『FF14』バレンタインで吉田P/D宛に“生ハム原木”を贈るユーザーが現る。アルバートへの愛が生んだ強烈すぎるプレゼント


2月14日といえば、バレンタインデー。特別な日であるということで、ゲーム会社の開発スタッフやキャラクター宛にギフトを贈るユーザーもいるのではないだろうか。スクウェア・エニックスが開発・運営するMMORPG『ファイナルファンタジーXIV』(以下、FF14)では、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏(以下、吉田P/D)宛に一風変わったプレゼントが届けられた。なんと巨大な生ハム原木が丸ごと一本贈られたのだ。

生ハム原木が贈られたことが判明した動画がこちら。『FF14』の公式Twitterに投稿されたものだ。バレンタインデーということで、例年どおりキャラクターや開発スタッフ宛に届いたプレゼントの山が写されていき、最後に吉田P/Dが生ハム原木を担いだ姿で登場。「たくさんのチョコから生ハムまで、みんなありがとう!」とコメントを残した。

巨大な生ハム原木を担ぐ吉田P/Dのインパクトにユーザーコミュニティは騒然。そのシュールなプレゼントと光景が笑いを誘い、一時はTwitterのトレンドに「生ハム原木」が上がってくるほどの話題となった。

なぜよりにもよって生ハム原木を贈ろうと思ったのか。そうした疑問を抱くプレイヤーも多いだろう。そこで弊誌AUTOMATONは、TwitterユーザーRobinchen氏協力のもと、生ハム原木を贈った発起人とコンタクトを取り、生ハム原木を贈るに至った経緯などを伺った。

 

肉を贈りたい

まず今回生ハム原木が贈られた経緯としては、フリーカンパニー(『FF14』のインゲームにおけるプレイヤーグループの総称。以下、FC)メンバーのひとりが、漆黒のヴィランズの人気キャラのひとり・アルバート宛にチョコを贈りたいと思ったことがきっかけだったそうだ。アルバートは何が好きか。何なら喜んでくれるか。そんなことを考える中、最終的に選定されたのは熱血漢の戦士に相応しい「肉」。しかしながら衛生上の理由で、ナマモノは贈れない。どうすればいいか。アルバートといえば、その肩に担がれた巨大な斧。「漆黒のヴィランズ」終盤に差し出されたあの斧は、アルバートを語る上で欠かせない要素である。肉と斧と組み合わせた結果、「アルバートに贈るべきものは生ハム原木である」と発案者のメンバーは天啓のように閃いたのだそうだ。アルバートへの想いが、生ハム原木を呼び込んだのである。

 

奇跡の原木

これを思いついた発案者は、すぐにFCのメンバーに連絡を取り、生ハム原木を探し始めた。しかしお目当てのものはなかなか見つからず苦労したそうだ。というのも、FCは“贈られる側”の開発側の事情も真剣に考慮していたからだ。大きすぎると開発ルームを圧迫するし、それでいて「斧」のように見える程度には大きさが必要。エメトセルクと水晶公に人気が集中すると予想しており、存在感を示したいという想いもあったとのこと。また常温配送常温保存で賞味期限が長いものでなくてはならない。さまざまな条件を考慮し、迷惑にならないギリギリの範囲で、斧に見える骨付きの最小サイズを必死で探したそうだ。そうして見つかったのが、今回吉田P/Dに担がれた原木なのである。

もちろん原木の宛先はアルバート。添えられたメッセージは「…なぁ。あと一口かじる力があったら、この世界を…すべての世界を、救えるか?(原文ママ)」。発起人はまた「あの日。問いと願いを受け取り、骨ごと投げたブラビューラの原木です」と、茶目っ気たっぷりに語ってくれた。

実際に吉田P/Dが原木を担いでいるのを見た時の感想について尋ねたところ、あの光景を見た時は信じられない思いだったそうだ。それもそのはず。彼の担ぎ方は、アルバートのジョブである戦士の斧の担ぎ方そのものだったからだ。吉田P/Dが、自分たちの「斧」に込めた思いを汲み取ってくれたことが何より喜びだった、と語っている。

また、彼らはネタ枠のようなものが思いがけず拾われてしまったことで、来年以降のバレンタインに影響が出ないかどうかを心配しているとも話した。生ハム原木という一見奇をてらったようなプレゼントでも、前述したように大きさや保存期限などをきちんと考えて選ばれていたわけだ。来月にはホワイトデーもあるが、今回の発起人らの配慮を無駄にしないためにも、ゲームのキャラクターやスタッフ宛にプレゼントを贈る際は、ナマモノや手作りを避けたいところだ。

『FF14』は2月18日に大型アップデートであるパッチ5.2「追憶の凶星」を控えており、プレイヤーたちは発表される情報に浮足立っている。先行パッチノートも公開され、アップデートが待ちきれないプレイヤーも多いことだろう。パッチ5.2「追憶の凶星」の公開はまもなく。メンテナンスのお供に、生ハムを食べるのもまた一興かもしれない。