『グランブルーファンタジー リリンク』はPS5を含めて2022年発売へ。発表が早すぎたという赤裸々な開発経緯や、新しいゲームプレイデモも公開

Cygamesは12月12日、オンラインイベント「グラブルフェス2020」内にて『GRANBLUE FANTASY Relink(グランブルーファンタジー リリンク)』の発売時期は2022年頃になると発表した。

Cygamesは12月12日、オンラインイベント「グラブルフェス2020」内にて『GRANBLUE FANTASY Relink(グランブルーファンタジー リリンク)』の発売時期は2022年頃になると発表した。対応プラットフォームは、PlayStation 5/PlayStation 4。両プラットフォーム間でのオンラインマルチプレイにも対応しているそうだ。

画像はいずれも配信をキャプチャしたもの


『GRANBLUE FANTASY Relink』は、『グランブルーファンタジー』を原作に、同作のキャラクターたちが登場する3DアクションRPGだ。当初はプラチナゲームズが共同開発として参加していたが、2019年2月に開発体制の変更が発表され、以降はCygames単体で開発が進められている。放送内には、同社のディレクター福原哲也氏が登場。「言い訳なんですけど」と前置いた上で、開発が長引いている事実を踏まえ、まずはこれまでの本作の流れについて説明が行われた。


本作が最初に発表されたのは、2016年8月に行われたCygamesNEXTというイベントだった。しかし福原氏は、この発表に対して「発表が早かったな」「めちゃくちゃ早かった」「早すぎたとしか言いようがない」と振り返る。というのも福原氏によると、現在のゲーム業界のセオリーでは、発表が行われるのはベータ版からマスターの時期で、発売の4か月前から6か月前程度であるからだ。本作の開発が始められたのは2016年の初頭だったが、発表までの開発期間はわずか半年。同氏は、本作が本来発表されるのは2021年の夏頃とも語っており、いかに発表が早かったのかが伺える。

ただ当時は、SUPと呼ばれるソーシャルゲーム発祥の会社が、徐々にモバイルゲームから撤退するような事態が続いていた時期だった。そんな中、CygamesNEXTで発表したことでCygamesは本気でゲームを作り続ける会社なんだというインパクトをユーザーに与えられたことや、そこから現在のCygamesに繋がっていることを踏まえて、結果的には良かったなと思っているそうだ。


続いて、現在の開発段階が明かされた。現在のゲーム開発は、Firest Playable/Pre-production/Vertical Slice/Alpha Version/Beta Versionといった過程を経て、製品として公開できるMasterが完成するという。本作の開発状況は、この開発段階にあてはめて考えると、昨年の時点ではVerical Slice。キャラクターやマップといった素材は最小限であるものの、ゲームのコアになる部分などが完成に近い品質で、最終的な予算やスケージュールを検討する段階にあったそうだ。そこから、2020年現在はAlpha Versionの開発へと進んでいる。ゲームのシークエンスが最初から最後まで確認でき、残りの作らなければいけないリソースなどが確定。アセットをゴリゴリ作りながら、開発が進められているという。


また、昔のPVに登場していたジータのようなキャラクターについても公開された。ブルーちゃんと呼ばれる同キャラクターは、パラレルワールドにおける独自の主人公としてデザインされていた。福原氏によると、2015年の企画段階ではグラン/ジータの人気が現在ほどではなく、2人分のプレイヤーキャラクターを作る労力も考慮して、独自の主人公が用意されていたそうだ。しかし、2016年後半頃からグラン/ジータが1人のキャラクターとしても人気に。発表直後のあたりで、新空域を舞台とした外伝的な話ではなく、グラン/ジータを主人公とした作品に変わったために、ブルーちゃんはお蔵入りになったのだとか。なおブルーちゃんのデザインは、『GBVS』のジータにおけるカラー11として登場しており、アークシステムワークスの社内では、思い出カラーと呼ばれているそうだ。また、衣装デザインは継承されており、ストーリー中にある理由から着替えることになる予定だ。なお、放送内では開発体制変更後の流れについても語られている。


福原氏が「開発中のバージョンですが」と前置きした上で、デモプレイが公開された。最初は操作キャラクターはグランだったが、ボタン一つで性別が切り替えられるという同作らしいシステムの紹介とともに、ジータに変更。以降は、ジータを操作してゲームプレイとシステムの解説が行われていった。基本操作としては、通常攻撃連打で次々に攻撃を繰り出すほか、特殊攻撃でコンボルートが変化するシステムが採用されている。


グラン/ジータの固有システムは、コンボによってクラスが最大4まで上昇し、クラスによってアビリティが強化されるもの。攻撃の威力が上がるだけでなく、バフの量が増えたりなど、アビリティの性能が向上するそうだ。キャラクターに関するシステムとしては、装備の切り替え、武器の性能を強化するジーン、アビリティの切り替えなどのシステムが搭載。また、前方範囲の敵を巻き込んで連続ヒットするディストリーム、アーマーブレイク、ファランクス、ヒールオール、範囲内の敵をスローにするディレイ、飛び道具を放つレギンレイヴ、6種類がアビリティでは確認できた。トライアルモードで基本的なシステムを開発した後は、昨年は男4人のパーティー編成だったことを踏まえて、ジータ、カタリナ、イオ、ロゼッタを編成してのゲームプレイが公開された。


今回公開されたのは、敵の飛空艇をグランサイファーで追いかけているというシチュエーションのもの。ストーリーの一部を切り取っており、ネタバレになるセリフなどはカットされているそうだ。ゲームプレイ内では、グランサイファーへ乗り込んだ兵士たちを団長たちがなぎ倒し、グランサイファーに搭載された大砲からエーテル弾を撃ち込むギミックや、敵の飛空艇に乗り込んでの戦いなどが繰り広げられた。いくつかの飛空艇を破壊したあとは、グランサイファーへ敵のボス・ガランツァが搭乗。オーバードライブゲージやブレイク、槍を奪って敵に投げる要素もありつつ、大量のHPを持つ槍使いの男を相手に勝利するまでの流れが映されている。ゲームプレイ内では、範囲内で行動すると攻撃が強化されたりするというロゼッタのバラ、アレスを召喚して戦えるというカタリナの性能についても、少しだけ明かされている。


今回の内容を見てみると、2022年へ向けて順調に開発が進められているように見える。福原氏が冒頭に語っているように、2016年の本作の発表は本当に早かったのだろう。『GRANBLUE FANTASY Relink』は、PlayStation 5/PlayStation 4用ソフトとして2022年に発売予定だ。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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