『あつまれ どうぶつの森』にて「風船バグ」が修正される。そもそも風船バグとはなんだったのか?
任天堂は本日4月3日、『あつまれ どうぶつの森』の更新データVer1.1.3を配信した。本アップデートの内容は「風船バグ」を修正するものである。本作では、プレイヤーが舞台となる無人島で過ごしている間、時折聞きなれない風の音とともに風船が現れる。空に漂う風船をアイテムである「パチンコ」を使って割ると、島を飾る家具や、自ら家具を作成することが可能になるDIYレシピが入手できるのだ。今回のアップデートは、その風船が特定の条件下で飛んでこなくなる不具合を修正するものだ。
本日Nintendo Switchソフト『あつまれ どうぶつの森』の更新データVer.1.1.3の配信を開始しました。更新内容についてはこちらのページをご覧ください。 https://t.co/cTbF1idpG8
— 任天堂サポート (@nintendo_cs) April 3, 2020
今回の不具合が発見される発端となったのは、ゲーム内で4月1日から開催されている季節イベント「イースターイベント」である。季節イベントの内容は、ラッキーバニー「ぴょんたろう」からのお願いを聞き、島のあちこちに隠されている6種類のたまご「イースターエッグ」を探しだすというもの。このたまごは、島に生えている木を揺すったり、岩をスコップで叩いたりと、さまざまな手段によって異なる種類のものを入手することができる。そして、その手段のうちのひとつが先述した風船を割るという行為なのだ。
イースターイベントでは、たまごを集めていく過程で、家具やレシピなどのイベント限定アイテムを入手することもできる。限定と聞けば即行動、血眼になってタマゴを探し出すプレイヤーも現れた。島中を走り回り、木を揺すり、スコップで岩を叩く。そして、空に漂う風船を見逃すことなく打ち抜いていく。と、待てども待てども一向に風船が現れない。そんな状況に陥ってしまったイベントを全力で楽しんでいたプレイヤーの声が、今回のアップデートで反映された形。
詳細は明らかにされていないが、今回任天堂が声明した「特定の条件下」というのは、どうやら風船を割った数が関係しているようだ。本作内のシステムには、「たぬきマイレージ」というゲーム内のマイル(ポイント)を貯めるシステムが導入されている。店で買い物をする、魚を釣るなどの課題をこなすことで、どんどんマイルが貯まっていく仕組み。その課題の一つとして、「狙え、バルーンハンター!」と称したものが存在する。本課題は、一定数の風船を割ることでマイルが貰えるものであり、課題内最終の達成条件として“風船を割った数300個”が設定されている。どうやら、この達成条件を突破した、風船を300個割ったプレイヤーが特定の条件下に当てはまっていたようだ。
その条件の達成をさらに加速させたのが本イベント。イベントが行われていない日には、体感的に約3分おきに1つ風船が流れてくるようになっている。一方でイベント中には、イベントに関連する風船が別途発生しているためか、いつも以上に風船が流れてくる。そういった背景も不具合の発見に繋がったのだろう。結果として、ユーザーを楽しませるイベントが、奇しくも不具合によって一部ユーザーの不満を生む形となった。
本作の発売後、風船バグ以外にもいくつかの不具合が確認、修正されている。はじめに確認された不具合は、アイテムを増殖させてベルを大量に生産する「アイテム増殖バグ」。借金返済を大きな目標とする本作のゲームバランスに著しく影響を及ぼす不具合は、明るみに出た翌日、更新データVer. 1.1.1にて修正された(関連記事)。次に確認された不具合が、自分の島に勧誘した住民が永遠にやって来ず、埋まらない空き地が発生する「神隠し追放バグ」。この不具合も、明るみに出た近日中に更新データVer.1.1.2の配信によって収束へと向かった(関連記事)。そして今回の件も、発生から約2日で迅速に修正される運びとなった。
ユーザーとしては、不具合を迅速に対応する姿勢は非常にありがたいもの。一方で、不具合の修正が頻発するというのは必ずしも良いことではない。また、多くのユーザーの島の発展が進むなか、発売前にアナウンスされていたセーブデータのバックアップ機能は現時点で実装に至っていない。築き上げたスローライフがバグによって壊されてしまうという一抹の不安は残ったまま。爆発的ヒットとなり、多くのユーザーに無人島ならではのスローライフを提供している本作。ユーザーの不安を一刻も早く取り払うためにも、迅速かつ慎重な対応を願うばかりだ。