『あつまれ どうぶつの森』の「かさ」マイデザインを使ったトリックアートがすごい。お部屋の中にどう見てもネコちゃん
先週3月18日に無料アップデートVer.1.9.0が配信された『あつまれ どうぶつの森』。サンリオキャラクターズコラボのamiiboカードに正式対応したほか、新たな住民やコラボアイテムが追加された。また大きな注目を集めたのが、マイデザイン機能の拡張だ。「マイデザインPROエディタ+」タヌポートに追加され、「かさ」「うちわ」「てばた」「かおだしかんばん」といった、新たな4種のPROデザインが実装された。そんな中でも今熱い視線を集めているのが、「かさ」を使った作品群である。
センセーションの火種となったのは、国内のアーティストまや氏の作品。まずは、どこにマイデザインが飾られているかよくよく目を凝らして探していただきたい。キャットタワーやネコのトイレ、ペットのごはんにネコぐさが飾られたリビング。それらの主は、もちろん部屋の隅に小さな小屋を構えたネコちゃん……というところで、ダウトである。『あつまれ どうぶつの森』には「いぬのぬいぐるみ」こそあれ、ネコをインテリアとして置くことはできない。これこそマイデザインで描かれた逸品だ。小屋全体が、錯視を利用した作品となっている。
一見すると立方体の小屋が置かれているように見えるが、実はこれは平面に描かれたトリックアート。正六角形のキャンバス、すなわち「かさ」に立体的な絵を施しただまし絵なのだ。本作では、アイテムのかさは持ち歩くだけでなく床に置いて飾ることも可能。かさの絵柄が見える面をちょうどカメラの正面に向けることで、ちょうど小屋型のインテリアが立体的に置かれているように見えるというわけだ。さらに本作ではもう一工夫加え、小屋の中にネコちゃんがいるように見えるギミックも。「凸」と「凹」の錯視が織りなす、きわめて技巧的な作品といえる。
作者のまや氏から弊誌に寄せていただいたコメントによれば、もともと島内にかさをインテリアとして飾ることが多く、「飾るための傘を作ろう」と思い立って今回の試みに至ったという。「傘の形が六角形だから立方体の箱が作れる!」とのひらめきがあり、上記の作品が完成したそうだ。まや氏といえば昨年4月から、「ロフトのように見える床デザイン」で早くから「あつ森トリックアート」というべきジャンルを築いていた人物(関連記事)。1年を通じて積み重ねられてきたデザインのノウハウが、新たなキャンバスを得て開花した好例といえそうだ。
まや氏の作例を皮切りに、『あつまれ どうぶつの森』では「トリックアートかさ」のジャンルが新たに勃興しているようだ。海外ユーザーのDokiBunny氏は、だまし絵技術とサンリオコラボという最新アップデート要素てんこ盛りの作品を発表。小部屋の中でクロミやポムポムプリンがくつろいでいるような、キュートなバリエーションを発表した。一方、けろけろけろっぴの水槽を模した図柄については示唆を与える一歩になったといえるだろう。本作例により、まや氏が提示した「小屋型」テンプレートからさらに踏み込み、「立方体」であればどんなトリックアートも実現できる可能性を示してみせた。ここからトリックアートかさのカテゴリはさらなる発展を遂げていく。
たとえば立方体といえば、ゲーマーにとって切っても切れない名機がある。海外掲示板Redditのユーザーは、箱型の錯視を利用してゲームキューブを『あつまれ どうぶつの森』の中に召喚している。Nintendo Switchと合わせて並べれば、新旧コンソールが並ぶ感慨深い光景が実現しそうだ。またインテリアとしてのかさが活躍する場は室内に限らない。屋外に設置することで、箱型のゴミ箱を再現するユーザーも登場した。ユーモラスな例としては、国内のマイデザインアーティストゆっこ氏の作例も注目だ。こちらは段ボール箱の中に捨てネコ……ならぬ、「捨てちゃちゃまる」が入っているという代物。道端に置き去りにされていたら、思わず足を止めてしまいそうな出来栄えだ。
『あつまれ どうぶつの森』では「遠近法トリックアート」や「空中大陸風デザイン」など、錯視やテクニックを使ったトリックアートが無数に創造されてきた。アップデートで刺激を受けた全世界のマイデザイナーにより、さらに驚きのデザインが生み出されていきそうだ。発売から1周年を迎えた『あつまれ どうぶつの森』は、ますます発展を遂げていきそうな見込みである。