『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズ最新作、2022年に発売延期。PlayStation Studios統括責任者が難しい開発状況を語る

ソニー・インタラクティブエンタテインメントPlayStation StudiosのSanta Monica Studioは6月3日、現在開発中の『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズ最新作について、当初予定していた2021年予定から延期し、2022年に発売すると発表した。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントPlayStation StudiosのSanta Monica Studioは6月3日、現在開発中の『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズ最新作について、当初予定していた2021年予定から延期し、2022年に発売すると発表した。

『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズ最新作は、昨年9月に放送された「PLAYSTATION 5 SHOWCASE」の最後にてサプライズ的に発表された。正式タイトルは未定。当時公開されたティザー映像では、ラグナロクの到来を告げると共に、これに備えるように述べる主人公クレイトスの声が流れた。2018年にPS4向けに発売された前作『ゴッド・オブ・ウォー』の、その後の物語が描かれるのではないかと予想されている(関連記事)。

今回Santa Monica Studioは、クレイトスとその息子アトレウスの旅は次なる章を迎えるとし、最高の品質のゲームとして届けるべく取り組んでいるとコメント。また、開発チームやパートナー、その家族の健康と安全にも気を配っているとも述べる。おそらく、新型コロナウイルスによる昨今の難しい状況を指しているのだろう。そうした状況から、本作の発売時期を2021年から2022年へとずらすとした。

『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズ最新作の発売延期については、PlayStation Studios統括責任者のHermen Hulst氏も、PlayStation.Blogにて同日6月3日にコメントしている。(新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた)この1年は、主にモーションキャプチャーやオーディオの作業が最大の課題だったという。

SIEは、一般家庭に小さなレコーディングスタジオを作って対応しているものの、多くのシネマティックシーンを撮影したり、複数の役者でモーションキャプチャーをおこなう場合はそう簡単にはいかないとのこと。人材確保の面でも難しい状況だという。その結果、本作はプロジェクトの開始が少し遅れてしまったそうだ。それでも品質に妥協はせず、しかしチームに過剰な負荷をかけることもしないとして、2022年への延期を決めたとしている。

なおHermen Hulst氏は、『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズ最新作以外に、PlayStation Studiosとしての方向性などについても語っている。同氏によると、PlayStation Studiosでは現在25以上のプロジェクトが進行中で、約半数は新規IPになるという。そのひとつはBend Studioによるもので、『Days Gone』で開発した深いオープンワールドのシステムをベースに構築しているそうだ。

PS5が発売されてから半年になろうとしているが、PlayStation Studiosは今後もPS4をサポートすることも明言された。Hulst氏は、1億1000万人を超えるPS4ユーザーを放置することはできないうえ、PS4を切り捨てることはビジネス的な側面から見てもよくないことだとコメント。『ゴッド・オブ・ウォー』次回作や『Horizon Forbidden West』『グランツーリスモ7』など、PS5/PS4両ハードに対応することが理にかなっているタイトルは、PS4でのリリースを引き続き検討するそうだ。一方で、『Returnal』や『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』のような、PS5専用のタイトルも開発していくとしている。

近年SIEは、PlayStation独占だったファーストパーティタイトルのPC版のリリースに乗り出している。Hermen Hulst氏によると、昨年発売した『Horizon Zero Dawn』のPC版は非常に良い結果が出ているとのこと。ただ、PlayStation Studiosのタイトルを発売時にプレイするには、今後もPlayStationが最高の遊び場だと強調。PC向けの発売は、各タイトルの適切な時期を検討していくとした。

最後に、開発拠点としての日本についても言及された。今年は、SIEのJAPAN Studioの著名スタッフが相次いで退職したことが話題となった(関連記事)。これを受けてのコメントだろう。Hulst氏は、日本のゲームと人材はSIEとPlayStation Studiosにとって引き続き非常に重要であり、また日本からの影響はPlayStationのDNAの重要な部分を占めていると述べる。そして、日本・アジア発のPlayStationゲームの未来にとても期待しているとした。なお、JAPAN Studioは『ASTRO’s PLAYROOM』などを手がけたTeam ASOBIを中心に組織再編されたことが伝えられている。Team ASOBIは、世界のあらゆる年齢層に向けたフランチャイズを開発しているグローバルなスタジオとして展開していくとのことだ。

*Team ASOBIはスタジオロゴを刷新。初期のプレイステーションからも影響を受けたデザインとのこと。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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