脱出系オウムホラー『Monster Parrots』無料配信開始。虹色パーティーオウム「Party Parrot」が迫る

 

国内のコンテンツ制作チームNya Nya Nyaは11月9日、ホラー脱出ゲーム『Monster Parrots』を配信開始した。対応プラットフォームはPCで、フリーゲームとして配信中だ。


『Monster Parrots』は一人称視点のホラー脱出ゲーム。プレイヤーは謎の施設からの脱出を目指し、カギを探しパズルを解いて歩を進めていく。探索を邪魔するのは、虹色に輝く恐怖のオウムたちだ。怪物オウムたちはプレイヤーを発見するや否や「オウケーイ、オウケーイ」と繰り返しながら追跡してくる。何がOKなのかもわからず、見た目にも突拍子がない。しかし、背後からかなりの速度で迫るオウムは妙な恐怖感を煽る。

なぜ、追ってくるのが虹色発光オウムなのか。その背景には、あるネットミームが存在する。虹色に発光して楽しげに首を揺らすオウム「Party Parrot」だ。海外ミームデータベースKnow Your Memeによれば、同ミームの発祥は英BBCが2009年に公開したYouTube動画と見られる。同映像では、動物学者のMark Carwardine氏が、絶滅危惧種のオウム「カカポ」に熱烈なアプローチを受ける様子が見られる(動画48秒頃より)。痛ましいシーンもあるものの、笑いを誘うこの動画はユーザーの人気を集めた。また、該当のオウムは「シロッコ(Sirocco)」と名付けられ、ニュージーランド環境保護大使にも任命された。記事執筆時点で同動画は2200万回以上再生されており、高評価の数は約35万にも及ぶ。


そして、2016年には突如として「Cult of the Party Parrot(パーティーオウム教団)」なるサイトが立ち上がった。同サイトではコミュニケーションツールSlack向けに、多種多様なParty Parrotの絵文字を共有している。また、「カカポがパーティーを続けられるよう寄付を」として、募金ページへのリンクを設置。カカポ保護のための運動を支援している。やがてミームは海外掲示板Redditなどにも飛び火。やがてTwitterなどSNSを通じて日本にも波及した。日本国内では、Party Parrotが英語風のイントネーションで喋る動画として流行したようだ。『Monster Parrots』で襲いくるオウムたちは、この国内風のParty Parrotの系譜と見られる。


本作を開発したのは、日本国内のコンテンツ制作チームNya Nya Nyaだ。スタジオ公式サイトによればメンバーは全員学生で、ゲーム制作の経験はなし。独学にて本作の開発にあたったようだ。本作には、少々特殊な仕様もある。具体的には「ゲーム起動後、いったんESCキーを押してカーソルを出す必要がある」など、ぎこちなさを感じさせる点も散見。しかし、筆者の所感ではしっかりとホラーゲームとして成り立っている印象を受けた。プレイの際には、予め公式サイトの操作ガイドやReadmeドキュメントを確認するとスムーズだろう。

『Monster Parrots』はPC向けに、Nya Nya Nya公式サイトにて配信中。なお、同公式サイトではカカポ保護募金も呼びかけられている。Party Parrotの精神は日本の学生にも受け継がれているようだ。




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