『FF14』第66回PLLにて「暁月のフィナーレ」におけるジョブ調整が発表。気になる新アクションや変更点をひとまとめ

スクウェア・エニックスは9月18日、『FF14』の新情報を発表する生放送「第66回FFXIVプロデューサーレターLIVE」を配信した。本稿は放送内で発表されたジョブ関連のアップデートについて取りまとめたものである。

スクウェア・エニックスは9月18日、『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)の新情報を発表する生放送「第66回FFXIVプロデューサーレターLIVE」を配信した。放送では11月23日に発売を控えた大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」におけるバトル関連の変更点について解説され、新たな追加アクションやメカニクス変更が多数発表された。本稿は放送内で発表されたジョブ関連のアップデートについて取りまとめたものである。
 

 
まず、全ジョブに対する基本調整方針について解説があった。ジョブ関連調整におけるベースの方針はパッチ5.0に準拠し、操作やシステムの複雑化はしないとのことだ。複雑にしてほしいという意見も理解しているものの、以前のパッチで複雑化したところコンテンツ全体が難化してしまったことから今回の判断に至ったそうだ。また、主要なアビリティのリキャストが60秒/120秒の周期に寄せられ、レイドコンテンツなどでシナジーを合わせやすくなる。しかし、すべてのアビリティが60秒/120秒に調整されるわけではないことには留意してほしいとのことだ。

新たにジョブアクショントレイラーも公開されている。20分と長めのトレイラーだが、「暁月のフィナーレ」の新アクションやジョブHUDを見ることができるため、気になるジョブだけでも確認しておこう。
 

 
全ジョブ共通の調整事項としては、まず、遠隔攻撃でコンボが中断しないように変更される。攻撃を回避するためにボスから離れる局面でもコンボが途切れる心配がなくなり、火力のロスが少なくなる。

また、武器の物理基本性能の値を、同じアイテムレベルの魔法基本性能の値とそろえるように変更される。『FF14』の攻撃は物理攻撃と魔法攻撃に分けられている。これは「新生エオルゼア」時代に今後のアップデートの可能性を見据えて開発されたものだが、これまでは魔法攻撃の方が数値が大きくなる設定がされていた。「暁月のフィナーレ」ではその数値が物理と魔法で揃えられるようになる。それにともなって基礎計算式が変更されており、アクション説明に記載されている威力の数値は下がっている。今後メディアツアーなどでアクション説明が公開されていくが、威力値が下がっていても実質的な威力変更はされていないことが多いため留意してほしいとのことだ。

 
タンク

タンクの全体的な変更点としては、一部の防御バフにより適切なタイミングで使うとメリットを得られる要素が追加される。敵の攻撃に応じて使用したり、ほかのアビリティと重ねて使ったりすることで追加効果が発生するようだ。追加効果の時間は数秒と短いため、このメリットを享受したければこれまでより正確なタイミングでバフを使用することが求められる。また、接近技の射程が20メートルになる。

ナイトは正統進化といえるアップデートとなるようだ。まず、現在は自身の残りMPに応じて威力が上昇する「レクイエスカット」の効果が、残りMPを気にせず使えるように調整される。また、新規に「コンフィテオル」から派生する3段コンボを追加される。全体的にスキル回しが簡単になりすぎないよう、基本ローテーションに研究の余地を残しているそうだ。

戦士は範囲コンボだけで「シュトルムブレハ」の付与と延長ができるようになる。また、「オンスロート」と「アップヒーバル」からビーストゲージ消費を削除。「オンスロート」はタンクで唯一3スタックの接近技となる。遠距離から使用できる新アクションも追加されるため、機動力がぐっと上がるそうだ。「原初の解放」はリキャストが60秒となり、実行後に発動できる新アクションも追加されるが、リキャストが短くなったぶん、効果中に使用できるアクションの回数は3回までとなる。それ以外にも、「原初の猛り」がパワーアップしているため、STとしての性能も向上するようだ。

