『FF14』プレイヤー人口増加で製品版の出荷・販売が停止。フリートライアル版も新規登録停止で“面白いのにオススメできなくなる”

『ファイナルファンタジーXIV』の混雑が続いている。有名ストリーマーの影響で7月ごろからプレイヤー数が飛躍的に増加している本作だが、大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」のサービス開始を機にプレイヤー数がさらに増加中。混雑模様である。

ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)の混雑が続いている。有名ストリーマーの影響で7月ごろからプレイヤー数が飛躍的に増加している本作だが、大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」のサービス開始を機にプレイヤー数がさらに増加。海外データセンターを中心に長時間のログイン待ちが発生している状況だ。この状況を受けてプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏はたびたび混雑対応の詳細を公開していたが、12月16日、今後のパッチリリースによる新コンテンツ公開を見据えた対応について告知された。報告ではプレイ時間の補填として14日間の無料プレイ権が付与されるほか、パッケージ版の出荷停止ならびにダウンロード版の販売一時停止について記載されている。また、フリートライアル版についても新規登録受付を停止するとのことだ。


「暁月のフィナーレ」アーリーアクセス開始から2週間ほどが経過した『FF14』だが、現在も継続してログイン問題が発生している。ピークタイムには非常に長いログイン待機時間が発生していることに加え、ログイン待機中にエラーが発生してクライアントが落ちることもあり、多くのプレイヤーから不満の声が上がっている。満足にプレイできないことへの補填としてすでに7日間分の無料プレイ権が付与されていたが、さらに14日間分の無料プレイ権が追加される。サービス利用料金を支払っている全てのプレイヤーが対象のため、現在ログイン問題に悩まされるプレイヤーの大半に無料プレイ期間が付与されることとなるだろう。

プレイヤー数がサーバーの許容量を超える状況となっていることから、パッケージ版およびダウンロード版『FF14』の出荷・販売も一時停止される。小売店やオンラインショップと連携し、数日かけて徐々に停止していく見込みだ。CMやオンライン上の広告も新規出稿が停止されるため、巷で『FF14』の宣伝を見かけることも少なくなっていくだろう。大人気タイトルになってしまったがゆえに新規プレイヤーをなるべく減らし、広告宣伝も控えなければならないというすさまじい状況である。


「蒼天のイシュガルド」までの内容を無料で遊べるフリートライアル版についても、新規登録受付が一時停止される。これまでフリートライアル版を遊んでいたプレイヤーは引き続きプレイすることが可能だが、公式フォーラムなどを見ると不公平さを感じている製品版プレイヤーもいるようだ。

フリートライアル版と製品版では、ログイン待機時に製品版プレイヤーを優先してログイン処理がおこなわれるシステムとなっている。しかし、製品版プレイヤーをログインさせるためにログイン済みのフリートライアルプレイヤーを強制ログアウトさせるような仕組みはない。現状ではサーバーに収容可能な人数が限界になり、「サーバー内の誰かがログアウトしないとログインできない」という状況がたびたび発生している。「製品版の自分が待たされているのに、無料でログインできているプレイヤーがいる」と考えると、ログイン待機の苛立ちがフリートライアル版プレイヤーに向いてしまっているようだ。

今回のお知らせで特に言及はなかったものの、企業としてサービス運営をおこなっている以上、課金プレイヤーの不利益になるのであればフリートライアル版に制限をかける可能性は少なくない。前述のとおり製品版の販売は一時停止との告知があったが、オンラインショップや小売店によってはまだ購入可能なところもある。フリートライアル版で『FF14』をプレイしている方は、今のうちに製品版の購入を検討してもいいかもしれない。


一連のログイン問題を受け、公式フォーラムなどでは「1月4日の零式実装を延期すべき」という意見も挙がっている。零式については、現時点で極端に大きな不具合が発生しない限り延期しない方針であることが明言された。『FF14』の高難易度コンテンツである零式は、ワールドファーストレースや初週でのクリア挑戦が盛り上がる一大コンテンツだ。特にワールドファーストレースは零式に挑戦しないプレイヤーも配信などを通して楽しむことができ、スポーツ観戦的な人気も高い。

しかし、現状では零式実装時にログイン待機時間が長期化することが予想され、自分がログインできたとしても一緒に攻略するメンバーが揃わない可能性もある。延期を希望する人々は、下手をすれば挑戦すらかなわない可能性もあることを懸念しているのだろう。しかし、同パッチでは零式以外のコンテンツも実装予定で、それらを楽しみにしているプレイヤーも存在する。また、延期することで難易度の再調整も必要になる。これらの理由から、零式が実装されるパッチ6.05は、当初の予定通り1月4日に公開されるようだ。

プレイヤー人口がサーバー許容量の限界に達し、連日長時間のログイン待機が発生している『FF14』。サーバー増強が思うようにいかない原因が新型コロナウイルス感染症流行にともなう世界的な半導体不足にある以上、抜本的な解決には時間がかかりそうだ。しかし、運営が世界中を奔走し、サーバー追加の計画は進んでいる模様。1月中にはある程度のロードマップがお知らせできるとのことなので、ログイン待機に悩まされている方は今しばらく辛抱してほしい。吉田氏からのお知らせ全文については、こちらをお読みいただきたい。


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Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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