『どうぶつの森』のしずえを暴力FPS『DOOM』にて「同伴させる」Mod配信開始。なぜか巻き込まれる『龍が如く』

It's Me Veronica氏は3月15日、『どうぶつの森』のしずえを『DOOM2』でコンパニオンとして連れ歩けるModを発表した。盛り上がってきたドゥームスレイヤー&しずえのネットミームだが、今回のModでいよいよゲーム内共闘を果たすこととなった。

Mod制作者のIt’s Me Veronica氏は3月15日、『どうぶつの森』のしずえを『DOOM2』でコンパニオンとして連れ歩けるModを発表した。Modを有効化するには互換エンジン「GZDoom」の導入が必要となる。今年2月ごろから盛り上がってきたドゥームスレイヤー&しずえのネットミームだが、今回のModでいよいよゲーム内共闘を果たすこととなった。

『どうぶつの森』と『DOOM』のコラボレーションは今年に入って人気を博しているネットミーム(関連記事)。両シリーズの最新作『あつまれ どうぶつの森』と『DOOM Eternal』の海外版発売日が偶然一致したことから、インターネット上では2つの作品をクロスオーバーさせるファンアートが発生。特に『どうぶつの森』の看板嬢であるしずえと、『DOOM』の主人公であるドゥームスレイヤーがタッグを組む二次創作が爆発的な人気を集めている。ほんわかケモお姉さんと暴虐の戦士が仲むつまじく交流する様が笑いを誘い、多くの派生作品を生み出し続けている。

イラストや動画で邂逅を重ねてきたしずえとドゥームスレイヤーだが、今回のModで初めてゲーム本編での共演を果たすことになる。『DOOM』にしずえを登場させるModとしてはTwitterユーザーVibrant Rida氏が開発する作例が先行して明かされていたが(関連記事)、そちらが「主人公“を”しずえに置き換える」ものだったのに対しIt’s Me Veronica氏のModは「主人公“に”しずえを同伴させる」のが特徴。ドゥームスレイヤーにちょこちょことついてきては、弾丸をばらまく彼の戦闘をサポートしてくれるのだ。戦場で飛び交うゾンビの呻き声や爆発音に、甲高い「どうぶつ語」のワニャワニャ音が入り混じる。

戦いにおけるしずえは、近くの敵に対しては『スマブラSP』のようにピコピコハンマーやカラフルなクラッカーで攻撃。また時おりドゥームスレイヤーに対して回復アイテムや弾薬を投げ渡してくれることもある。このとき、しずえが発する“Doomguy! Catch!(はい、ドゥームスレイヤー!)”というセリフにも注目だ。これは『バイオショック インフィニット』のヒロイン「エリザベス」が主人公ブッカーをサポートするときの言葉“Booker, CATCH!”のオマージュ。屈強な男に聡明可憐な少女、という構図を重ねたパロディなのかもしれない。

そして敵を一掃し終えたときには、ドゥームスレイヤーに「ハイタッチ」を求めてくる。応じれば満面のスマイルを返してくれる彼女は『どうぶつの森』に登場するキュートなしずえそのものだ。血風吹き荒れる前線にあってチャーミングさを損なわない姿は、殺伐としたプレイ中に一服の清涼感を与えてくれる。……と思いきや、迫るクリーチャーに対して眉一つ動かさずショットガンを撃ち込む姿も。原作の癒し系キャラを維持しつつ、一瞬ドキッとするネットミーム特有の毒をブレンドする塩梅が、本作品の優れたバランスといえるだろう。

https://twitter.com/ICARUSLIV3S/status/1239961858955603969

It’s Me Veronica氏が今回のModを制作し始めたのは3月6日ごろで、実作業には9日間ほどを要したという。ネット上で増え続ける『あつまれ どうぶつの森』と『DOOM Eternal』のコラボ作品にインスパイアされ、自身がすでに作成していたコンパニオンModをしずえ仕様に換装することを思いついたそうだ。ちなみに作成済みのコンパニオンというのが、実は『DELTARUNE』のキャラクター「Ralsei」と「Susie」のふたり。彼らもまたしずえと共に連れていくことができるため、It’s Me Veronica氏のModをすべて導入すればしずえ・Ralsei・Susieを引率の先生のごとく連れ歩くことも可能だ(動画では他作者のModにより、『DOOM』シリーズのマスコット「カコデーモン」もパーティに加わっている)。

ところで上記の「しずえMod」紹介動画はやや意外な結末を迎える。破竹の勢いで敵を蹴散らしていたドゥームスレイヤーとしずえだが、その中途でドゥームスレイヤーがあえなく戦死。しずえは涙をぬぐって地面にへたり込むと、おもむろに懐のウィスキーボトルを取り出す。万感を呑みくだすかのように瓶を空にするしずえ。すると場面は突然どこかの室内に切り替わる。哀愁漂うバラードが流れだし、彼女は高らかに歌い出す。曲目は『龍が如く』シリーズのカラオケに登場するバラード「ばかみたい」だ。よく見ると背景のバーには桐生と真島らしき姿も見える。原曲のイメージビデオと同じく、しずえはカウンターの上の写真に目を落とす。そこには亡き戦友とのツーショットが写されているのだった。

このムービーは動画制作者Deadly Humors氏の作品を引用したもの。『DOOM』に続き『龍が如く』もまた『どうぶつの森』と組み合わせるにはかけ離れた作品だが、「しずえウィスキー事変」を端緒としたアダルトなイメージが新たなクロスオーバーを生み出したのかもしれない。危うくも魅力を増していくファンアート産のしずえ像に今後も要注目だ。一方、もとの清純な彼女にはNintendo Switchで発売中の『あつまれ どうぶつの森』にて会えるので、不安になったらプレイするといいだろう。『DOOM Eternal』はSteamにて配信中、国内PlayStation 4/Xbox One版はに3月26日発売予定だ(Nintendo Switch版は今年中にリリース予定)。

なお『どうぶつの森』と『DOOM』をかけ合わせた一連の作品群は『あつまれ どうぶつの森』のディレクターである京極あや氏と、プロデューサーである野上恒氏にも認識されている模様。IGNが報じており、京極氏がファンのクリエイティビティを称賛している様子が伝えられている。

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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