『エルデンリング』にて3月17日、Ver.1.03アップデートが配信された。同アップデートは多岐にわたる内容を盛り込んでおり、NPC関連の機能追加のほか、戦技のバランス調整などが注目を集めていた。その一方で、パッチノートに詳細に語られなかった部分の探究もユーザーにより進められているようだ。本稿ではボス名や後半エリアなどに言及しているため、閲覧の際には留意されたい。
『エルデンリング』Ver.1.03の目玉となる要素は幾つかあった。NPC関連では、各人物所在地の地図表示機能やNPC「小壺」およびほかのNPCイベントフェーズの追加などが実装。盾の性能の上方修正や、敵や武器などのバランス調整などの、こまかな調整・不具合修正も実施されている(関連記事)。しかし、とりわけ話題をさらったのは、強力とされた戦技「霜踏み」や「血の斬撃」および、霊体「写し身の雫」の下方修正などだった。そのため、いわゆる“プレイヤー不利”な調整が特にクローズアップされる傾向があったのだ。
その一方で、同アップデートにはプレイヤーにとって遊びやすくする調整も盛り込まれていた。たとえば、武器強化アイテム鍛石の序盤での入手しやすさの緩和だ。序盤各所の放浪商人たちが鍛石を販売するようになったほか、敵からのドロップ率も向上している。武器強化は本作の攻略を大きく助ける要素であり、特に序盤での戦力強化が容易になったのは新規プレイヤーにとって嬉しい点だろう。なお、筆者が「関門前の廃墟」の兵士を一掃する手法で確認したところ、神秘20(発見力120)にて5周連続で鍛石【1】のドロップが得られた。パッチ前に10回ほど一掃した際には、同様の発見力で1度もドロップしなかったため、鍛石 ドロップ率はかなり向上していると見てよさそうだ。
また、公式に明かされていない具体的な数値の変化などについても、探究心豊かな本作プレイヤーたちによって検証が進められている。たとえば、パッチノートでは「盾の性能を上方修正」とだけ記されていた盾性能変更は、かなり冒険に寄与する内容の調整だった。海外掲示板Redditにて、有志ユーザーが一部変更点について、具体的な数値をまとめ上げ投稿している。こちらを参照すると、ガード強度がほとんどの盾において底上げされているのがわかる。
ガード強度は、盾で敵の攻撃をガードした際の消費スタミナを軽減する性能だ。つまり、ガードを破られるまで、どれだけ敵の攻撃を受けられるかを決める数値だ。集団戦・連撃・一撃が重いなど、敵の攻撃が熾烈な傾向のある本作においては生命線だ。また、ガード強度は1ポイントの増加でも影響が大きい。というのも、ガード強度は実質的にパーセンテージとして機能していると見られる。つまり、強度が100%あればスタミナ消費は無に等しくなり、100%カットのダメージソースであれば無限にガードできてしまうわけだ。そして、ガード強度50の盾が強度75となった場合、ガード消費スタミナが半減する絶大な効果が得られる。
上述の投稿によれば、元からガード強度が優秀だった盾を除いて、軒並み上方修正を受けている。大盾はより安定し、中盾は高い水準にまとめられ、小盾もいざという時に頼れるようになった印象だ。武器強化によるガード強度の上昇も見込めば、いずれの盾でもガードによる慎重戦術がより取りやすくなったといえるだろう。なお、中盾「大亀の甲羅」についてはかなりの下方修正を受けている。物理カット率が100%でなくなってしまったほか、初期戦技である「鉄壁の盾」も性能が下方修正。こちらの盾は、序盤から手に入る上に、スタミナ回復の特殊効果をもつこともあり、ほかの盾の出番をなくしかねない。例外的な調整がなされたのかもしれない。
ほかには、ボスである「星砕きのラダーン」が弱体化されたとの証言もある。有志ユーザー検証でも“ラダーンナーフ”を裏付ける報告があがっている状況で、具体的には攻撃範囲の縮小やダメージ下方修正がなされているとのこと。パッチ前からラダーンを“宿題”にしていた方は、今こそ再挑戦の時かもしれない。ほかには、とある後半エリアについて、パッチ適用後に地図の描き込みがさらに詳細になったとの報告もあり、筆者も確認できた。また、各ボスの追憶の交換の際に「Purchase(購入)」とされていた部分が「Receive (受け取り)」と改められるなど、世界観を尊重したと見られる変更も。バランス調整や不具合修正のみならず、意外と細かな点にまで変更の手は及んでいるようだ。
『エルデンリング』パッチ1.03には、パッチノートだけでは読み取りづらい変更も数多く盛り込まれていた。そうした変化を発見・分析する褪せ人たちの慧眼に敬意を表するとともに、今後のアップデートにも期待をかけたい。
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