『Fallout: New Vegas』のスターウォーズRPG化Mod開発中。魅力的ながらもアセット流用ありで先行き不透明


海外Mod制作者のTank_Girl444氏は7月9日、『Fallout: New Vegas』をベースとして映画「スター・ウォーズ」の世界を再現する、PC向けに開発中のMod「Star Wars Open Worlds」の映像を公開した。熱意を感じるプロジェクトながら、アセットの流用なども含んでおり先行きの危ぶまれるModとなっている。PC Gamerが報じている。


「Star Wars Open Worlds」は、『Fallout: New Vegas』のグラフィックなどを刷新、映画「スター・ウォーズ」の世界観に基づくオープンワールドRPGを目指したフルコンバージョンModだ。制作者は海外クリエイターのTank_Girl444氏で、同じくMod制作者であるKarim Najib氏の指導とModコミュニティの貢献を受けつつ、ファンプロジェクトという位置づけで開発されている。過去の公式スター・ウォーズゲーム作品からのアセット流用も含む二次創作作品であるため、権利関係によりModが公開不可となる可能性も存在し、制作者も「非営利のファンプロジェクトである」と強調している点に留意しておきたい。

そうした背景はあるものの、映像ではゲーム内に再現されたスター・ウォーズの世界が確認できる。ベースとなっている『Fallout: New Vegas』が約11年前の作品なのも理由のひとつなのか、グラフィック品質そのものは現在の基準に照らし合わせて美麗とは言えない。しかし、スター・ウォーズの世界観にのっとって構築された世界やキャラクターは、少なくとも映画ファンにとっては注目に値するものかもしれない。

Image Credit: Tank_Girl444 on YouTube


映像のなかでは、映画さながらの光線を発するブラスターや、地上を爆撃するTIE/saボマー(爆撃機)の姿、地上を我が物顔で闊歩するAT-ATとの戦闘など、「スター・ウォーズ」ファンが思わず注目してしまいそうなシーンが確認できる。また、マンダロリアン・アーマーを装着したプレイヤーキャラによるジェットパックを用いての飛行など、ゲームプレイ面の自由度を期待させる一幕もある。

今回公開された映像は、Modの紹介というよりも、Tank_Girl444のポートフォリオ的側面の強いもののようだ。itch.io上の「Star Wars Open Worlds」ページで公開されているドキュメントには、本Modが目指す幅広いゲームプレイ要素が記載されている。しかしながら、基本的にはTank_Girl444氏が独力で開発しており、アセットの流用という著作権侵害行為を含んでいるため、実現性には疑問符がつく状態だ。そのため、Modの完成とリリースに期待するのはかなり難しい現状となっている。

今回紹介した動画は、海外掲示板RedditのPCゲーマーコミュニティ、/r/pcgamingにも投稿されている。スレッドでは、スターウォーズの過去のMMO作品『スター・ウォーズ ギャラクシーズ』を思い出して懐かしむ声が投稿されているほか、著作権侵害による公開停止を懸念するコメントも多く寄せられている。

夢を感じさせる熱意のファンプロジェクトながら、アセット流用などもあり著作権的には限りなく黒に近いグレーといった状況の本Mod。スター・ウォーズのオープンワールドRPGというコンセプトは魅力的ながらも、素直には期待できない。しかしModが制作され注目を集める背景には、そうした作品への需要が存在するのも事実だろう。

また、今年初めには、Ubisoftよりスター・ウォーズの新作オープンワールドゲームが開発中であることが明かされた(関連記事)。『ディビジョン』シリーズを手がけたMassive Entertainmentが制作を担当するという。同作の詳細については、物語主導のゲームとなるほかは未だ明らかにされていない。しかし、ファンとしては、公式作品であるこちらに期待するのがいいかもしれない。