『アークナイツ』★5プラチナの声優が交代。前任・茅野愛衣氏の靖国神社参拝騒動が影響か


Yostarは10月24日、スマートフォン向けタワーディフェンスRPG『アークナイツ』のアップデートを実施した。アップデートでは開催中のイベントや常設スカウトの内容更新のほか、「開発の要望により」★5狙撃キャラクター・プラチナの音声データ変更がおこなわれた。これまでプラチナの声優を担当していたのは茅野愛衣氏だが、本日のアップデートより、プラチナのボイスは北島瑞月氏が演じる新たな音声に差し替えられる。詳細な理由は明かされていないものの、茅野愛衣氏が靖国神社へ参拝したことで中国からの抗議が相次いでいたことが原因と見られている。


『アークナイツ』は、中国・上海のデベロッパーであるHypergryphが開発し、日本国内ではYostarが運営・配信をおこなっているスマートフォン向けタワーディフェンスRPGだ。「鉱石病」と呼ばれる感染症が蔓延する世界を舞台に、迫害や差別、和解などをテーマとした硬派なシナリオが展開され、日本国内でも人気が高い。プラチナはカジミエーシュ出身のクランタ(馬耳の種族)女性。普段は気だるげな雰囲気をまとっているが、戦闘となると静かに敵を射抜く人物だ。ユニット性能としても射程や単発火力に秀でており、さまざまなマップで活躍する汎用性を備えている。

なぜプラチナの声優は交代になったのか。交代理由として明言されているわけではないものの、前任の茅野愛衣氏による靖国神社参拝が原因であると見られている。茅野氏は2月11日、自身のYouTubeチャンネルで公開しているラジオ番組「茅野愛衣のむすんでひらいて」第152回で靖国神社を訪れた。番組内で茅野氏はよく靖国神社に参拝していると語り、今回は新発売のCDのヒットを祈願したと話した。茅野氏の一連の行動に政治的な意図があったかどうかは定かでないものの、靖国神社という、日本の軍人たちを祀る神社への参拝に、主に中国から抗議が相次いだ。抗議を受けて茅野氏は、2月17日にTwitterへ謝罪文を投稿。該当の動画は非公開になった。


しかし、謝罪投稿後も中国からの抗議は相次いでいた。6月に入ると『アズールレーン』や『ドールズフロントライン』など、中国企業が運営するソーシャルゲームの中国国内版において、茅野氏が演じたキャラクターのボイスやCV表記の削除が相次いでおこなわれた。また、MiHoYoが運営するソーシャルゲーム『崩壊学園』では中国国内版・日本版ともに茅野氏演じるキャラクター・蓬莱寺九霄の音声データが差し替えられた。『アークナイツ』では6月19日に中国国内版においてプラチナのボイスとCV表記が削除されていたが、10月24日のアップデートで声優交代がおこなわれ、日本版でも茅野氏が演じるプラチナの声を聞くことはできなくなった。

プラチナの声優交代について、日本国内では残念に思う声が多いようだ。6月以降、中国企業が運営するソーシャルゲームにおいて、茅野氏が演じたキャラクターのCV削除が相次いでいたのは前述のとおりである。『アークナイツ』中国国内版でプラチナのボイスが削除されると、日本版のボイスはいつ削除されるのかと危惧されていた。そんななか、10月23日に差し替えの告知が出たかたちである。

しかし、本日差し替えられた新ボイスは、落胆しているプレイヤーたちに寄り添うような高いクオリティで、プレイヤー間でも好評のようだ。前任の茅野氏に寄せた演技で、プラチナの声をずっと聞いてきたプレイヤーにもあまり違和感を抱かせない点を評価する声が多い。新たにプラチナの声優を担当する北島氏は令和3年にマウスプロモーションに所属したばかりの新人声優だ。複雑な事情による抜擢ではあるものの、これからの声優活動の足がかりにしてほしいという応援の声も多く見られた。


茅野愛衣氏の音声データの削除や差し替えが続いている中国産ソーシャルゲーム。『アークナイツ』でもプラチナというキャラクターの声優が交代となってしまったが、この状況を嘆く声は『アークナイツ』プレイヤーの間だけにとどまらない。『アズールレーン』や『ドールズフロントライン』など、中国版で茅野氏のボイスが削除されたものの日本版では対応がおこなわれていない他タイトルにて、キャラクターボイスが差し替えられるのも時間の問題かもしれない。

【UPDATE 2021/10/25 0:05】
締めの文言を変更




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