『FF』の生みの親・坂口博信氏の『FF14』攻略スピードが速すぎる。エオルゼアの世界をわずか1か月ほどで駆け抜ける
『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親として知られる坂口博信氏が、10月31日に『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)の実装分メインクエストをすべてクリアした。同氏は9月28日に『FF14』を開始し、定期的にプレイの様子をTwitterにアップしていた。特に10月25日に「漆黒のヴィランズ」のシナリオに入ってからの進行速度は「Speedrun」と言われるほどの勢いで、パッチ5.0のラスボス撃破まで4日という速さであった。今回、パッチ5.5実装分のメインクエストをすべて完了し、およそ1か月にわたる光の戦士としての戦いにひとつの区切りがついたかたちである。
坂口氏が『FF14』をはじめたきっかけは、10月2日に「東京ゲームショウ2021」内番組でおこなわれた『FF14』のプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏との対談のようだ。対談前の9月28日に『FF14』を開始した坂口氏は、『タクティクスオウガ』や『ファイナルファンタジータクティクス』を手がけた松野泰己氏の手助けのもと基本操作をマスター。その後も順調に冒険を進め、吉田氏との対談の本番でも「『FF』感があって楽しい」など好感触であったことを話していた。もともとMMORPG『EverQuest』を好んでおり、そのシステムを参考に『FF11』を開発した経歴もある坂口氏。そんな同氏が『FF14』の世界にのめり込むのは必然ともいえるかもしれない。
【UPDATE 2021/11/2 8:50】
TGSの日にちを修正
エオルゼアの世界に魅了された坂口氏は、放送終了後もプレイを継続。10月8日には「新生エオルゼア」のラストダンジョンである魔導城ブラエトリウムに突入し、アルテマウェポンを破壊した。10月13日には「蒼天のイシュガルド」のシナリオに突入。2日後の10月15日にはラスボスであるナイツ・オブ・ラウンドを撃破している。10月18日にバエサルの長城を突破した翌日には「紅蓮のリベレーター」のシナリオに入り、わずか3日でラスボス・神龍までたどりついた。そして10月25日には、満を持して現在の最新拡張ディスクである「漆黒のヴィランズ」のシナリオを開始。シナリオの重厚さや幻想的な風景に感動しながら第一世界を見て回った坂口氏は、29日にパッチ5.0のラスボスを撃破。第一世界での冒険に区切りをつけ、10月31日には実装されているすべてのシナリオを完了した。
【坂口氏の『FF14』旅程(あくまで推定)】
9/28 キャラクター作成
9/30 最初のインスタンスダンジョン2つを踏破
10/8 パッチ2.0ラスボス・アルテマウェポンを撃破
10/13 クリスタルタワーを踏破し、「蒼天のイシュガルド」へ突入
10/15 パッチ3.0ラスボスであるナイツ・オブ・ラウンドを撃破
10/18 ニーズヘッグ撃破
10/18 パッチ3.5ラストID・バエサルの長城を突破
10/19 「紅蓮のリベレーター」実装エリアへ
10/22 パッチ4.0ラスボス・神龍を撃破
10/24 大迷宮のバハムートへ寄り道後、パッチ4.5ラストID・ギムリトダークを突破
10/25 「漆黒のヴィランズ」のシナリオに突入
10/29 パッチ5.0ラスボスを撃破
10/30 パッチ5.3実装ボスを撃破
10/31 希望の園エデンシリーズを踏破したのち、実装分メインクエストをすべて完了
およそ1か月で『FF14』のメインクエストを駆け抜けるという坂口氏の勢いに、世界中の光の戦士が注目した。YouTuberのKougaon氏は「『FF14』のSpeedrun記録を塗り替えた男」なる見出しをつけた画像を作成し、コミュニティの笑いを誘った。なお、RTA記録集積サイトSpeedrun.comによると、『FF14』のメインクエストRTAは拡張ディスクごとにわかれて集計されている。本稿執筆時点では「新生エオルゼア」は15時間10分55秒、「蒼天のイシュガルド」は9時間35分48秒で、以降の拡張ディスクに関しては走者が登録されていない。RTAの記録を塗り替えるほどのスピードではないかもしれないものの、物語にひたり、世界を見て回っての進行としてはかなり速いほうであることは間違いない。
また、速度だけ見るとメインクエストだけを追っていったようにも見えるが、実は坂口氏はサブクエストやノーマルレイドも楽しんでいる。坂口氏のエオルゼア降臨を手助けした松野泰己氏が、たびたびメインクエスト以外のコンテンツのプレイをおすすめしていたのも大きいようだ。「大迷宮バハムート」をはじめとした、レイド系サブストーリークエストにひととおり触れた坂口氏は、最終的に松野氏の進行を追い抜く勢いで「希望の園エデン」のストーリーを完走している。
また、メインクエストの道中、坂口氏は『FF』シリーズの過去作に登場した敵キャラクターや、かつてスクウェアが関わった作品のパロディを見かけては思い出を語っていた。1986年にPC向けに発売されたRPG『クルーズチェイサー ブラスティー』や1987年にファミリーコンピュータ/ディスクシステム向けに発売されたSTG『とびだせ大作戦』など、スクウェア在籍時に自身がかかわったタイトルのオマージュやパロディを見かけると、懐かしさもひとしおだったようだ。
『FF14』の世界を1か月ほどで駆け抜けた坂口博信氏。過去作のオマージュやパロディも多いエオルゼアの世界は、『FF』シリーズの父の目にはどのように映ったのだろうか。現在実装されているメインクエストをすべて完了し、坂口氏もパッチ6.0で月へと向かう準備が整った。「ハイデリン・ゾディアーク編」というパッチ2.0から続く物語の完結編を、ぜひ同氏とともに見届けたい。『FF14』大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」は11月23日発売だ。また、坂口博信氏がプロデューサーを務めるRPG『FANTASIAN』も、Apple Arcadeにて好評配信中である。
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