『FF14』の「暁月のフィナーレ」発売に際して「ふせったー」の需要が高まる。ネタバレ回避SNSの役割と苦悩

 
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本日12月3日から大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」のアーリーアクセスが開始される『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)。2013年発売の「新生エオルゼア」から続く「ハイデリン・ゾディアーク編」が完結するということで、物語への期待が特に高まっている。しかし、ゲームにかぎらずエンタメ作品につきまとうのがネタバレ問題だ。公式パッチノートでネタバレ配慮のお願いがあったこともあり、各自で対策をおこなっているプレイヤーも多いのではないだろうか。

そもそもSNSを開かないのが一番のネタバレ対策だが、どうしても物語から受けた感動を吐き出したいときには、ネタバレを隠して投稿できるサービスを利用するという手もある。株式会社信興テクノミストが運営する「fusetter(ふせったー)」は、Twitterに伏せ字や長文を投稿できるサービス だ。「fusetter」公式アカウントは11月30日、『FF14』の大型アップデートに反応して以下のようなツイートを投稿した。


fusetterではゲームの発売日や映画の公開日に利用をおすすめするツイートをおこなっているが、発売前に「なになに?」とクエスチョンマークを浮かべるのはやや珍しい。なぜこのような投稿をしたのか。fusetter公式に弊誌から訊いてみた。fusetter運営チームのメンバーがたまたま「伏せ太が大変そう」というようなツイートを立て続けで見たのが、投稿のきっかけだったそうだ。「暁月のフィナーレ」でネタバレ防止にサービスを利用する光の戦士がfusetterのサーバーを案じたことにより、利用者増加の兆候を感じ取ったようだ。

ちなみに『FF14』のネタバレ回避目的でのfusetter利用者はどれくらいいるのかも尋ねてみたところ、「詳しい統計は取っていないものの、たくさん使っていただいている印象」とのことだ。前回の大型拡張「漆黒のヴィランズ」での利用者も多かったが、表示が重くなるほどのことはなかったそうだ。fusetterのサーバーが安定している理由としては、かつてはスマートフォン向けRPG『Fate/Grand Order』のシナリオ更新のたびにサーバーが不安定になり、長きにわたってサーバー強化がおこなわれてきたことが背景にあるかもしれない。

fusetterのサーバーは、『Fate/Grand Order』のシナリオ更新のたびに強化されてきた。衝撃的なシナリオを目撃するたびにfusetterへの投稿がおこなわれ、2016年末に配信された第1部の終章ではサーバーが一時ダウンするほどの事態となった。サーバー強化の必要に迫られたfusetterは、2018年4月の『Fate/Grand Order』第2部開幕の際「あえてサーバー強化をおこなわず、負荷が高いときにしかできない調査をする」という決断をした。調査の結果からサーバーの適切な補強度合いを見積もり、増強をおこなったことが現在の盤石なサーバー運営につながっているようだ。

『FF14』の「暁月のフィナーレ」公開によってfusetter利用者がどの程度増えるかは未知数だが、fusetter側も必要に応じてサーバー補強などの対応をおこなっていくそうだ。表示が重いときは時間を置いてからアクセスすることで改善する場合もあるため、ネタバレを投稿したい方は覚えておこう。


本日12月3日18時からアーリーアクセスが開始される『FF14』の「暁月のフィナーレ」。すでにパッチデータのダウンロードは可能となっている。シナリオに大きな期待が寄せられており、Twitterに感想を吐き出したくなったときはぜひfusetterを利用してほしい。

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