中国向けの正式版Steam「Steam China」2月9日からテスト運営開始へ。まずは『Dota 2』と『CS: GO』を配信

中国国内向けのSteamである「Steam China(蒸汽平台)」のテスト運営が、2月9日から開始することが明らかになった。

中国国内向けのSteamである「Steam China(蒸汽平台)」のテスト運営が、2月9日から開始することが明らかになった。Valveと提携する中国の大手ゲーム会社Perfect Worldが、2月3日に中国メディア向けに発表している。まずは、Valveの『Dota 2』と『Counter-Strike: Global Offensive』を配信し、国内サーバーにてテストをおこなうとのこと(A9VG)。


Steam Chinaは、Perfect WorldがValveと協力して運営する中国版Steamである。中国国内では、すでにSteamが多くのゲーマーに利用されているが、配信されているタイトルは、基本的に中国政府機関による審査を受けていない。つまり法的にはグレー、あるいは違法ともいえる状態にあり、政府の判断次第でいつサービスが差し止められてもおかしくない状況である。Steam Chinaの立ち上げが発表された2018年当時、Perfect WorldのCEO Robert Hong Xiao氏は、リスクが排除されたゲームを提供し、持続可能なサービスとして運営することを目指すとし、Steam ChinaはSteamを合法化したものになると述べていた(関連記事)。

ただ、少なくとも現時点では、Steam Chinaの提供開始によって従来のSteamへの中国国内からのアクセスを即座に遮断することはない模様。また、SteamとSteam Chinaは別々のクライアントとして提供されるが、ユーザーは同じアカウントにてログインできるという。たとえば『Dota 2』の進捗状況も、両バージョンで共有可能だと案内されている。


今回はテスト運営となるため『Dota 2』と『CS: GO』のみに絞っての提供となるが、正式サービス開始にあたっては、政府による審査を受けて販売ライセンスを取得したタイトルがさらに配信されることになるだろう。2019年の発表では、初期ラインナップは40タイトル程度になるとされていた(IT之家)。ちなみに、Perfect Worldは今年1月に中国でイベントを実施し、Steamのブースも展開。ここでは、『ヒューマン フォール フラット』や『Two Point Hospital』『Absolver』『Unruly Hero』などを出展していた。また、高い評価を得ている『鬼谷八荒』や『Amazing Cultivation Simulator』『Dyson Sphere Program』などの国産タイトルも多く見られた。

前出のRobert Hong Xiao氏は、国内の若いインディーデベロッパーをサポートすることも、Steam Chinaを展開する目的のひとつだとしていた。比較的小規模なデベロッパーへの資金援助をPerfect Worldがおこない、Steam Chinaを通じてリリースしていくという。既存のSteamや、ライバルであるテンセントが運営するWeGameなどが存在する中で、中国のゲーマーに楽しんでもらえる独自の魅力を発信していく考えなのだろう。ただし販売ライセンスを得ることは年々難しくなっているとも報道されており、中国政府から配信を認可されるという点は別途考えなければならないだろう(関連記事)。

先述したように、世界中で利用されているSteamは、中国国内においては微妙な立ち位置にある。Steam Chinaの正式ローンチ時期は未定だが、Steamの中国での提供に今後どのように影響するのか、またSteam Chinaは中国のゲーマーに受け入れられるのかどうか注目される。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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