『FF14』「暁月のフィナーレ」のMetacriticユーザースコアは“2021年最高レベル”。8年を経て完結した物語に高評価連発
レビュー集積サイトMetacriticにおいて、『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)最新大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」のユーザースコアが前代未聞の高得点を叩き出している。12月11日11時30分現在、PC版のユーザースコアは9.5、PS4版は9.7を記録している。12月3日にアーリーアクセスが始まり、12月7日から正式サービスが開始された本作だが、主にストーリーが評価されての好評価となっているようだ。
「暁月のフィナーレ」は、『FF14』4つ目の大型拡張ディスクである。2013年の「新生エオルゼア」から続く「ハイデリン・ゾディアーク編」が完結し、8年続いた物語が終わりを迎える。2010年に旧版が発売され、2013年に現プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏の旗振りによって新生した『FF14』。その集大成として満を持して発売された「暁月のフィナーレ」は、多くのユーザーの胸を打つ作品に仕上がったようだ。
参考までに、『FF14』のこれまでのユーザースコアも見てみよう。旧版『FF14』が3.9。そして「新生エオルゼア」が7.5、「蒼天のイシュガルド」が8.9、「紅蓮のリベレーター」は8.8、「漆黒のヴィランズ」が9.1。「新生エオルゼア」以降、安定した評価を獲得していることが見てとれるだろう。12月10日に発表されたThe Game Awards 2021でもBest Ongoing GameおよびBest Community Support賞を獲得し、新生から8年続いてもなお衰えない輝きを放っている。
2021年発売されたMetacriticユーザースコアが高いゲームとしては、『It Takes Two』が9.2で、『モンスターハンターライズ』が9.0。『マーベル ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』が8.8と続いていく(Forbes)。そうした中で『FF14』の「暁月のフィナーレ」は、頭ひとつ抜けたユーザースコアを獲得している。
高評価の理由としては、「漆黒のヴィランズ」までに描かれた物語を丁寧に完結まで導いたことが挙げられる。また、『FF14』では「漆黒のヴィランズ」以降、シングルプレイRPGのような没入感を重視している傾向がある。従来はマッチングのみであったダンジョンにシナリオNPCのAIと突入することができたり、マッチングが必要な場面でも「なぜ他プレイヤーがこのコンテンツにいるのか」が理由付けされたり、といった具合である。この部分は「暁月のフィナーレ」でも強化されている。シナリオの完成度の高さもさることながら、MMORPGでありながらシングルプレイRPGのようにソロで物語に没入できる点が評価につながっているのではないだろうか。
ユーザーの多くが最高スコアである10点をつけているが、一部低評価を投稿するユーザーも存在する。低評価の理由はログイン問題にあるようだ。『FF14』では現在、ほとんどのデータセンターにおいてログイン待機が発生している。ゴールデンタイムは特に待ち時間が長く、データセンターによってはログインまで1時間以上かかる場合もある。満足にゲームを遊ぶことができない状況の補填として7日間の無料プレイ権が付与されたものの、世界的な半導体不足の影響もあってサーバー増強は難しく、混雑解消には時間がかかる見込みだ。そもそもプレイできないという点での批判はあるものの、ゲーム・コンテンツとしては極めて高く評価されているのである。
レビュー集積サイトMetacriticにて、前代未聞のユーザースコアを叩き出した『FF14』の最新大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」。新生から8年、旧版サービス開始から11年をかけて完結した「ハイデリン・ゾディアーク編」は、多くのプレイヤーの心にふれたようだ。しかし、ライブサービスである『FF14』の旅はまだ続いていく。終わりを越えた『FF14』がどこまで進んでいくのか、今後も目が離せない。