『龍が如く』カラオケ曲「ばかみたい」がスウェーデンにも浸透。「だめだね~」と合唱しながらライトを揺らす若者たち

 

セガの『龍が如く』に登場する楽曲「ばかみたい」が、意外な場所にまで浸透しているようだ。スウェーデンで活躍する翻訳者が、SNS上で現地の若者たちが「ばかみたい」を歌う様子を紹介。またたく間に日本国内で話題となり、開発元や出演者も反応している。


『龍が如く』は、セガが手がけるアドベンチャーゲーム。シリーズを通じて、日本の極道たちが織りなすドラマをシリアスに、そして時にコミカルに描き出している。国内のみならず、世界的な人気を誇る作品だ。本作内には多数のミニゲームが存在し、リズムゲーム風のカラオケではキャラクターが全力で歌唱する。そして、カラオケ収録曲のなかでも、海外ユーザーから人気を集めているのが「ばかみたい」だ。大切な人との別れ、そして忘れられない切なさをしっとりと歌い上げる名曲である。作曲は福山光晴氏が担当し、作詞は堀井亮佑氏が手がけている。

この曲は昨年2020年半ばより、英語圏を中心にミーム化。ディープフェイク技術を利用して、さまざまな有名人が同曲を歌う動画が多数作られた。また、コンテンツクリエイターたちが実際に歌ったり、カバーするに至った(関連記事)。現在「ばかみたい」は、「Baka Mitai」あるいは「Dame Da Ne」として親しまれる存在となっている。そして、「ばかみたい」の輪は英語圏のみに留まらなかったようだ。12月3日には、スウェーデンの若者たちが「ばかみたい」を合唱する動画がTwitter上に投稿された。投稿したのは、同国を拠点とする翻訳家・エッセイストの久山葉子氏。同ツイートは7600以上リツイートされるなど、国内ユーザーの反響を集めた。


動画では、学生と思しき若者たちが、教室で「だめだね~、だめよ~」と大合唱する様子が見られる。モバイル端末のライトを持ち出して揺らす若者もおり、まるでコンサートのようだ。久山氏によれば、「なぜかスウェーデンの若者はみんな知ってる」とのこと。たまたま日本文化好きの若者が集まっていた可能性もあるものの、ノリノリの様子からは楽曲を好きな気持ちが伝わってくる。また、合唱は即興だったとのことで、少なくともある程度浸透しているのは間違いないようだ。

上述のツイートが話題となり、本シリーズを手がけるセガも反応。公式Twitterアカウントが「ばかみたい」について、歌詞付きの動画をアップロードして案内している。同曲はシリーズにまたがり、複数のキャラクターが歌唱している。同ツイートに添えられたのは、『龍が如く 極』の桐生一馬が歌うバリエーション「ばかみたい -哀愁-」だ。また、その桐生一馬を演じる声優である黒田崇矢氏も連鎖的に反応。海外で同曲が「Dame Da Ne」と呼ばれていることに驚きのコメントをしている。また、「ばかみたい」は黒田氏のお気に入りでもあるようだ。


世界中に広がる「ばかみたい」の輪。同曲がミーム化した背景には、カラオケ演出のコミカルさや「いい男が悲しみ飲んだくれる」シチュエーションの面白さもある。しかし、何よりも楽曲そのものが、文化を超えて人の心を掴む魅力をもっているのだろう。本シリーズを開発する「龍が如くスタジオ」は、先ごろ組織を再編。新体制のもと新作『龍が如く8(仮)』を開発中だ(関連記事)。新作では「ばかみたい」が収録されるのか。そして誰によってどのように歌われるのか。世界は、「Dame Da Ne」の新たな展開に注目している。




※ The English version of this article is available here