『デス・ストランディング』に関わったKojima Productionsのスタッフは、どれくらいが元『メタルギア』開発者なのか。実際に調べてみた

先月11月8日にPS4版が発売された、小島秀夫監督率いるKojima Productionsによる『デス・ストランディング』。同作のスタッフは、どのくらいが元『メタルギア』シリーズ開発者なのかを調べてみた。

先月11月8日にPlayStation 4版が発売された、小島秀夫監督率いるKojima Productionsによる『デス・ストランディング』。配達に焦点を当てたゲームプレイや、あたたかな繋がりを描いたオンラインシステムなど、尖った部分を持ちつつも、総合的に高い完成度を誇る。「The Game Awards 2019」にゲーム・オブ・ザ・イヤーを含めた9部門でノミネートされているなど、独自の内容が評価を得ている作品だ。

作品だけでなく開発チームも注目を集めており、Kojima Productionsには元コナミスタッフが集っていると2017年に報じてられていたり(関連記事)、11月6日にはKojima Productionsの多くが『メタルギアソリッド』(以下、MGS)シリーズに関わっていたスタッフだと海外メディアが報じている。(VideoGamersChronicle

実際のところ、『デス・ストランディング』のスタッフ構成について気になっているゲーマーも多いのではないだろうか。本稿では発売前から話題となっていたKojima Productionsの開発スタッフについて、『デス・ストランディング』のスタッフロールから該当する部分を抜き出し、海外のデータベースや過去作品のエンドロール、SNS上などを確認して、どのような人物が本作に関わっているのか調査した。以下、調査リストをおおくりする。■マークをつけているのが、元『MGS』スタッフである。

 

脚本
★HIDEO KOJIMA
小島秀夫監督

・KENJI YANO
野島一人名義で小説版『メタルギア ソリッド ファントムペイン』や『メタルギア ソリッド ピースウォーカー』、『デス・ストランディング』ノベライズも手掛けている人物(2016年のツイート)

■SHUYO MURATA
旧小島プロダクションに所属し、『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』で監督、『MGS4』『MGS5』『MGS PW』にシナリオライターとして参加していた村田 周陽氏と思われる

アートディレクター/キャラクター&メカニカルデザイン/コンセプトアーティスト
■YOJI SHINKAWA
旧小島プロダクション所属の新川洋司氏。『MGS』シリーズでアートディレクターなどを務めている。

コンセプトアーティスト
■CHIHOKO UCHIYAMA
『MGS3』シリーズ『MGS4』にもキャラクターデザイナーなどとして同名の記載あり

■TOSHIKI SUDA
『MGS3』シリーズ『MGS4』にもメカニックデザイナーなどとして同名の記載あり

■TAKAYUKI YANASE
『機動戦士ガンダム00』シリーズ『楽園追放』などのアニメ作品、『MGR』などのゲーム作品、『アリス・ギア・アイギス』でも活躍しているフリーのメカニックデザイナー

・BAHI JD
『プロメア』『Fate/Apocrypha』『虐殺器官』『フリクリ プログレ』『坂道のアポロン』など、多数のアニメ作品にアニメーターとして参加している人物だと思われる

LEVEL DESIGN UNIT
リードレベルデザイナー
■HIROAKI YOSHIIKE
『MGS2』『MGS3』『MGS4』『MGSV:TPP』にリードスクリプターやリードプランナーなどとして同名の記載あり

リードレベルデザイナー/レベルデザイナー
■SATOSHI MATSUNO
『MGSV:TPP』にレベルデザイナー/スクリプターとして同名の記載あり

リードスクリプター/レベルデザイナー
■MOKUTO YAMAMOTO
『MGSV:TPP』にレベルデザイナー/スクリプターとして同名の記載あり

レベルデザイナー
■ZIANG TAN
『MGSV:TPP』にレベルデザイナー/スクリプターとして同名の記載あり。なお、同作には同名のNPCが小島プロダクションのスタッフとして登場している

■MASAKI SAITO
『デモンズソウル』システムデザインスタッフ、『ダークソウル』プランナー、『MGSV:TPP』にレベルデザイナー/スクリプターなどとして同名の記載あり

