーム内要素。Nianticとしては、時局は変化しており、リモートレイドパスのあり方を見直す時期に来ているということなのだろう。
さらに、現在のリモートレイドパスの1枚100ポケコインとの価格も、実のところ“割引価格”なのである。というのも、同アイテム実装時にNianticは「割引価格の1枚100ポケコイン」と伝えている。これも、いわゆる「巣ごもり需要」などに呼応して、リモートレイドパスを求めやすくする配慮だったのだろう。今後もNianticが外出を促す方針を取るのであれば、この“割引”についても変化があるかもしれない。
ただ、少額課金要素のあるゲームにおいて、アイテムの値段はセンシティブな要素だ。値上げされること自体がかなり稀であり、ユーザーの反発を呼ぶのも無理はない。事前告知が不十分であればなおさらだ。そして、約2年以上にわたって提示されてきたアイテム価格は、もはやユーザーにとっては定価である。Nianticは今後、そうしたユーザー意識とどのように折り合いをつけていくのだろうか。
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