『バイオハザード4』『デビル メイ クライ』など写真無断使用の疑いで、カプコンが提訴される。ランサムウェア被害で流出した情報も証拠資料に

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カプコンが、ゲーム内で素材を無断使用したとして、訴えを起こされている。訴えの対象となっているのは、『バイオハザード4』および『デビル メイ クライ』などの複数タイトル。原告は写真家/デザイナーのJudy A. Juracek氏で、カプコンおよびカプコンU.S.A.を相手取り、損害賠償を求めているようだ。Polygonが報じている。

訴えを起こしたJuracek氏は、デザイナーとして映画やテレビ番組などの舞台美術に関わってきた人物。同氏は、世界各地にある建築物の外見や意匠などをまとめた、デザイナー向けの書籍を出版している。そのなかには付属CD-ROM上にデジタルデータで写真が収められたものがあり、同氏の主張によれば、そうしたデータがカプコンによって無断使用されているとのことだ。

Polygonが公開した裁判資料によれば、Juracek氏がカプコンに無断使用されたと主張しているのは、書籍「Surfaces: Visual Research for Artists, Architects, and Designers」に付属のデジタル画像データだ。同氏の主張によると、カプコンが無断使用したとされるデータは約80種類以上。資料のなかでは、具体的にどの写真データがどのゲーム内アセットと類似しているか、図をもって示されている。

Image Credit: Judy A. Juracek/Capcom 裁判資料より


そのなかには、『バイオハザード4』の印象的なロゴも含まれている。こちらは「4」の文字の表面が、Juracek氏の撮影した割れたガラスの写真と一致しているとのこと。「ガラスのひび」という再現の難しい見た目が、よく似通っているように見受けられる。なお、こちらのガラス素材については『バイオハザード』シリーズ他作品でも、窓テクスチャーとして使われているとのことだ。

資料には、ほかにも多数の類似例が含まれている。対象とされるタイトルは前述の『バイオハザード4』以外にも、初代作品のリメイクである『biohazard』や『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』などのシリーズ諸作品、ほかにも『デビル メイ クライ』など多岐にわたり、『バイオハザード』シリーズと『デビル メイ クライ』にまたがって使用されていると見られる素材もあるようだ。

Image Credit: Judy A. Juracek/Capcom 裁判資料より


訴えの対象となっている諸作品はいずれも、カプコンが2000年代にリリースしたタイトル群。訴えが事実だとするならば、その時期のカプコン制作チーム内で、 Juracek氏のデータが“素材集”として用いられていたのかもしれない。なお、同氏の主張を裏付けるデータとして、「ファイル名の一致」も挙げられている。というのも、カプコンは去年不正アクセスおよびランサムウェア攻撃を受けており、内部資料の流出などの被害を被っていた(関連記事)。その流出した資料ファイルに含まれていた画像ファイル名と、Juracek氏の出版したデータの画像ファイル名が一致していたというのだ。

ゲーム制作のなかで素材集が使われることは珍しいことではない。3Dゲームのテクスチャーなどのアセット制作は膨大な労力となるため、既存の素材がさまざまな形で活用されている。なかには、そういったテクスチャーの出どころを探り当てる「テクスチャーハント」を楽しむ文化も存在している(関連記事)。

しかしながら、「Surfaces: Visual Research for Artists, Architects, and Designers」は加工や流用が許された素材集ではなく、デザイナー向けの“資料集”だった。同書には無断転載や流用を禁じる旨と、商用利用などの際はJuracek氏の許諾が必要なことが明確に表示されていたとのこと。同氏が裁判資料で主張するようにカプコンが意図的にこの表示を無視したのか、あるいは、「自由に使える素材集である」という誤認のもとに使用していたのかは、定かではない。素材流用の真偽も含め、その経緯は法廷で明らかにされるのを待つしかないだろう。


カプコンIPは『バイオハザード』『デビル メイ クライ』シリーズ含め、近年大きな成長を遂げている。今後の展開が期待されるだけに、十年以上前の話であるとしても、今回の訴訟を含めて、カプコンによる事実関係の明確化と円満な解決を祈りたいところだ。

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