Nintendo Switch向けアクションRPG『ファイナルソード』が「ゼルダの伝説」BGMを無断使用で配信差し止めか。中身だけでなく権利まわりも怪しい作品に【UPDATE】

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エイチユーピーゲームズは7月2日、Nintendo Switch向けのアクションRPG『ファイナルソード』をNintendo Switch向けにリリースした。価格は1890円。本作はオープンワールドのオリジナルアクションRPGで、iOS/Android向けにも展開中のタイトル。そんな本作だが、ゲーム中に使用しているBGMは無断使用しているという疑惑が浮上している。

問題とされているのは、とある村で流れるBGM。比較対象となっているのは、任天堂の人気シリーズ『ゼルダの伝説』の「ゼルダの子守唄」だ。このBGMは、1991年にスーパーファミコン向けに発売された『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』で導入され、以降シリーズを通してさまざまな場面で流れる、シリーズファンなら一度は耳にしたことがある楽曲だ。その知名度ゆえ、比較せずとも多くのユーザーに疑惑を生んだのだろう。実際に聴き比べてみても、似ているというよりも“そっくりそのまま”使用しているという表現が近しい。

そもそも本作は、作品のクオリティ自体もかなり怪しい。ゲーム中に登場する敵キャラクターモデルについてだが、Unityのアセットストアで配信されているモデルを使用しているものが見受けられるが、それらについては商用利用可能なものであり、権利的な問題はない。しかしながら、そのアセットと用いたゲームプレイ自体に問題が存在している。曖昧な攻撃判定、頻繁な敵のリポップ、奇妙な落下判定、チープなレベルアップ演出、統一されていないフォント、移動する床のギミックが移動速度よりも速い、防御スペルカードの使用でなぜか攻撃力が上がる、などなど、昨今リリースされている作品群と比べて悪い意味で“レトロ”な印象で、完成度が高いとは言い難い面がある。ただし、実際にプレイしてみると決して遊べないということはなく、それらを独特の趣であると捉えれば楽しめる作品である、とは述べておきたい。一方で、ゲーム自体が荒々しいことから、権利問題についてもクリアできていないのではないかという懸念を強めてしまう側面があるわけだ。

この疑惑について、弊誌からエイチユーピーゲームズに実際に問い合わせてみた。まず無断使用については、弊誌の問い合わせで初めて知って驚いたとコメント。「対象BGMの使用について問題はないのか」という問いに対しては、「この楽曲の著作権を持つ会社から権利のライセンスを購入し、ゲームに適用させていただきました。ただ、確認のため、その点については著作権者に問い合わせをさせていただきます」との返答。「任天堂からライセンスを得たのか」と再度問い合わせてみると、「弊社では音楽を販売している会社からライセンスを購入して使用しており、現在音楽を販売している会社に問い合わせをしています。問題があれば、任天堂と相談しながら対応させていただきます」との回答を得た。

いまいち要領を得ない返答であるが、あくまで然るべき場所から購入し、使用しているということだろう。エイチユーピーゲームズのコメントを鵜呑みするとして、任天堂が「ゼルダの子守唄」を販売していると考えづらく、「ゼルダの子守唄」がどこかのストアにて不正販売されており、それを使用したという見方もできる。


このような自社ゲームにて他メーカーの音楽を使うという事例は過去にも存在し、然るべき制裁を受けている。2019年10月にリリースされたNintendo Switch向けの恋愛ADV『サマースウィートハート』では、日本ファルコムが手がけた『イース・オリジン』や『英雄伝説 零の軌跡』のBGMを作品内で無断使用していた(関連記事)。その後開発元は、「著作権に対する認識に誤りがあった」と謝罪。現在はBGMを差し替えて販売されている。

本件についても、対象BGMの権利を所有する任天堂に許諾を得ているのかが焦点となる。そして許諾を得ていないのであれば、販売停止などの制裁は免れないだろう。本日7月6日にはいってはTwitter上ではトレンド入りするなど、日本を騒がせ/賑わせている『ファイナルソード』。ユーザーの視線はそのゲームの面白げな仕様や挙動に向けられているが、他社のゲーム楽曲の無断使用が、その盛り上がりに影を落としている。

【UPDATE 2020/7/6 17:20】

ニンテンドーeショップの『ファイナルソード』ストアページにアクセスできなくなり、同作が購入不可となった。ストアページにアクセスすると、エラーコード「9001-1670」が表示される。「9001-1670」とは、現在購入もしくはダウンロードできないタイトルのストアページに表示されるコードである。BGMのほかの部分にも疑惑が寄せられている同作であるが、なんらかの無断使用があったとみられる。なお、エイチユーピーゲームズは、問題の原因などが判明し次第、弊誌AUTOMATONに声明を出すとコメントしている。

【UPDATE2 2020/7/6 19:40】

エイチユーピーゲームズは、今回の騒動について弊誌に声明を出している。該当記事はこちら。 あわせて、本文の表現について一部修正。

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