『Team Fortress 2』同時接続プレイヤー数が15万人突破で過去最高記録を更新。待望のBot対策実装が影響か
Valveの基本プレイ無料対戦FPS『Team Fortress 2』が日本時間6月26日、同時接続プレイヤー数15万人を突破した。これは本作の2007年のリリース以降、約14年間の歴史で最大となる同時接続者数だ。さまざまな要因が考えられるものの、一部コミュニティでは近頃のアップデートによる悪質Bot対策の影響と見る声があがっている。
『Team Fortress 2』はValveが2007年に発売したマルチプレイオンライン対戦FPSだ。対戦タイトルながら「お祭り騒ぎ」という形容がふさわしいゲームプレイと、キャッチーで取っつきやすいビジュアルデザインが特徴。初心者から上級者まで楽しめる工夫が凝らされており、人気を博している。本作はもともと有料タイトルとして配信されていたが、2011年の基本プレイ無料化を期にプレイヤー人口が爆発。以降、Steamを利用するゲーマーの定番タイトルとして、根強い人気を誇っている。
上述のように、本作はリリース以来安定した同時接続者数をキープし続けており、近年でもプレイヤー数は増加傾向にあった。昨年12月の大型アップデート直後には、今回の記録に迫る同時接続者数、約14万7000人を記録している。しかしながら、本作にはコミュニティを悩ませるひとつの課題があった。それが「悪質Bot」問題だ。
本作にはゲームの人数合わせとして参加するプログラムとして組み込まれたBotのほか、ユーザーがいやがらせやイタズラ目的で作成した「荒らしBot」が存在する。2018年前後から活動が確認されているこの荒らしBotはコミュニティの悩みの種であり、一部コミュニティでは荒らしBot対策のBotを開発、導入するなどの動きも見られた。コミュニティからは荒らしBot対策を切望する声があがり、開発元Valveによる対応が待ち望まれていた(関連記事)。
そうした状況のなか配信されたのが、今年6月22日の本作アップデートだ。内容には、2021年夏シーズンのコスメティックアイテムの追加やさまざまな改善が含まれている。そのなかでも、コミュニティの注目を集めたのが「セキュリティ、および安定性に関する多数の改善」という項目だ。具体的な内容は明かされていないものの、この更新により前述の悪質Botが、ゲームサーバーに姿を見せなくなったという報告がコミュニティから多数あがっているのだ。海外掲示板Redditの本作コミュニティ/r/tf2の同アップデートに関するスレッドには、荒らしBot対策にまつわるコメントが多数寄せられており、「荒らしBotが見当たらなくなった」といった報告や喜びの声が多く見られる。
一方で、「サーバー側Modを導入しているカスタムサーバーが軒並みダウンしている」という情報も寄せられている。また「どうせ荒らしBotはすぐ戻ってくる」といった悲観的な声や「消えていた荒らしBotが徐々に復活している」という不穏な報告もある。いずれにせよ、Valveによる待望の『Team Fortress 2』荒らしBot対策がおこなわれた事実に、コミュニティは大きい反応を見せている。こうした動きが本作プレイヤー数の増加に繋がっている可能性は高い。
今回のアップデートで、荒らしBotが綺麗さっぱり居なくなるということは考えづらい。しかし、コミュニティの反応を見るかぎりでは、一定の成果を上げているとえいるだろう。幅広いプレイヤーが楽しめる懐の広い作品だけに、今後も継続して荒らしBot対策がおこなわれ、多くのプレイヤーがより良く本作を楽しめる環境が作られていくことを祈りたい。