『FF14』第67回PLLにて新情報が公開。少人数PvPやクラフター/ギャザラー関連調整の詳細が判明

スクウェア・エニックスは11月6日、『FF14』の新情報を配信する生放送「第67回プロデューサーレターLIVE」を配信した。「暁月のフィナーレ」における 生活系コンテンツやシステム関連、PvP関連のアップデートについて紹介された。

スクウェア・エニックスは11月6日、『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)の新情報を配信する生放送「第67回プロデューサーレターLIVE」を配信した。放送では、年内に発売を控えた大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」における 生活系コンテンツやシステム関連、PvP関連のアップデートについて紹介された。また、放送の冒頭では「暁月のフィナーレ」の発売延期が発表された(関連記事)。
 

 
延期の発表後、「暁月のフィナーレ」ローンチトレイラーが公開された。エメトセルクによるナレーションで静かにはじまるトレイラーで、「終わりに向かって歩む」内容となっている。「そのフィナーレを迎える準備はいいか?」というキャッチコピーは、新生エオルゼアの「すべての冒険者へ。準備はいいか?」というキャッチコピーと対をなしている。
 

 
新たなクエスト

メインクエストにおける新しい遊びとして、メインクエスト中、特定の期間においてNPCと一緒に移動できる仕組みが導入されるようだ。どこへでも連れ歩けるわけではなく、ある程度の範囲内でのみ同行してくれるとのこと。「一緒に目的地へ行こう」というようなクエストで採用されているようで、没入感がより高まりそうだ。なお、グループポーズもNPCと一緒に撮影できる。
 

 
レベル90ではジョブクエストは実装されず、ロールごとにわかれたクエストが実装される。新たなロールクエストの種類はTANK/HEALER/近接物理DPS/遠隔物理DPS/遠隔魔法DPSの5種類で、パッチ6.1でエクストラクエストも追加される。また、シャーレアン魔法大学取引という、パッチ5.0のミーン工芸館取引と同様のクラフター/ギャザラー向けクラスクエストも実装される。味が特徴的だと語られてきた「賢人パン」に関する内容もあるそうだ。

万魔殿パンデモニウムの実機映像も公開された。第1弾のタイトルは「辺獄編」。実機ではパンデモニウム内とみられる場所を吉田氏が散策し、予期せぬチラ見せが発生しないよう注意しながらフィールドを紹介した。万魔殿パンデモニウムのシナリオではさまざまなキャラクターとの出会いがあるとのこと。「そう来たか!」という驚きが込められた物語となるようだ。
 

 
PvPアップデート

パッチ6.1では新たな少人数PvP「クリスタルコンフリクト」が実装される。5対5のチーム戦で、シンプルなルールかつ短時間で気軽に遊べるというコンセプトのもと制作されている。少人数PvPではロールごとの責任の重さが敬遠される理由になっているという判断のもと、ロールによるマッチングやロールアクションは撤廃。各ジョブごとに異なるPvPアクションやアドレナリンラッシュが実装され、PvEとは完全に異なるジョブ体験が可能なコンテンツになるようだ。
 

 

「第67回PLL」より。クリスタルコンフリクトのフィールド

 
チーム編成にあたってのロール縛りはないが、マッチングはジョブが重複しないようにおこなわれる。区分けはカジュアルマッチ/ランクマッチ/カスタムマッチの3種類。マッチ区分について詳細解説はなかったものの、従来どおりならカジュアルマッチは順位変動のないマッチング戦で、ランクマッチは順位変動のあるマッチング戦、カスタムマッチはパーティー募集などで自由に募集する練習試合要素の強い対戦となると思われる。自動マッチングがおこなわれる区分では、それぞれ実力が近いプレイヤーがマッチングする仕組みになっている。

クリスタルコンフリクトの基本的なルールは、マップ両側に各チームの出撃地点があり、マップ中央に1つだけある中立オブジェを奪い合うというものだ。オブジェを確保すると敵チームのゴールまでオブジェを押し込むことができるようになり、最奥にある敵チームの出撃地点までオブジェを押し切ったチームが勝利となる。マップ自体にもギミックがあり、通路が爆発するなどといったハプニングも発生する。
 

