「ゲームトレイラー」製作を仕事にする人がいる。専門会社のクリエイターがゲーマーの質問に答え、やりがいや苦労語る

ゲームの発表時などに我々がまず目にするトレイラー。その作品のゲームプレイや世界観、登場人物など、どういったゲームであるのかをほんの数分の映像にて表現するものであり、プロモーションにおいて重要な位置を占めていることだろう。トレイラーは開発者が自ら手がけることもあるが、専門の制作会社も存在する。

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アメリカに拠点を置くPlayer One Trailersも、ゲームトレイラーを手がける制作会社のひとつ。同社のクリエイティブディレクターGage Allen氏は4月18日、RedditにてAMA(Ask Me Anything)を実施しゲーマーからの質問に答えており、いくつかかいつまんで紹介したい。なお本稿に掲載しているトレイラーは、いずれも同社が手がけたものである。

Gage Allen氏は独学で映像を学び、ゲームトレイラーを手がける前は実写映像の制作に携わり腕を磨いたとのこと。仕事として初めて手がけたトレイラーは、ホラーゲーム『SCP Containment Breach』のものだったそうだ。もともとファン映像として制作していたところ正式に採用されることになり、これがきっかけでほかのスタジオからも声をかけられるようになったという。この業界に入る方法としては、ほかに制作会社にてインターンとして働いたり、ビデオプロデューサーを募集しているパブリッシャー/デベロッパーに応募したりなどいくつもルートはあるため、自分にあった方法を探すと良いだろうとアドバイスしている。

制作作業においては、多くの場合まずはそのゲームを実際にプレイして、どのようなゲームなのかや、どういったプレイ感なのか、また作品の魂となるものは何であるのかを感じることから始めるそうだ。それから開発者と会話を重ね、その作品が目指しているもの、またクライアントがトレイラーにて示したいものを正しく理解するようにしているとのこと。

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制作の流れは、クライアントによって大きく異なるという。開発者自身が積極的に参加してくることもあれば、マーケティングチームとやりとりしながら進めることも。その中では、草案を示してフィードバックをもらい、時にはやり直しを求められることもあるそうだ。もっとも、クライアントが何年も心血を注いできた作品のトレイラーであるため、ディレクションについて要求する権利はあり、また明確なフィードバックを得られることはむしろ良いことだと述べる。

使用するBGMについては、同社内で自ら制作することもあれば、ライセンス契約を結んで他者の楽曲を使用したり、またゲーム内の楽曲をリミックスすることもあり、ケースバイケースとのこと。また、テンポを落としたポップソングのカバー曲が多くのトレイラーにて使用されている状況については、ライセンスの問題が絡んでいることがあるとコメント。同じ楽曲でも、オリジナルとカバーではライセンス料金が大きく異なることがあるようだ。

トレイラー制作を依頼した場合にかかる費用については複数の質問が寄せられた。ただ、どういった種類のトレイラーなのかや、かかる仕事量、求める品質レベル、スケジュールなど仕事内容によって大きく変わってくるとして、Allen氏は具体的な金額には触れなかった。

そのほか、映画のトレイラーと比較した場合、ゲームのトレイラーはすべてのシーンを自ら作り上げる必要があると、Allen氏は両者の違いを述べる。実際にゲームを動作させ、3Dカメラを使ってリアルタイムでシネマティックシーンを撮影したり、ゲームプレイを切り出したり。ナレーションを使用するなら、そのセリフも考える必要がある。また、どういった種類のゲームなのかや、描かれる物語、なぜこの作品が面白いのかなど、ゲームのトレイラーは示すべき要素がより多いそうだ。

トレイラーの中には、実際のゲームプレイを収録したものではないことを注釈にて示しているものもある。そういった映像が制作される背景についてAllen氏は、そのゲームの世界観や物語を説明するためであったり、単純にゲームプレイを披露する準備が整っていない段階での発表であることもあれば、マーケティング目的に特別な演出を施している場合もあると説明。そして、デベロッパーは開発により多くの時間を割くため、そういった映像はたいてい外部に制作を委託しているのだという。

このトピックについては、Ubisoftなどで16年以上マーケティングを担当してきたという人物も反応。CGI/シネマティックトレイラーが制作されるのは、多くの場合まだゲームプレイをキャプチャできるほど開発が進んでいないためであり、また競争の激しい業界にて注目を集めるには、ローンチに先立ってマーケティングを開始する必要があるからだそうだ。そのため、実際のゲームプレイではなく、ゲームのビジョンを示すことを目的とした映像が制作されているとのこと。この意見にはAllen氏も同意している。

では、実際のゲームプレイを収録したトレイラーであれば開発完了間近なのかというと、必ずしもそうではないようだ。Allen氏は、進捗度が95%のものもあれば半分程度のものもあり、あるいはリリースまでにまだ2〜3年はかかる場合もあって、事案によって本当にバラバラとのこと。

Gage Allen氏がこれまでに手がけた中では、『Stellaris: Distant Stars』や『The Sojourn』『Conarium』『The Long Dark』などのトレイラーが特にお気に入りだそうだ。一方、他社の作品では『Dead Island』の発表トレイラーを挙げている。ゾンビ化した女の子が家族を襲う様子を逆再生で描き、当時話題となった。そのほか『Fallout』シリーズや、Riot Gamesが手がけるトレイラーも素晴らしいとコメントしている。

ゲームの情報を得る上で目にすることの多いトレイラーだが、それを手がける制作会社が表に出ることはあまりない。そうした仕事に就いている人物には海外ゲーマーも興味津々だったようで、Redditではこれら以外にも多くの質問が寄せられ、Allen氏は回答を寄せている。興味のある方は該当ページをチェックしてほしい。

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