『FF14』サウンドディレクター祖堅氏の健康を願い、40名の音楽家によるコラボ演奏動画が公開。「おかえり」の気持ちをメドレーに乗せて

『FF14』サウンドディレクター祖堅正慶氏が自身のガンの罹患と寛解を報告してから3週間あまりが経過した。『FF14』を愛する音楽家40名が圧巻のメドレーを投稿している。

スクウェア・エニックスが運営するMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)のデジタルイベント「デジタルファンフェスティバル 2021」にて、サウンドディレクター祖堅正慶氏が自身のガンの罹患と寛解を報告してから3週間あまりが経過した。イベントが終了するとSNSにはハッシュタグ「#WelcomeBackSoken」が生まれ、『FF14』ゲーム内ではボスを倒すことで願掛けをする人々も現れ、プレイヤーたちは一丸となって祖堅氏の健康を願っている(関連記事)。6月4日、Husky by the Geek氏はYouTubeに「Final Fantasy XIV Medley with 40 Musicians – Welcome Back Soken」と題した『FF14』のメドレーを投稿。『FF14』を愛する音楽家40名を集めた圧巻のクオリティは、祖堅氏本人も反応するほどの反響を呼んでいる。 
 

 
Husky氏はゲーム音楽のアレンジを中心に活動している人物で、『FF14』楽曲のアレンジも数多く投稿している。これまでも他の音楽家とコラボしての動画投稿はおこなってきたものの、今回YouTubeに投稿されたメドレーの参加人数はなんと40名。ギターやピアノ、ボーカルといった実際の楽器や自身の声を用いている音楽家のみならず、『FF14』内の楽器演奏システムで演奏活動を行っているプレイヤーも参加している。メドレーの内容は「神なき世界」「鬨の声」「五尋の深み」「Shadowbringers」といった、プレイヤーならばワンフレーズ聞いただけで情景が思い浮かぶような楽曲がチョイスされている。40名という大人数による、これまでの『FF14』の集大成とも言えるようなメドレーアレンジなのである。 

さて、このメドレーはいかにして生まれたのだろうか。弊誌AUTOMATONではHusky氏とコンタクトを取り、動画が完成するまでの経緯をおうかがいすることができた。 
 

 
「デジタルファンフェスティバル 2021」の開催直後、Husky氏は祖堅氏のためにアートを制作したい、というメンバーが集まるDiscordコミュニティに招待されたそうだ。コミュニティ内には音楽活動をおこなっているプレイヤーも多く、Husky氏は彼らと一緒にメドレーを作りたいと思い立ったという。自身の運営するDiscordサーバーでも呼びかけをおこない、結果、世界中から40名の音楽家が集まることとなったそうだ。メンバーのなかには旧知の友人もいれば、このメドレーを制作するにあたってはじめて知り合った人もいたという。 

編曲やミックス、動画編集はすべてHusky氏によるものだ。編曲作業はかなりスムーズに進み、どの楽器をどこに配置するかといったイメージもすんなりと浮かんでいったという。40名全員のためにそれぞれの楽器パートを作成し、それを受け取った参加者たちは自分の担当パートを演奏。録音された各パートのミックス作業もHusky氏がおこない、編集トラック数は100以上にも及んだという。投稿されたメドレーは大きな反響を呼び、YouTubeの再生数は1日で4万9000回を突破。祖堅氏本人も、Twitterで感謝のコメントを残している。 
 

 
「デジタルファンフェスティバル 2021」における祖堅氏のガンの寛解報告以降、同氏の健康を願う活動はゲーム内外で続けられている。Husky氏は祖堅氏の作った楽曲をメドレーにすることで彼の健康を祈願し、病床から復帰した同氏への「おかえり」というメッセージも込めた。そしてメドレーには、Husky氏に加えて40名のメンバーの思いも込められていると言えるだろう。改めて、祖堅氏の健康を願っている。 

Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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