暗黒騎士の変更点としては、まず「ソルトアース」の設置位置が自身の足元となる。さらにプレイヤーが新アクションを修得するのにともない、「英雄の影身」も新アクションを使うようになる。戦士の「原初の解放」同様、「ブラッドデリリアム」はリキャストが60秒となり、効果時間中に使用できるアクションは3回までとなる。また、「ブラックナイト」とは別の単体ターゲット防御バフが新規に追加されるようだ。

ガンブレイカーの変更点は、まず「サベッジクロウ」と「ウィケッドタロン」がホットバー上で「ビートファング」から置き換わるようになり、操作量が軽減される。また、「バーストストライク」のあとに「コンティニュエーション」による追撃が可能になる。ソイルは最大3スタックに増加し、より戦略的な使い方を求められるようになるとのことだ。
 

近接物理DPS

近接物理DPS全体の調整として、「牽制」の効果変更が上げられる。効果を与物理ダメージ減少に変更したうえで、与魔法ダメージ減少効果も追加されるようだ。与魔法ダメージ減少効果は与物理ダメージ減少効果ほど大きくないものの、現状あまり効果的に使える場面の多くなかったアビリティである「牽制」に光が当たる調整となることは間違いないだろう。

竜騎士は範囲攻撃のローテーションが拡張される。ウェポンスキルのコンボローテーションを成功させると実行可能になる新アクションが追加されるほか、さまざまなアクションが上位のものに置き換えられるようだ。加えて、「蒼の竜血」が特性化し、維持するためのアクションが必要なくなる。「蒼の竜血」が発動条件だったアクションは通常時に使用するものになる。そのほかにも、スパインダイブが2スタックのアビリティとなり、接近技として扱いにくかった部分が解消される。また、バトル全体のリキャスト時間の調整にともない、ランスチャージは60秒、バトルリタニーは120秒のリキャストに調整されるようだ。

モンクは大きな調整がおこなわれている。パッチ5.4で「疾風迅雷」がなくなったぶん、「闘気」を低レベルから使えるように調整されるようだ。そのほかにも、「踏鳴」の効果中に条件を満たすと“必殺技”を発動可能になる。必殺技は「踏鳴」中に使うウェポンスキルの組み合わせによって変化し、3つのチャクラと陰と陽2つの闘気を組み合わせ、さまざまな技を放つことができるようになる。これらの調整によって操作が忙しくなることから、正拳突きと双掌打の方向指定が削除される。また、新しい接近技「抜重歩法」の追加にともない、羅刹衝が削除。「抜重歩法」は攻撃をともなう移動技ではないが、味方をターゲットして移動することもできる使い勝手が幅広いアクションのようだ。放送内では実際にプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏が実機プレイもおこなったため、気になる方はチェックしておこう。
 

「第66回PLL」より

 
侍は、「陣風」「士風」で付与できるバフを、範囲攻撃コンボでも付与できるように変更される。全体的にピュアDPSとしての新技追加が主なアップデートで、新たな居合術と燕返しに相当するアクションが追加される。燕返しと明鏡止水が2スタックになる調整もされており、明鏡止水状態ではコンボ3段目を撃つとコンボ2段目のバフが付与されるように。これによって使い勝手が向上するほか、開幕のバーストまでの立ち上がりが大幅に短縮されることが予想される。

忍者には、「雷遁の術」「土遁の術」「風遁の術」に絡むアクションを追加。「風遁の術」を付与しやすくなるアクションが追加され、バフの維持が容易になるようだ。すでに操作量が多いジョブなので、忙しくならないような調整を施したとのこと。また、「分身の術」中に使える新アクションも追加されるようだ。

「暁月のフィナーレ」で新ジョブとして追加されるリーパーの紹介もおこなわれた。リーパーは両手鎌による攻撃とアヴァターとの連携攻撃を繰り出し、さらにアヴァターを自身に憑依させて強力な攻撃を発動するジョブだ。特定の状況で役立つアクションや、特徴的な動作をするアクションをもつ。ジョブアクショントレイラーにも映されて実機プレイでも紹介されていたが、進行方向の前や後ろに移動し、元の位置に戻ることができる移動スキルが印象的だ。
 

