『ドラゴンクエストX オンライン』にてサンタスカートの“パンツナーフ”が議論呼ぶ。魅惑のチラ見せがハミ出しトランクスへ変貌


スクウェア・エニックスは11月26日、『ドラゴンクエストX オンライン(以下、DQX)』の衣装デザイン変更に伴う補償について発表した。この補償について、不満を感じるユーザーからの声が寄せられている。補償対象となった「パンツをスパッツにする」デザイン変更は、発表当時より物議の対象だった。
 

 
『DQX』は『ドラゴンクエスト』シリーズ初のオンライン向けタイトル。シリーズお馴染みのテイストを保ちつつ、MMORPGへ展開した作品だ。本作は2012年にWii向けにリリースされ、以降Wii U/PC/PS4/Nintendo Switchおよびブラウザなどに展開しつつ長きにわたりサービスを継続している。ほかのプレイヤーと仲間になってバトルに挑むほか、家を建てたりイベントに参加したりするなど幅広い楽しみが用意されている。そのうちのひとつが、衣装の変更やカスタマイズだ。本作には多彩な衣装が用意されており、カラーリングや質感の変更なども可能。公式ショップでは、有償でも衣装を販売している。

今回スクウェア・エニックスが発表したのは、ゲーム内衣装である「サンタスカート」デザイン変更に伴う補償だ。サンタスカートは2012年のクリスマスイベントで提供された衣装で、現在は公式ショップにて110円で販売中。同衣装の特徴としては、丈が短めで裾が広がっている点が挙げられる。かなり足があらわになるデザインだ。また、本作ではアクションなどに応じてスカートが翻るため、同衣装では極めて下着が見えやすい。いわゆる“ワカメちゃん状態”になるデザインだったのだ。
 

デザイン変更前のサンタスカート

 
ところが、サンタスカートは先ごろ配信された『DQX』バージョン6にてデザインが変更されている。スカートの下に着用している下着が、より露出度の低いものへと変更されたのだ。具体的には、一部種族を除いてショーツ型の下着を着用していたのが、全種族統一で太ももまでを覆うスパッツへと変更になっている。今回の補償については、同デザイン変更に伴い「これまでカラーリングやツヤ変更が可能だった一部の箇所」のカスタマイズが不可能となったためと説明されている。対象は影響を受けた可能性のあるすべてのキャラクターで、衣装カスタマイズに利用する「カラフルブーケ」および「ツヤめきペイント」が配布されるとのことだ。
 

デザイン変更後のサンタスカート

 
しかし、今回の変更については一部の熱狂的ファンが不満をあらわにしている。実をいえば、サンタスカートの変更については実装前から一部コミュニティで話題となっていた。サンタスカートを愛好するユーザーのなかには、アクション時にチラリと見える下着に魅せられた人々が少なくなかった。下着が見えやすいデザインに魅力を感じるユーザーたちが、下半身をしっかり覆うスパッツ化に懸念を示していたのだ。スパッツ化にともなう一種のフェティシズムの喪失には、一定数のユーザーが嘆き悲しんでいるようだ。

一方、嗜癖によらず、単純に変更後のスカートがファッショナブルでないと断ずるオシャレ勢も存在。サンタスカートは美脚を見せつけるフェミニンな衣装であり、純粋にスタイリッシュなアイテムとしても重宝されてきた。しかし現状のサンタスカートは、スカートからトランクスめいた短スパッツがハミ出る有様となっており、野暮ったい印象を受けるユーザーもいるようだ。フェティシストからもファッショニスタからも残念な評価を下されているのが、変更後のサンタスカートなのである。

前述の『DQX』公式による告知ツイートにも、ユーザーからの反響が寄せられている。内容としては、「デザインを魅力に感じて購入したのだから、返金や有償ゲーム内通貨での補償をすべき」との声が散見される。また、CEROによるレーティングが理由ではないかと推測するユーザーもいる。『DQX』はCERO A(全年齢対象)のレーティングのもとで運営されている。CERO審査では下着の露出や水着などの衣装も、性的表現としてレーティング対象となる。下着がチラ見えするサンタスカートがレーティングにまつわる懸念の対象となった可能性はあるだろう。全年齢向けタイトル特有の悩みともいえそうだ。いずれにせよ、煮え切らない思いを抱くユーザーは少なくないようだ。
 

 
今回のデザイン変更は、コミュニティからは率直に「パンツナーフ」などと呼称されている。たしかに、サンタスカートをパンツ見たさに入手/購入したユーザーも一部に存在することだろう。しかし、すべての愛用者がそうした動機だとは言い切れず、例え「パンツ見たさ」だとしてもユーザー感情は無視されるべきではないだろう。

MMO作品において、下半身周りのデザイン変更が話題となった例では『ファイナルファンタジーXIV』の「ケツナーフ」騒ぎがあった。お尻のボリュームが大きくなるコラボ衣装に、ほかの衣装と干渉してしまう不具合が発覚。こっそりと衣装と干渉しないよう特定条件でお尻のボリュームを小さくしたところ、コミュニティの反響を受けてお尻を戻したという経緯だ(関連記事)。このケツナーフ騒動では、結果的に運営側の柔軟性が示された。また、『ファイナルファンタジーXIV』は前述のCEROレーティングにおいてCERO C(15才以上対象)で運営されている。柔軟な対応の背景には、『DQX』に比べて高年齢向けレーティングがされている点もあるだろう。今回のパンツナーフ騒動では、運営側のさらなる回答は示されるのだろうか。チラ見せ愛好者たちに、何らかの救済が訪れることを祈りたい。

『ドラゴンクエストX オンライン』はWindows PC/PlayStation 4/Nintendo Switch/Wii U/ニンテンドー3DS向けに配信中。来年2022年2月26日には、本作をオフラインでも楽しめるようにした『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オフライン』がPC(Steam)およびPlayStation 5/PlayStation 4/Nintendo Switch向けに発売予定だ。




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