怒り叫ぶゲーム『(that really) Boils My Piss』配信開始。操作方法は「プレイヤーがマイクに叫ぶ」

個人開発者のHelen O'Dell氏は11月22日、プレイヤーが実際に叫んで操作するゲーム『(that really) Boils My Piss』を公開した。“叫び”ですべてを吹き飛ばす作品。

個人開発者のHelen O’Dell氏は11月22日、プレイヤーが実際に叫んで操作するゲーム『(that really) Boils My Piss』を公開した。対応プラットフォームはPC(itch.io)で、無料もしくはユーザーが価格設定するName your own price方式で配信中。


『(that really) Boils My Piss』は、フラストレーション高まった女性が“叫び”ですべてを吹き飛ばす作品。タイトルの「Boils My Piss(尿が煮える)」は、「腹の中で尿が沸くほど熱い怒りを感じる」という意味の英語表現だ。本作はマイク入力に対応しており、プレイヤーが実際に叫ぶとキャラクターの女性も叫び声をあげる。そして叫びを浴びた物品は、力を失ったように四散していく。プレイヤーはムカつく同僚のたむろする会議室を練り歩き、怒りの叫びですべてを吹き飛ばすのだ。

本作はまだ開発中であり、実装されている要素は限定的だ。操作はカーソルキーおよびWASDキーでの移動と、マイクに叫ぶのみ。ステージは会議室ひとつで、物語やステージギミックは存在しない。現状では、ただひたすら絶叫して歩き回るだけとなっている。しかし、マイクに「アーーーッ!」と叫ぶとバタンと壁が倒れ、人が転がる感覚はなかなか新鮮。プロトタイプながら、最低限の体験はできる印象だ。

本作のitch.ioページでは「マイクを上手く認識しない」などの報告もあがっている。筆者も同様の現象に遭遇したものの、Windowsの入力デバイス設定を使用マイクに変更してゲームを再起動すると解決した。開発者は今後も本作をアップデートしていき、不具合の修正などもおこなっていく姿勢を見せている。また、同ページでは作品を気に入ったユーザーの声や、実況プレイをした動画が投稿されている。本作はまだプロトタイプ段階ながら、独特のコンセプトに光るものを感じるユーザーも多いようだ。


本作を開発したHelen O’Dell氏は、英国のゲーム開発者だ。同氏は現在インディーデベロッパーNERIALで2Dアーティストを務める傍ら、本作を手がけている。 O’Dell氏はブログ投稿にて、本作の開発に至った経緯を語っている。同氏はゲーム業界に入ったのち、男性からの威圧的な扱いを受ける経験があったとのこと。そうした経験から受けたフラストレーションを昇華し表現する手段として選んだのが、本作の開発だったそうだ。また、同投稿では作品の展望についても語られており、キャラクターのカスタマイズ要素や複数のステージ実装を視野に入れているようだ。未知数の本作が、今後どのように発展してくのか期待したい。

『(that really) Boils My Piss』は、PC(itch.io)にて配信中。

Sayoko Narita
Sayoko Narita

貪欲な雑食ゲーマーです。物語性の強いゲームを与えると喜びますが、シューターとハクスラも反復横とびしています。

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