「第66回PLL」より

 
ジョブHUDのゲージは2本あり、1本はソウルゲージと呼ばれる、アヴァターとともに攻撃をして消費するもの。もう1本はシュラウドゲージと呼ばれ、アヴァターと融合するために使うものだ。アヴァターと融合すると特殊なアクションを使えるようになり、戦闘のテンポがあがってややテクニカルになる。操作難易度がやや高いぶんベースとなるコンボには方向指定がないが、アヴァター関係のアクションには方向指定があるものもある。そのほかにもパーティーを強化するシナジースキル「アルケインサークル」をもっているようだ。
 

遠隔物理DPS

遠隔物理DPSの共通点として、ダメージ軽減アビリティのリキャストが90秒になる。

吟遊詩人の変更点として、バッファーとしての性能を望む声が多かったことから、既存の3種類の戦歌アクションから派生するパーティーバフアクションが追加される。また、「エイペックスアロー」から派生する新アクションを追加。旅神のメヌエットやバトルボイスのリキャストは120秒となる。吟遊詩人については自身にバフ効果がかからないことが長くプレイヤー間でも議論されてきたが、本人にバフがかかるかどうかは調整中なので明言できないとのことだ。

機工士は『FF6』オマージュと思われる“きかい”をモチーフにした新アクション「回転のこぎり」が追加される。「漆黒のヴィランズ」で『FF6』を元ネタとしたアクションが多く追加されたが、この路線は「暁月のフィナーレ」でも続いていくようだ。そのほかにも、「整備」は2スタックになるほか、オートマトン・クイーンの追加技をはじめとした新アクションが追加されるようだ。

踊り子の変更点は、まずウェポンスキルで付与される「リバースカスケード実行可」などのバフが単体攻撃と範囲攻撃とで共有化される。また、「テクニカルフィニッシュ」「インプロビゼーション」「攻めのタンゴ」から派生するアクションが新たに追加される。範囲攻撃もステップアクションになってプレイフィールが向上するようだ。
 

遠隔魔法DPS

遠隔魔法DPS全体の調整として、「アドル」の効果変更が上げられる。効果を与魔法ダメージ減少に変更したうえで、与物理ダメージ減少効果も追加されるようだ。与物理ダメージ減少効果は与魔法ダメージ減少効果ほど大きくない。近接物理DPSの「牽制」とあわせての調整と見ていいだろう。

黒魔道士は「エノキアン」が特性に変更され、アストラルファイアおよびアンブラルブリザード効果中に自動的に付与されるようになる。また、特定の状況でアストラルファイアとアンブラルブリザードを切り替えると発動できる新アクションが追加される。新アクションは炎を氷が合わさったもので、ジョブアクショントレイラーにも登場しているもののようだ。細かな調整点としては、サンダガやファイガのProc継続時間が伸び、小手先のテクニックが効くようになっている。現状では使用機会の少なかったファイラとブリザラには上位の魔法が登場し、範囲魔法のローテーションが変更となるようだ。上位の魔法名は議論されたが、「ハイファイラ」となるそうだ。

赤魔道士には、「スコーチ」から派生する新アクションが追加される。また、「ヴァルフレア」「ヴァルホーリー」「スコーチ」を範囲攻撃に変更し、範囲ローテーションからも発動できるように変更。さらに防御系のパーティーバフが追加され、これまでよりもややサポート寄りの調整がされるようだ。使い勝手の面では魔法剣各種のマナ消費量が少なくなり、マナフィケーションによるマナ上昇量の調整もあるため、開幕のバーストまでの時間がかなり短縮されている。とはいえ、魔法攻撃によるマナ上昇量は下がっているため、全体を通して見ると魔法剣の使用回数は変わらない。また、デプラスマンとアンガジェマンの威力が同じになり、火力のために後ろに飛びのく必要がなくなる。

召喚士はジョブのメカニクスが大幅リニューアルされている。吉田氏いわく「ほぼ新ジョブだと思っていただければ」とのことだ。DoT付与アクションはすべて削除され、エギではないイフリート、ガルーダ、タイタンが召喚可能となる。ジョブアクショントレイラーでも長めの尺が取られており、コミュニティ全体が盛り上がった。
 

