『FF14』学者の新アクションが“足が速くなる”と話題。華やかな新技を披露する他ジョブのかたわら、ただ健脚を見せつける学者

昨日9月18日、『ファイナルファンタジーXIV』の「第66回プロデューサーレターLIVE」が配信された。その中で、学者の変更点がコミュニティで話題となっている。

昨日9月18日、『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)の新情報を発表する生放送「第66回プロデューサーレターLIVE」が配信された。配信内では11月23日に発売される大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」におけるジョブ調整について発表された。華やかな新アクションが発表されたジョブやメカニクスの抜本的な見直しがおこなわれたジョブなどがある一方、学者の変更点がコミュニティで話題となっている。放送で使われているスライドに表示された学者の変更点は「ジョブアクションとしては唯一の、戦闘時にも効果のあるパーティ移動速度上昇バフを追加」のみだったのだ。

*「第66回プロデューサーレターLIVE」学者の紹介場面(4:09:39~)


学者はパッチ2.0で実装されたヒーラージョブだ。ペットとして召喚したフェアリーに指示をおこなえるほか、自身もさまざまなスキルを駆使してパーティーを支援することができる。事前にバリアや軽減バフを使い、敵からのダメージに事前に対策をしておくことを得意とするバリアヒーラーだ。そして11月23日に発売される大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」では、ジョブアクションとしては唯一、戦闘時にも効果のあるパーティ移動速度上昇バフを使えるようになるのである。

学者の変更点が「移動速度上昇バフの追加」と大々的に発表され、コミュニティには動揺が走った。ほかのヒーラージョブの場合は、白魔道士なら「効果も見た目も特徴的な、設置型の回復アクションを追加」と発表され、占星術師ならジョブのメカニクス変更についての説明があり、新ジョブである賢者は実機でのプレイ映像が公開された。学者以外の3ジョブには、新たに大型拡張を迎えるにあたって一般的にヒーラーのものと思われる事項が並べられていたのである。そんななか、学者だけは「パーティーメンバーの足を速くすることができる」ことを押し出されたのだ。

「第66回PLL」より


実は生放送の冒頭で公開されたジョブアクショントレイラーでも、学者はその健脚ぶりを披露している。学者の紹介シーンでは最後に敵からの攻撃予兆が発生するが、学者は自身の脚力を強化し、なんと走ってその攻撃を避けるのだ。あまりにも自然な避け方だったためトレイラーの公開されたばかりのころにはそれほど話題になっていなかったが、放送内でプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏が言及すると、そのシュールさに注目が集まった。

VTuberのOdin氏は「新しいジョブアクション、超かっこいいな!」と、ジョブアクショントレイラーで発表された新アクションをつなぎあわせた動画を公開。竜騎士が紅と蒼の竜を放ち、黒魔道士が炎と氷を合わせた魔法を放ち、ナイトが光る剣を降らせ、それぞれのジョブが派手な技を繰り出したのち……大トリとして学者がAoEを走って避けるというものだ。


また、redditに立てられた「学者の移動技はファンタジックだ!」と題されたスレッドでは、「学者は賢い。どうして敵に近づくのに(ゲージなどの)エネルギーを使う必要があるんだ?足を使えばいいのに!」といったコメントが集まった。

知的な印象を抱かせる見た目とは裏腹に、学者のジョブクエストには「海兵魂!」と叫ばされたり、映画「フルメタル・ジャケット」のパロディが仕込まれていたりと猛々しいシーンが多い。花や星などきらびやかなモチーフを持つ他ヒーラーと比較して、ゴリゴリの脳筋としてネタにされることも多いジョブだ。ヒーラーとしては異様かもしれないが、そんな学者の新アクションが「他人の足を速くする」と押し出されるのは、なんらおかしいことではないのかもしれない。

ジョブアクショントレイラーより


さて、ややネタとなりつつある学者の新アクションだが、性能面はどうなるのだろうか。スライドの文章に記述がないため「ただ足が速くなるだけのアクション」と勘違いされている方もおられるかもしれないが、放送中に吉田氏から「ダメージ軽減効果があるアクションで、それに付随して移動速度上昇バフがある」という旨の解説があった。バリアヒーラーの新アクションとして軽減スキルが追加され、そのアクションの追加効果に移動速度上昇バフが付いているのである。軽減効果がどの程度のものなのかは明かされていないが、これまでの『FF14』ではヒールワークを組み立てるうえで使わなくていい軽減アビリティというものはほぼ存在しなかった。学者としてバトルコンテンツに赴くのであれば、パッチ6.x中は付き合い続けることになるアクションと見ていいのではないだろうか。

放送内のスライドで「ジョブアクションとしては唯一」と仰々しく書かれていたためすさまじい効果のように見えるかもしれないが、移動速度が上がることがコンテンツクリアに直結するかどうかは、なんとも言えないところである。もちろん、敵の攻撃を回避するのは容易になるため、バフがあったほうが楽にこなせるギミックが出てくる可能性はある。同じような移動速度上昇バフにはパッチ5.55で実装され、特定のフィールドのみで使用できるアクション「ロスト・インペタス」が存在したが、攻撃の回避に役立つ反面、「足が速くなりすぎてうっかり危険地帯に突っ込んでしまった」という事故も多々見受けられた。「ロスト・インペタス」は今回実装される予定の新アクション以上に足が速くなるアクションのため事故が起こりやすかった可能性もあるが、「暁月のフィナーレ」で学者に実装される新アクションについても同様のリスクがありそうだ。

また、新アクションでの移動速度上昇効果はすべてのジョブが使える移動速度上昇バフ「スプリント」と同等の効果で、重複して速度が上昇するということもないそうだ。『FF14』のバトル調整の歴史を見ても特定のジョブが必須とされるバトルコンテンツが作られることは考えにくく、移動速度上昇バフがなければ対処が厳しいギミックでも、学者がいなければ「スプリント」を使えば事足りる可能性は高い。新アクションは「戦闘中の移動速度上昇」という真新しさはあるものの、それがなければコンテンツの攻略が進まない、というほどのものにはならないだろう。

大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」における健脚ぶりが話題となった『FF14』の学者。今回発表された内容は開発中のものであり、製品版の発売時には変更されている可能性もある。ひとまずは実装まで、フェアリーとともに月を駆けるのを楽しみにしておこう。『FF14』の大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」は11月23日発売だ。


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Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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