『FF14』南方ボズヤ戦線で「赤チョコボ」がトレンド入り。光の戦士にトラウマを植え付けた松野泰己氏と凶悪チョコボの所業

近頃『FF14』にて、「南方ボズヤ戦線」で発生する「赤チョコボ」のバトルイベントが話題になっている。Twitterのトレンドに「赤チョコボ」が上がるほどだ。

パッチ5.35が10月13日にリリースされ、ますます盛り上がりを見せる『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FF14』)。実装された大規模バトルコンテンツ「南方ボズヤ戦線」は大盛況で、メンテナンス直後はサーバーが混雑して入場待ちができるほどだった。特に話題となったのが戦線内で発生する「赤チョコボ」のバトルイベント。Twitterのトレンドに「赤チョコボ」が上がるほどだ。

10月14日の朝8時頃のTwitterトレンド


話題となっているバトルイベントは、南方ボズヤ戦線内で発生する「赤チョコボのヌシ『レッドコメット』」というクリティカルエンゲージメント(決められた人数で参加申請を行い、区切られたエリア内のボスを倒すバトルイベント)だ。SNSでは「絶・赤チョコボ討滅戦」と言われるほどで、難易度もそれなりに高い。

筆者が参加してきた「赤チョコボのヌシ」。特大の範囲攻撃や回転するAoEなど、とにかく盛りだくさんだった。


しかし、高難易度のバトルイベントなら一騎討ちや48人でのレイドなど、もっと難しいものも存在する。「赤チョコボのヌシ」の高めの難易度のバトルイベントだと先述したが、そもそもクリティカルエンゲージメント自体がレイドクラスの難易度のバトルイベントを指しているのだ。筆者も「赤チョコボのヌシ」に参加してきたが、たしかに難しいとはいえ、クリティカルエンゲージメントのなかで「赤チョコボのヌシ」が飛び抜けて難易度が高いというわけではないという印象だった。ではなぜトレンドに赤チョコボが入ったのか。そこには南方ボズヤ戦線のシナリオを手がけた松野泰己氏の所業が深く関わってきている。


松野泰己氏は『オウガバトル』シリーズや『ファイナルファンタジータクティクス』などを手がけたことで知られるゲームクリエイターだ。『FF14』では『ファイナルファンタジータクティクス』とのコラボレイドである「リターン・トゥ・イヴァリース」シリーズを書き下ろし、今回実装の「南方ボズヤ戦線」でもシナリオ執筆を行っている。

松野氏が手がける『ファイナルファンタジータクティクス』や『FF12』でも赤チョコボは強敵として現れているため、松野氏の名前を見ただけで赤チョコボの強さに納得がいく方もいるだろう。しかし、事情はもう少し込み入っている。『FF14』では過去にも赤チョコボが猛威を振るった時代があったのだ。


『FF14』における赤チョコボの歴史は、2018年5月に実装されたパッチ4.3「月下の華」までさかのぼる。そこで実装されたリターン・トゥ・イヴァリースのクエストに、フィールド上で赤チョコボと戦うイベントが存在するのだ。通常『FF14』では、フィールドで敵を倒すことが目的のクエストはさほど難しいものではない。しかし赤チョコボはその常識を覆し、予兆発生から着弾までが異様に短い「チョコメテオ」を連続で唱えてきた。しかも、避け損なえば即死するほどの攻撃力である。

1人のプレイヤーにつき2体の赤チョコボを相手にすることになるため、特に実装直後でプレイヤーが多い状況では大量にPOPすることになる。あちこちでチョコメテオ地獄が発生し、ヤンサのフィールドは阿鼻叫喚の様相を呈していた。

ちょっとしたイベント用のザコ敵と見せかけて、蓋を開けると異様なほど強かった赤チョコボ。まるでレイドボスのような攻撃を繰り出してきた赤い悪魔に光の戦士たちは蹂躙され、彼らに対して強いトラウマを抱く。その記憶が今回のクリティカルエンゲージメントで蘇り、赤チョコボをトレンド入りさせるに至ったのだ。

「踊りたい、踊らなきゃ」でプレイヤーが赤チョコボと戦うハメになる原因が、プレイヤーからのヘイトの高い蛮族・モーグリ族であるのもなかなか面白い。

ちなみにこのクエストバトル「踊りたい、踊らなきゃ」は、パッチ5.21でしれっと緩和されており、恐怖の5連チョコメテオは詠唱が長くなり避けやすくなった。おそらく今回実装の南方ボズヤ戦線の開始条件にリターン・トゥ・イヴァリースシリーズのクエスト完了があり、その中に赤チョコボ討伐が含まれていることが大きな原因だろう。

パッチ5.21のパッチノートより抜粋

筆者が試してみたところ、この赤チョコボのクリティカルエンゲージメントは時間経過では発生しないように感じられた。南方ボズヤ戦線のフィールド北東(レジスタンスランク5以上で侵入可能)に赤チョコボがいるエリアがあり、そこで赤チョコボを20匹ほど狩り続けたところ、スカーミッシュ「豚面と赤い馬鳥」が発生した。


このスカーミッシュをコンプリートするとさらにクリティカルエンゲージメントが発生し、「赤チョコボのヌシ『レッドコメット』」に参戦できた。フィールド上の誰かが前提条件をクリアしてくれればどこからでも参加できるだろうが、スカーミッシュ参加者には優先的に参加権が付与されるため積極的に参加してみるといいだろう。ちなみにスカーミッシュ後、クリティカルエンゲージメントの発生直前には面白いイベントを見ることができた。スカーミッシュのクリア後は、ぜひ近くでクリティカルエンゲージメントの発生を待っていてほしい。

『FF14』は現在、パッチ5.35がリリース中だ。SNSなどで話題の赤チョコボには、レジスタンスランクが5以上になれば比較的簡単に会いに行くことができた。トラウマを思い出したい方も、強敵に挑みたいという方も、前線に足を伸ばして赤チョコボを狩りに行こう。



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Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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