「ソニック・ザ・ムービー」公開延期、公開時期は未定に。波乱万丈すぎるソニック映画


東和ピクチャーズは本日、3月27日(金)に公開を予定していた「ソニック・ザ・ムービー」について、公開を延期すると発表した。パラマウントスタジオと協議した上での決定だという。現時点での公開時期は未定で、後日改めて公開日が発表されるとのこと。はっきりと言及されていないが、おそらく新型コロナウイルスの影響であると推測できる。

「ソニック・ザ・ムービー」は、セガの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズの世界観を基にした映画だ。故郷を離れ遠い地球にやってきたソニックが、ひょんなことから出会った保安官トム(ジェームズ・マースデン)と相棒となる。そして、ソニックのスーパーパワーを狙うドクター・ロボトニック(ジム・キャリー)の野望を阻止するために大冒険を繰り広げる。

ジム・キャリーなど豪華キャストも登場する「ソニック・ザ・ムービー」であるが、その道のりは平坦ではなかった。初期に公開された主人公ソニックのキャラクターデザインは、ファンが慣れ親しんでいるオリジナルのソニックの印象と大きく異なっており、批判が殺到。脚が筋肉質すぎることや、歯がリアルな人間のようであること、手袋をせず手だけが白くなっていることなど、キャラクターの魅力を表現できていないとの否定的な意見が集まっていた。

パラマウントスタジオはそうした声を傾聴し、デザイン変更に着手。公開時期を延期させたものの、2か月という短期間でソニックを生まれ変わらせた(関連記事)。そうした出来上がり海外で先行公開された映画は、高く評価され、商業的にも成功中(関連記事)。累計興行収入がアメリカでは公開10日目で1億ドル、全世界では2億ドルを突破。ゲームを原作とする映画として史上最高のオープニング成績(公開から3日間)を記録していた。

国内版については、3 月 27 日の公開を控えていた。国内版についても海外に続くムードを漂わせながらも、これまでのソニック作品でおなじみの声優である金丸淳一氏ではなく、俳優中川大志氏が起用されるキャスティングに疑惑の目が一部ファンから向けられるなど、期待と不安の両方が入り混じっていた。そしてここにきて、公開延期となってしまった。

セガは映画公開にあわせて、シリーズ作品をセール販売したり、PlayStation Plus 3月枠で『ソニックフォース』をフリープレイにて提供するなど、精力的なプロモーションをしていたが、それらの足並みも崩れたことになる。期待が寄せられながらも批判を受け、大規模な改修をし、海外でヒットを記録しているものの、公開直前に国内版が延期となった「ソニック・ザ・ムービー」。紆余曲折を経てきた映画であるが、同作の道のりは相変わらず波乱万丈のようだ。ひとまず新たな公開日についての続報を待ちたいところだ。