ジョブアクショントレイラーより

 
設定としては蛮神そのものを召喚するわけではなく、イフリート・ルビー、タイタン・トパーズ、ガルーダ・エメラルドと呼ばれるものを介して喚び出すかたちとなるようだ。三蛮神を呼ぶと召喚士自身に属性の力が付与され、モードが変わっていく。モードによって使えるアクションも変わり、たとえばイフリートは詠唱が長い代わりに威力の高い魔法、タイタンは無詠唱魔法にさらにマウンテンバスターによる追撃、ガルーダなら設置型のダメージ床などが使用できるようだ。そのほかにも無詠唱の攻撃魔法が充実しており、高い機動力を有しているようだ。

【UPDATE 2021/9/18 18:33】
実機プレイおよびジョブアクショントレイラーから見て取れる仕様から、記述内容を調整。

デミバハムートを呼ぶことで属性エーテルを得ることができるため、それぞれの属性の三蛮神を召喚。3つの属性エーテルを消費した後にフェニックスを召喚すると、再度属性エーテルを得ることができ、ローテーションがループするようだ。なお、三蛮神はどれから召喚してもよく、コンテンツごとに最適なものを選択することとなる。ローテーションについては吉田氏による実機プレイもあったため、気になる方は放送のアーカイブをご覧いただきたい。
 

ヒーラー

ヒーラー共通の変更点として、各ヒーラーに新しい単体バフ付与アクションが追加される。アビリティの追加にともない、攻撃魔法の合間にアビリティを挟み込めるように攻撃魔法の詠唱時間を短縮。詠唱時間は1.5秒ほどとなるようだ。また、リミットブレイクの効果範囲を50メートルに拡大。リミットブレイクによる蘇生に漏れることはほぼなくなると見ていいだろう。インスタンスダンジョン向けにはそれぞれのジョブに特徴の異なる範囲魔法が追加されているようだ。

白魔道士はピュアヒーラーとして正統進化。効果も見た目も特徴的な、設置型の回復アクションが追加される。また、ホーリーの上位版「ホーリジャ」が追加される。アクアオーラは削除され、ディヴァインベニゾンがチャージアクションになるそうだ。
 

ジョブアクショントレイラーより。画面右のオブジェクトが新たに追加される設置型アクション

 
占星術師はピュアヒーラーへの方針転換にともない、「ダイアーナルセクト」と「ノクターナルセクト」が削除され、基本的な回復アクションの性能は「ダイアーナルセクト」時の効果に変更される。とはいえ、バリアがすべてなくなるわけではなく、「ニュートラルセクト」使用時にはバリアも使用可能なようだ。ディヴィネーションは効果が変更され、ディヴィネーションシンボルは他者向けではなく自己バフとして使用するものになる。リドローはチャージではなく、ドローするたびに1回使えるアクションに。マイナーアルカナにも調整が入っている。範囲魔法として、ジョブアクショントレイラーにもあった、回復と攻撃を兼ね備えたものが追加されるようだ。
 

ジョブアクショントレイラーより

 
学者には、ジョブアクションとしては唯一の、戦闘時にも効果のあるパーティー移動速度上昇バフが追加される。そのほかにも、パーティーメンバー1人を対称とした強力なバフが実装されるようだ。

賢者は「暁月のフィナーレ」で実装される新ジョブで、バリアヒーラーとして必要な能力を一通り所持している。回復・バフ用のリソースと攻撃用リソースをもち、アクション「カルディア」では敵への攻撃と同時に指定のパーティーメンバーを回復することができる。「エウクラシア」という、単純な攻撃魔法だったものがDoT付与になるなど、アクションの効果が変更される特徴的なアクションも有しているようだ。ヒーラーとしては珍しく移動アクションも持ち合わせており、ジョブアクショントレイラーで前方に移動しているのを確認することができた。

以上、「暁月のフィナーレ」での『FF14』ジョブ関連アップデートについて取りまとめた。なお、本日発表された情報は開発中のもので、製品版では変更の可能性があるとのこと。今後メディアツアー等でさまざまな情報が公開されていくが、製品版の発売時と同一の内容とは限らないことは念頭に置いておこう。『FF14』の大型拡張ディスク「暁月のフィナーレ」は11月23日発売だ。
 

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Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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