『エルデンリング』のModが充実中。道中協力ModにVR、ボスランダム化Modでは超巨漢と序盤遭遇

 

『エルデンリング』PC版にて、多種多様なModが登場しているようだ。本作にちょっとした変更をするものから、ゲーム性がらりと変える“無茶振り”Modまで、ユーザーの手によってさまざまなModが制作・公開されている。本稿には、『エルデンリング』のネタバレとなりうる内容も含まれる。また、Modの利用は自己責任であり、これらを導入した状態でオンラインをプレイした場合、BANなどの処分を受ける可能性がある点にも留意されたい。


『エルデンリング』は、フロム・ソフトウェアが今年2月25日にリリースしたアクションRPG。同スタジオによる『ダークソウル』シリーズや『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』などのPC版では、ユーザーによるMod制作も盛んだ。本作『エルデンリング』も例に漏れず、リリースから約2か月目にして多数のModがWeb上で発表・公開されている。そうしたModのなかでも、直近にてユーザーらの注目を集めたのが、ボスの登場をランダム化するModだ。

同Modを開発するのは、thefifthmatt氏。『エルデンリング』のキーアイテムをランダム化するMod『Elden Ring Key Item Randomizer』の開発でも話題を呼んだ人物だ。ボスランダム化Modの動作はいたってシンプル。本来定位置が決まっているボスが、ランダムに選択されて登場するのである。実際に動作の様子を見てみると、通常プレイでの初期ボスである「マルギット」が登場するはずの場所で、なぜか「ラダーン」が登場している。本来ではだだっ広い砂浜で相対するはずの巨体が、狭い橋を所狭しと躍動する様子は悪夢のようだ。こちらは現在開発中であり、キーアイテムランダム化Modと合体して近日リリースされるとのこと。クリアできるかどうかも博打となりそうだ。同Modは話題となり、PCGamesNなどの海外メディアでも取り上げられている。

ほかにも、本作の可能性を押し広げようとするModが開発されている。LukeYui氏による「Elden Ring Seamless Coop」Modがそのひとつだ。こちらは、協力プレイ時のエリア制限を取り去り、死亡しても切断されないようにするModである。つまり、現在の協力マルチプレイ時のシステム上の縛りを大幅に緩和しようとのコンセプトだ。また、ファストトラベル先投票や、複数人での円卓訪問のほか、死亡後の“観戦モード”などさまざまなマルチプレイ機能の拡張も今後おこなわれるようだ。ただ、マルチプレイ仕様を大きく変更する内容となるため、利用は友人同士でのプレイなどに限られるだろう。

なお、同氏はフロム・ソフトウェア過去作向けのModも複数制作しているほか、キーアイテムに限らない広範なアイテムをランダム化する『エルデンリング』向けMod「Item and param randomiser」なども公開している。

そして、本作の根本的なシステムである三人称視点を廃してしまうVR化Modも、先日PC Gamerなどが報じ注目を集めた。Luke Ross氏が現在開発中。Ross氏はかつて、『レッド・デッド・リデンプション2』や『サイバーパンク2077』のVR化Modを手がけた実績をもつMod開発者である。同氏は、実際に『エルデンリング』を没入感ある一人称視点で動作させた動画を公開。「接ぎ木の貴公子」との戦闘の様子などが確認できる。ただでさえ死の身近な本作をVRでプレイすると、人間の精神はどうなってしまうのだろうか。

『エルデンリング』については、ほかにもNexus Modsなどで多彩なModが公開されている。例としては、本作の難易度を緩和させるようなModが目立つ一方で、逆にさまざまな調整で難易度を上げる「Prepare to Die (Hard Mode)」Modなども存在。本作登場NPCをモチーフにした素性を追加する『All New Starting Classes』では、ネットミームと化した「Let me solo her」が実装されているなど、遊び心を感じさせる(関連記事)。

また、大型Modとしては、本作に新しいゲームメカニックを追加し、広範なバランス調整や敵AI/ヒットボックス変更、そしてボスを復活させての再戦機能なども追加した『ERR – Elden Ring Reforged』もにわかに注目を集めている。ほかに同サイトでは、Modとは異なるものの、アイテムやクエストのコンプリートを助けるチェックリスト「Elden Ring Progression Checklist」も人気だ。こちらは「xlsx(エクセルシート)」もしくは「ODS」形式での配布となっており、表計算ソフトで利用可能。Modを使わないユーザーにも有用。本作を味わい尽くしたいユーザーにとって役に立ちそうだ。

なお、本稿にて紹介したModはすべて非公式。導入はあくまでユーザーの自己責任となる点には留意されたい。チートとして検出されれば、オンラインプレイからのBANなどのリスクもある。どうしても利用したい場合は、オフライン起動を利用するなど、Mod利用者のノウハウを参考にするとよいだろう。そうした非公式な草の根活動となるものの、今後も『エルデンリング』の遊び方を多くのMod開発者が広げていきそうだ。





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