「第67回PLL」より

 
クリスタルコンフリクトでは新たな報酬システムが導入される。クリスタルコンフリクトでは定期的に順位などがリセットされるシーズン制を採用している。シーズンごとにランキング順位報酬と階級報酬があるが、これらは称号やアチーブメントなどプレイヤーの名誉に関わるものに限定される。マウントや装備などは含まれないようだ。

PvP全体の報酬システムも刷新される。シーズンとは別にシリーズ(仮称)という期間が設定され、期間中に各種PvPをプレイすることでシリーズ報酬を獲得することができる。プレイするPvPコンテンツはクリスタルコンフリクトに限らず、フロントラインなど過去に実装されてきたコンテンツでも構わない。

シリーズでは、対人ゲームなどでよく見られるバトルパス制が採用されている。シリーズ中にシリーズEXPをためると、キャラクターごとにシリーズレベルが上がっていく。シリーズレベルが上がると報酬として専用トークンを獲得。特定のレベルに達したときには、装備品やマウントなどの報酬もあるようだ。シリーズが切り替わるとシリーズレベルはリセットされ、報酬のラインナップも変更される。

シリーズレベルが上がると獲得できる専用トークンは、さまざまな報酬と交換することができる。専用トークンはシリーズの切り替わりでリセットされないため、次回シリーズに持ち越すことが可能だ。シリーズ報酬は後追いのかたちで専用トークンの交換ラインナップに追加されるため、報酬は期間限定のものにはならず、自分のペースで獲得できる。

また、2017年1月からパッチ5.1までのあいだ配信されていた特撮ドラマシリーズ「牙狼」とのコラボ装備について、復刻に向けた話し合いが進められていることが判明した。まだ詳細は不明であるため、牙狼コラボ装備が欲しかった方は続報をお待ちいただきたい。

クリスタルコンフリクトの実装にともない、プレイヤーの分散を防ぐため、ザ・フィーストはパッチ6.1で閉鎖される予定だ。これまでザ・フィーストで獲得できたトークン「狼の首輪」は今後も獲得・交換できるので処分する必要はない。「狼の首輪」で交換できる装備品などザ・フィースト関連の報酬は新しいPvPコンテンツの報酬体系に組み込まれていくようだ。
 

キャラクターカードシステム(仮称)

プロフィールをカスタマイズする機能として、キャラクターカードシステム(仮称)の実装が検討されている。このシステムはキャラクターをターゲットして「調べる」をおこなった際に表示されるキャラクタープロフィールを拡張するものだ。SNSなどで個人が作っているキャラクタープロフィール画像をインゲームでも作れるようにすることを目指すとのこと。キャラクターカードを装飾する背景や枠などはデフォルトでもかなりの量が実装されるほか、ゲーム内の各種報酬で入手することができる。

 
クラフター/ギャザラー関連調整

パッチ6.0以降はHQアイテムの排出が停止されるため、それにともなう初対応についての補足説明がおこなわれた。ギャザラーのHQ納品が必要なクエストは、NQ納品でも進行可能となる。また、ギャザラーのHQアイテム納品ボーナスは廃止されるが、そのぶん基本報酬量が引き上げられる。HQ採集に関わるアクションは効果が変更される。HQ採集が必要なアチーブメントも条件が変わり、HQアイテムの採集ができなくなってからも引き続き達成可能だ。なお、採集やドロップでHQアイテムを獲得することができなくなるものの、クラフターの製作品は変わらずHQで製作できる。

クラフターは新たなアクションが追加されるほか、デノミネーションにあわせてレシピ周りの数値調整がなされている。HQ素材がなくなることも踏まえて、製作難易度はパッチ6.0公開前と変わらないように調整されている。

採掘師と園芸師も調整がおこなわれる。これまでHQ獲得率に関係するステータスだった識質力は、HQ素材の排出停止にともなって技術力という名前に変更される。技術力が高いほど獲得数ボーナスが発生しやすくなり、獲得数ボーナスが発生すると採集物の獲得数が+1される。また、HQ獲得率を上げるアクションに代わって獲得数ボーナス率を上げるアクションも追加される。

