『Dead by Daylight』クロスプレイが今冬に本格実装へ。モバイル版を除くすべてのプラットフォームが対象であると言明
Behavior Interactiveは7月18日、『Dead by Daylight』をクロスプラットフォームに対応させ、異なるプラットフォームで遊んでいるユーザーと一緒に遊ぶことができる「クロスプレイ」を実装することを明らかにした。対応するプラットフォームはモバイル版を除くすべてのプラットフォーム(Steam/Windows 10/PS4/Nintendo Switch/Xbox One)となっている。
Behavior Interactiveは、かねてよりクロスプラットフォームの実装を考えている旨を報じていたが、実装を約束するものではなく“計画の一部”といった扱い方をしていたと認識している。そしてこの度それが現実のものとなったというわけだ。さまざまな調査やフィードバックを経て、コンソールを含めたクロスプレイの実装を前進させる決断ができたと、Behavior Interactiveは語っている。
クロスプレイがもたらす恩恵でもっとも大きなものは、やはりユーザー数の増加。現状各プラットフォーム内でもっともマッチング速度が早いとされているSteam版ですら、一部のランク帯では30分待機してようやく1試合マッチングできるかどうかという場合もある。
それに加えて、マッチングしたプレイヤーと自分のスキルがかけ離れており、まったく試合にならないという問題も深刻化している。この問題の原因は、マッチングシステムやランクを評価するシステムに問題があることも考えられるが、ユーザー数の不足がもたらしている面もあるだろう。本作では腕前に応じてランクが上がっていき、自分のランクに近しいプレイヤーとマッチングが行なわれるシステムとなっている。しかし、一定時間内にランクが近しいプレイヤーが現れないと、ランク差があるプレイヤーともマッチングしてしまうのだ。上記の理由から、クロスプレイによるユーザー数の増加は現在『Dead by Daylight』が抱えるマッチングの問題を解消する可能性を大いに秘めていることが分かる。
クロスプレイの実装は非常に喜ばしいことであるのは間違いないが、やはり懸念点もあると考えられる。一点目は、マシンの性能差によるゲームバランスの崩壊だ。上記の通り『Dead by Daylight』はさまざまなプラットフォームでゲームを配信しているが、PC版で遊ぶ本作とNintendo Switch版で遊ぶ本作はまるで別物と言えるくらいマシンの性能に差がある。フレームレート(1秒間の動画で見せる静止画の枚数)ひとつとっても、PC版はデフォルトで60 fps、Nintendo Switch版は20~30 fpsといったところだろうか。この両者を同じフィールドで戦わせるわけであるから、ゲームバランスもそれを加味したものになってしまうのではという懸念だ。
二点目は、クロスプレイ実装によるバグの増殖だ。良くも悪くも本作を遊ぶユーザーにとってバグの存在は身近に感じてしまうものだが、クロスプレイが実装されることで“バグもプラットフォームの垣根を超える”のでは、という懸念点がある。現に、本作のパッチノートはこれまでプラットフォーム別に用意されており、バグの修正項目もそれぞれ違った内容となっている。気にならない程度のものであれば良いが、呪いのトーテムがマップ毎に固定の位置に出現するレベルのバグがプラットフォームを越えてやってくるといった惨事が起こる可能性も否定できない。。
期待と不安が入り混じるクロスプレイだが、いつでもその機能自体は設定からオフにすることができるそうだ。また上記の懸念についてBehavior Interactiveも理解しているようで、ユーザーがバランスやマッチメイク、コミュニケーションの部分を心配していることは知っているとコメント。そうした認識の上でテストを進めているとのこと。
実装時期は、上手くいけばカナダのモントリオールで初雪が観測される前に実装できると報じられている。調べたところモントリオールは11月に入ると最高気温が5℃程度になり、12月から平均気温が氷点下を迎えるそうだ。つまり、早ければ11月もしくは12月頃に実装されることだろう。なお、クロスプレイの機能と共にゲームの進行度を共有する機能であるクロスプログレッションは9月に実装予定。ただし、こちらはプラットフォームの壁があるということで、Steam、 Google Stadia、Nintendo Switch間で実装。さらなるプラットフォームの追加は保証できない状態であるとしている。
今年の年末は『Dead by Daylight』にとって新たな節目を迎える時期となるかもしれない。