『FF14』結婚衣装の性別制限が撤廃。従来の同性婚に加え、 ドレスとタキシードを男女どちらでも選べるように

 

近年、『ファイアーエムブレム 風花雪月』や『牧場物語 再会のミネラルタウン』など、「結婚システム」において同性婚が可能な国産ゲームがしばしば話題になる。スクウェア・エニックスが開発・運営するMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、FF14)もその一つで、結婚システム「エターナルバンド」ではキャラクターの性別を限定せず、同性婚を認めている。

2014年12月のエターナルバンド実装以来『FF14』は同性婚を認めてきたが、衣装は性別に対応するものしか着用することができなかった。しかし、2月18日に実装されるパッチ5.2「追憶の凶星」においてその性別制限を撤廃。男性キャラクターも女性キャラクターも、ドレスかタキシードの好きな方を選べるようになった。

パッチ5.2先行パッチノートの抜粋。花婿・花嫁用の装備全てと、これまで女性専用だった参列用ドレス装備の性別制限がなくなった。

プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏(以下、吉田P/D)は、エターナルバンド実装以来「久遠の絆を結ぶ二人に性別の制限は不要」というスタンスを通してきた。また、『FF14』は2019年3月にオーストラリア・シドニーで行われた「Sydney Gay and Lesbian Mardi Gras Parade」に協力。性の多様性尊重をテーマにしたこのパレードで、マスコットキャラクターである「ボム」や「モーグリ」のフロートを提供している。吉田P/Dだけではなく『FF14』全体としても、ジェンダー問題に歩み寄りの姿勢を見せている。今回の結婚衣装の性別撤廃もその表れと見られ、海外メディアやコミュニティからの評価は高い。

海外メディアKotakuは「結婚衣装の性別制限撤廃は些細なことかもしれないが、『FF14』のジェンダー表現にとっては重要な第一歩だ」と称賛している。ちなみに以前吉田P/DはKotakuのインタビューにて衣装の性別制限について問われた際に「国によって線引きも違い、デリケートな問題」であるとも語っており、匙加減には慎重になっている部分もあったようだ。しかし今回、はれてそうした仕様が実装されたことになる。

今回の仕様実装においては、ボーイッシュな女性キャラクターにタキシードを着せたり、フェミニンな男性キャラクターにドレスを着せたりすることが可能になったため、システム上の性別と設定上の性別が異なるロールプレイをしたいプレイヤーにとっても性別制限撤廃は吉報だ。吉田P/Dは、生放送中に自身のロールプレイについての見解を語ることもある。氏のロールプレイへの造詣の深さも、今回の制限撤廃に一役買っているのかもしれない。

装備の性別制限撤廃については、過去にも女性専用だったバニー装備が男性キャラクターに開放されたことがあった。性別に囚われず、着たいものを選択する。結婚衣装の制限撤廃により、『FF14』にまた新たな風が吹いたようだ。