漁師ではHQの代わりにラージサイズの魚が釣れるようになり、アクションの説明文もHQからラージサイズに置き換わる。漁師は大物を釣るのが遊びのひとつとして存在するため、HQ素材の排出が停止されるのに対して同様の枠組みを用意することで対応したとのこと。採掘師・園芸師と同様、識質力は技術力に名前が変わるが、ラージサイズの魚が釣れやすくなるというステータスの特性は変わらない。また、刺突漁も改修がおこなわれ、UIが大きく刷新される。フィールド上の漁場にアクセスしたあとに泳いでいる魚影を銛を突くという直感的な操作方法に変わり、ミニゲームのような仕組みに変更されるようだ。
 

「第67回PLL」より

 
リーヴ報酬の見直し

これまでプレイヤーの懐事情を支えてきたギルドリーヴにも調整がおこなわれる。ギルのインフレーション傾向を鑑み、リーヴ受注権1枚に対する報酬量が調整されるようだ。リーヴ権1枚あたり3回の納品ができる製作稼業の「大口依頼」と漁師向け採集稼業「大量採集」は、1枚あたりの報酬量が多すぎたということで報酬経験値やギルが引き下げられる。逆に、それ以外の依頼は報酬経験値とギルを引き上げているものもある。

 
システム関連調整

レベルアップに必要な経験値と獲得経験値のデノミネーションが実施される。レベルアップに必要なプレイ時間やコンテンツ攻略回数などには影響しないものの、パッチ6.0以前に蓄積中の経験値があった場合、途中の経験値はリセットされてしまうため注意が必要だ。例えば現在レベル70のジョブがあり、レベル71に至る途中の経験値がいくらか溜まっている場合、溜まっている分の経験値は0にリセットされてしまうのだ。経験値のデノミネーションにともない、レベル切り上げや経験値割合を保持するとなると、キャラクターデータベースを直接書き換える必要がある。サービスを停止して20億近くのパラメータを手動で調整する必要があるため、苦渋の決断となったようだ。レベリング途中のジョブがあるプレイヤーは、パッチ6.0までになるべくキリが良いところまでレベルを上げておこう。

 
新たなトームストーン

新たなトームストーンの名称が、「アラガントームストーン:経典」「アラガントームストーン:天文」であることが発表された。天文はパッチ6.0から4週間後のパッチ6.05にて、零式実装と同時に実装される週制限トークンだ。経典には週制限はなく、レベル90到達後、さまざまなジョブの装備を整えるために使うトークンとなるとみられる。なお、パッチ2.4から排出されている古参トームストーンである「アラガントームストーン:詩学」はパッチ6.0でも現役で、過去に実装された装備を交換するトークンとしての役割を果たし続けるようだ。

また、レイド関連の報酬バランスを調整するにあたり、パッチ6.0以降は武器を交換するために必要なトームストーンの量が1000から500に減少する。これまでは武器を交換するためのトームストーン量は重めだったため、レイドを最前線で攻略する層は防具やアクセサリーの交換を優先することが多く、武器は零式などトークン以外のものが採用されることが多かった。必要トークン数が減ることで、攻略中の装備交換の選択肢が増えることになる。

 
新たな装備のデザインが公開

トークンで交換できる装備やオシャレ装備などのデザインが公開された。
 

経典装備は『FF4』由来のデザイン

 

万魔殿パンデモニウムで入手できる装備

 

新たなオシャレ装備。右のオメガ装備は課金アイテムの予定

 
既存の髪型がヴィエラ女性にも対応する。パッチ5.0で追加された新種族は髪型に特殊な仕組みを使用しているため対応が遅れてしまったとのこと。ロスガル男性はヴィエラ女性よりもさらに特殊な仕組みを使用しており、パッチ6.1での髪型追加を予定している。
 

 
そのほかにも、新たなクラフター/ギャザラースクリップである紫貨(しか)の追加や、アチーブメントUIリニューアル、楽器演奏中のグループポーズ起動などの機能追加が告知された。また、カンパニーアクションから衰弱軽減が削除され、新たに都市内スプリント効果時間延長効果が追加される。軍票交換品としてランダムなミニオンやマウントが入手できる箱も追加されるようだ。

