新型コロナウイルスシム『Covid Simulator』Steamで1月25日リリースへ。CDC提供データに基づいたシミュレーションと会社運営で脅威を警戒


ポートランドのインディーデベロッパーColdrice Gamesは、新型コロナウイルスを題材としたシミュレーションゲーム『Covid Simulator』のSteam版を、1月25日にリリースする。本作の対応プラットフォームはPC(Steam / itch.io)で、itch.ioでは既に配信中。『Covid Simulator』は、とある企業で蔓延する新型コロナウイルスの感染拡大をマネジメントするシミュレーションゲームだ。アメリカ疾病予防管理センター(以下、CDC)が提供するデータに基づいて制作されており、リアルな新型コロナウイルスの脅威を体感できるのが特徴だという。

本作の舞台となるのは、とある企業。プレイヤーは、新型コロナウイルスが蔓延する困難な状況下で、仕事を回し収益を上げていくことを目指すことになる。とはいえ、収益のマネジメント自体は重要な要素ではなく、あくまで新型コロナウイルスをどうシミュレーションするかに重きが置かれている。プレイヤーはワクチンの接種率、ワクチンの種類、従業員の勤務形態などの細かな要素を考慮しながら、さまざまな要因を自由に追加していく。たとえば、マスク着用を義務化したり、 反ワクチン・プロパガンダを流行させたりするといったことが可能だ。また、特定の従業員を意図的に新型コロナウイルスに感染させることもできたりする。


ゲームプレイのランダムな要素として、新型コロナウイルスに関するメディアニュースが随所に差し込まれる。メディア特有の偏った放送が影響し、従業員の感情が揺さぶられた結果、ワクチン推奨運動を起こしたり、または反ワクチン運動を起こしたりする。本作には、クリアもゲームオーバーの要素も存在しない。プレイヤーは、新型コロナウイルスの影響で従業員がどのように行動し、影響され、そして死んでいくかを傍観者としてただ眺め続けていく。

本作は、新型コロナウイルスというセンシティブな題材を採用している上で、現在の社会情勢を風刺しているようにも見える。しかし風刺ではなく、新型コロナウイルスの深刻性を訴えかける意図があるようだ。ゲーム中に登場する年齢・性別・健康状態・民族などのあらゆる要素は、アメリカ国勢調査で報告されている人々の平均に基づいているとしつつ、これは特定の地域を反映したものではないことを補足している。


新型コロナウイルスをテーマにした作品では、これまでに新型コロナと戦うターン制ストラテジー『Corona Simulator』や、ソーシャルディスタンスを徹底させる作品『密ですビート』『密ですビート・ストリート』などが登場してきた。中には新型コロナウイルスを題材にしたイベントを実施したことで、一部ユーザーから「政治的である」との批判が寄せられた『Euro Truck Simulator 2』のような作品もある(関連記事)。本作は、CDCの公式データに基づくリアルな新型コロナウイルスの脅威を再現することにより、現在の世界情勢の深刻さを訴えかけている。

『Covid Simulator』の対応プラットフォームはPC( itch.io / Steam )。itch.io版は既に配信済みで、$4.99のところ40%オフの$2.99にて現在セール中だ。Steam版は1月25日のリリースを予定しており、価格は現在未定。「できるだけ多くの人に体験してもらえるように」との理由で、有料版とほぼ同じ内容の無料版(無料版はライブストリーミング配信Twitchとの連携といった一部機能が制限される)が itch.io にて配信なので、興味のある方は是非チェックしてみてほしい。また新型コロナウイルスについての正確な情報については、厚生労働省のサイトから確認してほしい。