新潟県警は、偽造カードを新潟県の男性らに販売したとして、横浜市の会社員32歳女性を不正競争防止法違反などの疑いで逮捕したと発表した。NHKなどが報じている。当該カードは、『あつまれ どうぶつの森』で使用できるものであると報じられており、「どうぶつの森amiiboカード」の偽造カードが作成されたようだ。
任天堂は『どうぶつの森』シリーズ向けに、以前よりamiiboカードパックなるものを販売している。パックを開封することで、ランダムなどうぶつカードが手に入る。このカードは最新作にも対応しており、『あつまれ どうぶつの森』をある程度進行(キャンプサイト設置)させていれば、このamiiboカードを使用することで、キャンプサイトを通じてお目当てのどうぶつを呼び寄せることができる。自分の村や島にくるどうぶつは、基本的にランダム。フレンドを介しての勧誘なども可能だがamiiboカードによる呼び寄せは、欲しいどうぶつを決め打ちできる貴重な機会なのだ。そのほか、当該のどうぶつを写真スタジオに呼び出せたり、希少なポスターを獲得するチャンスが生まれたり。コアな『どうぶつの森』ユーザーとしては、価値あるグッズであるわけだ。
裏を返せば、amiiboカードには経済的にも価値があるということ。中古市場には、それぞれのどうぶつカードがかなり量出回っており、市場価格によってある程度どうぶつの人気が推察可能。たとえばゴールデンホビー買取センターのページを見てみれば、ざっとそれぞれのどうぶつの買取価格が確認できる。国内では屈指の人気を誇るジュンの買取価格は6000円。人気どうぶつは“カネになる”のが現状である。
今回逮捕された女性については、6月下旬に楽天のフリマアプリ「ラクマ」で、キャラクター情報が入った偽カード3枚を新潟県の男性と長野県の男性に計5900円で販売したとのこと(産経ニュース)。自宅の捜索によって、偽造カード1000枚近くが押収されたことも確認されている。amiiboカードには、Near Field Communication(NFC)チップが埋め込まれており、その部分を偽造することでニセカードを作り出したのだろう。NHKの撮影した映像を見るに、デザイン部分もコピーされているようだ。
『あつまれ どうぶつの森』および同作内の特定の住民はきわめて高い人気を呼んでおり、“住民売買”が一部マーケットにて繰り広げられているのが現状だ(関連記事)。任天堂は「どうぶつの森amiiboカード」の4種類のパックを受注生産形式で販売しているが、6月に注文を受け付け、そのパックが5か月後である11月末までに送付されるという在庫難。パックですら手に入れることが困難なのである。人気がある商品で希少。それゆえに市場価値が高く、ビジネスになる。そうした側面に目をつけた闇商人は、偽造にも手を染めていることが明らかになった。
今後amiiboカードパックが十分にいきわたり、偽造や転売などが減少することが望まれるだろう。『あつまれ どうぶつの森』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。