 
Embody Immerse Spatial Audioに対応

Embody社が提供する有償サービス「Immerse Spatial Audio」を『FF14』に合わせてチューニングした音声システム「Immerse Gamepack FINAL FANTASY XIV Edition」が公開される。このアドオンを使用することで、サウンドを耳の形状にあわせてパーソナライズし再生することで360度から音が聞こえるような、より立体感のあるオーディオを楽しめるとのこと。

Embody社のサイトからライセンスを購入してインストールし、ゲーム内のコンフィグをオンにすることでアドオンが有効化される。「暁月のフィナーレ」アーリーアクセスと同時に14日間の体験版の提供も開始され、正式サービス前の先行購入では20%オフで購入することが可能だ。正式サービス開始はパッチ6.05を予定しており、予定価格は2420円。サブスクリプションではなく、買い切りの価格である。サウンドチームの祖堅正慶氏もイチオシのシステムとのことなので、気になる方は触れてみよう。

 
ハウジングアップデート

新たなハウジングエリア「エンピレアム」が追加される。蒼天街をベースにしたエリアで、通常街24区画+拡張街24区画が追加される。1サーバーあたり1440の土地が追加される計算のようだ。パッチ6.0からエリアに入ることができるが、土地の販売開始はパッチ6.1が予定されている。抽選販売と先着販売の設定は運営側で区画ごとに切り替えられるが、現時点では抽選販売区画を多くする予定とのこと。

土地販売システムも刷新される。整備中の土地への引っ越しはパッチ6.0から廃止され、パッチ6.1以降は時間経過による土地価格の値下げも廃止。フリーカンパニー加入直後のメンバーへの土地購入権限の付与や、マスター権限の委譲も制限される。

ユーザーからの要望が多かった土地の抽選販売システムも、パッチ6.1から導入される。応募は空いている各土地のサインボードにて受け付けている。数日間の抽選応募期間中に空き土地のサインボードから応募すると、抽選番号を受け取ることができる。一度の応募期間につき応募できる件数は1プレイヤーキャラクターにつき1回、どこか1か所の土地に限られる。サインボードからは現在の応募人数を確認することが可能だが、応募後のキャンセルはできない。また、冷やかし入札の防止のため土地代は前金として応募時に全額支払う必要がある。もちろん落選した場合には支払った前金は全額返金されるが、90日程度の受取期限があることには注意が必要だ。

応募期間が終了すると、数日間の当選発表・手続き期間が設けられる。当選者はこの期間に手続きすることで土地を所有することができる。当落の発表は応募した土地のサインボードから確認可能だ。手続き期間を過ぎた場合、当選者の土地購入権利は放棄され、次の応募期間が始まる。その場合、当選者の土地代はキャンセル料を引いた50%のみが返金される。

個人用の土地の応募条件は、いずれかのクラス・ジョブがレベル50以上、グランドカンパニーの階級が少甲士/少牙士/少闘士以上、同一サービスアカウントの別キャラクターがそのワールドの土地を持っていない場合、という3つの条件を満たした場合に限られる。同一キャラクターが土地を持っている場合は2軒目としての土地購入はできず、同じ手続きを踏んで引っ越しをおこなうことになる。

フリーカンパニー用の土地の応募条件は、フリーカンパニーに所属しており土地の購入・放棄の権限を有していること、所属フリーカンパニーのメンバー数が4人以上かつランクが6以上、同一サービスアカウントの別キャラクターがそのワールドでフリーカンパニー用土地の購入者になっていないこと、の3条件を満たす必要がある。個人用の土地と同様に、同一キャラクターでフリーカンパニー用土地を所有している場合、2軒目ではなく引っ越しのための応募となる。
 

「第67回PLL」で発表されたハウジング新外装

 
オセアニアデータセンター追加

新たなデータセンターとして、オセアニアデータセンターが2022年2月にオープンする。データセンター名はMateria。データセンター内のワールドはすべて新設ワールドとなり、移動するにあたってはホームワールド変更の無料化などの特典が適用される。

以上、第67回プロデューサーレターLIVEで公開された新情報をご紹介した。2週間の発売延期という残念なお知らせから始まった放送だが、発表された内容は期待が高まるものばかりだった。『FF14』の大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」は12月7日に発売予定だ。

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Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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