「スカイリムおばあちゃん」が“脳卒中により『スカイリム』の遊び方を忘れた”と明かす。それでも諦めず、新しい旅路へ
「スカイリムおばあちゃん」こと、YouTuberのShirley Curry氏が3月1日、睡眠中の脳卒中により記憶を一部失ってしまったことを動画にて明かしている。同氏は一時、愛する『The Elder Scrolls V: Skyrim(以下、スカイリム)』のプレイ方法も思い出せない状態となっていたとのこと。しかし、現在は家族の助けやリハビリによって、快方に向かっている様子だ。
『スカイリム』は、Bethesda Softworksが手がけたオープンワールドアクションRPGだ。Curry氏は現在85歳。本作をこよなく愛する高齢プレイヤーとして、6年以上にわたりゲームプレイ実況動画をゲーマーたちに届けている人物だ。その穏やかな語り口と人柄はファンの心を掴み、本作コミュニティのアイドル的存在として人気を博している。
Curry氏の人気を示す出来事としては、『スカイリム』向けにCurry氏をコンパニオンとして登場させるModが制作されたほか、次回作『The Elder Scrolls VI』においてはゲーム内NPCとしての出演まで決定している。一方で、2020年半ばには、健康および精神面の問題により一時ゲーム実況から距離を置いた一幕もあった(関連記事)。しかし、最近は再び頻繁にゲーム実況動画をアップロードしており、変わらず『スカイリム』の世界を楽しんでいたのだ。
しかし、2月21日に公開された動画を境に、Curry氏の動画投稿やTwitter上での発言がふと途絶えることとなった。また2月21日の動画の説明欄にて同氏は、自身が脳卒中になったことを明かしており、ファンからは多くの心配の声が寄せられた。そして3月1日には、Curry氏自身の口から脳卒中の影響と現状について伝える動画が投稿された。幸いにも元気な様子の同氏は、ファンの呼び名である「Grandkids(孫たち)」に向けて語り始めた。
Curry氏の説明によれば、脳卒中に見舞われたのは就寝中であり、起きた際に異変を感じたとのこと。その影響により、撮影に使っているツールであるOBS Studioの操作や、服用している薬についても記憶が曖昧な状態になってしまったそうだ。そして、何よりも同氏が愛した『スカイリム』の操作方法も思い出せなくなってしまったとのこと。ただ、ゲーム内での風景や、プレイしている感覚は覚えているそうだ。また同氏は、ゲームへの愛情もあり、プレイできないのは寂しいとも語っている。突如、一夜にして、大好きなゲームの遊び方だけがわからなくなってしまったわけだ。
しかしながら、同氏は終始笑顔のまま。いつかはプレイの仕方を思い出すとして、『スカイリム』のプレイに挑戦していく決意を伝えている。本作への愛ゆえに、プレイできない怒りや苦しみも感じるものの、そうした気持ちは隅に追いやり、「人生のすべてをポジティブに楽しみたい」とのことだ。また、医療措置はしっかり受けており、家族などの助けにより生活面の心配はない様子。セラピストとも連携してのリハビリもおこなっているようだ。同氏はファンたちから寄せられた心配の声への感謝も伝えている。そして、3月2日の動画においては、Bethesda Softworksから届いた見舞いの花束を紹介。他ならぬ『スカイリム』開発元から届けられた真心に、喜びをあらわにしている。
そして、「スカイリムおばあちゃん」の“再出発”は順調なようだ。脳卒中の後に収録したと思われる動画「Shirley’s Skyrim Photo Safari; Eps5」では、美しい景観を楽しみながら渡り歩き、スクリーンショットにて一瞬を切り取っていた。また、戦闘についても、若干ぎこちないながらもしっかり勝利をおさめている。なによりも、Curry氏が再び『スカイリム』を思い切り楽しむ様子はかけがえのない光景である。
Curry氏は復帰後、自身のTwitterアカウントでのコミュニティとの交流にも積極的だ。ファンこと孫たちも大挙して、同氏への応援の言葉を投げかけている。脳卒中による記憶障害を乗り越え、ふたたび『スカイリム』の世界に降り立ったスカイリムおばあちゃん。たとえ記憶は失っても、ゲームへ注いできた愛情や、ファンとの絆が新しい旅路を支えている。同氏の今後の健康と、さらなる回復を心より祈る。