・TATSUMI BANNAI
『逆転裁判5』にスペシャルサンクスとして同名の記載あり

・HAJIME ANTOINE UMEMURA

・DAISUKE SUGANUMA
スクウェア・エニックス、セガ、SIEなどにゲームデザイナーとして所属していたという人物。

・TAKASHI OKAMOTO

・SHOTA NAKANO
『FF15』エピソードイグニスやエピソードアーデンなどでレベルデザイナーを務めていた人物。

・MASANORI YASUDA

■YOSHIKAZU MATSUHANA
『MGS2』『MGS3』シリーズにマップデザインやスクリプトとして同名の記載あり

ゲームバランスデザイナー/サウンドプログラマー
■DAIZABURO NAKAMURA
『MGSV:TPP』にParameter Balancingなどを担ったとして同名の記載あり

ARTIST UNIT
テクニカルアートディレクター
■HIDEKI SASAKI
『MGSV:TPP』でCGアートディレクターを務めるなど、シリーズ作品に関わってきた旧小島プロダクションの佐々木英樹氏

リード環境アーティスト
■TAKAYUKI UCHIDA
『MGSV:TPP』でもリード環境アーティストを務めた人物

環境アーティスト
■SHINICHI MATSUDA
『MGSV:TPP』に環境アーティストとして記載あり

■SHOTA KUROKAWA
『MGSV:TPP』に環境アーティストとして記載あり

■TSUYOSHI YAKATA
『MGSV:TPP』に環境アーティストとして記載あり

■MAMORU OKADA
『MGSV:TPP』に環境アーティストとして記載あり

■SOICHIRO HASHII
『MGSV:TPP』に環境アーティストとして記載あり

・NAOYA SHIOJI
・CHONNIPA NILUSOL

リードキャラクターアーティスト
■RYOHEI OGUMA
『MGSV:TPP』にキャラクターアーティストとして記載あり

キャラクターアーティスト
■TAKEYA INOGUCHI
『MGS4』にキャラクターアーティストとして記載あり

■HIRONOBU MATSUI
『MGS』シリーズにアニメーターやキャラクターモデリング、キャラクターアーティストとして記載

■SINGO YURI
『サイレントヒル』シリーズや『MGSV:TPP』にキャラクターアーティストなどとして記載あり

■AYA HOTANI
『MGS3』シリーズや『MGSV:TPP』にキャラクターアーティストなどとして記載あり

■MASAHIRO NOSE
『MGSV:TPP』にキャラクターアーティスト、そのほか『Ninja Gaiden II』『デッド オア アライブ4』などにクレジット記載あり

■ATSUSHI KATO
『MGSV:TPP』にキャラクターアーティストとして記載あり

・JAMES WILLIAMSON

リードメカニカルアーティスト
■YOSHIKAZU HARA
『MGSV:TPP』にリードウェポン/メカニカルアーティストとして記載、『エースコンバット5』『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』などにも同名の記載あり

メカニカルアーティスト
■TATSUYA SEKO
『MGSV:GZ』ウェポンアーティスト『MGR』メカモデラーとして記載あり

・ERIC KIM

・KEISUKE ISOMURA

リードアニメーター
■MASAAKI KAWATA
『MGSV:TPP』リードアニメーター、『MGSV:GZ』や『MGS4』にも記載あり

アニメーター
■KAZUO MARUO
『MGSV:TPP』シネマティックアニメーター、『MGSV:GZ』や『MGS4』にも記載あり

■AYUMU FUJITA
『MGSV:TPP』エネミーアニメーター、『MGSV:GZ』『デッド オア アライブ4』『Ninja Gaiden II』などにも記載あり

■JAMES MARIEJEANNE
『MGSV:TPP』にエネミーアニメーターとして記載あり

・MASAAKI WANIFUCHI
『バイナリードメイン』にアニメーション担当として同名の記載あり

・GABRIELE COEN
『Total War』シリーズなどに関わってきたアニメーター

・YOSHIHIRO OKADA

リードシネマティックアーティスト
・SHOTA HIRASAWA
『P.T』に同名の記載あり、『ACfa』や『ACV』ではCG Movie Directorなど

シネマティックアーティスト
■YASUHIRO KAWAKAMI
『MGSV:TPP』シネマティックアーティスト、『MGS4』『FF13』などにも記載あり

・TOMOTARO YASUI

・RYO NAKAMURA

・HIROMI KISHI
『鉄拳7』にリードレイアウトアーティストとして同名の記載あり

・YUTA TOSHIMA

リードVFXアーティスト
■YASUHIRO IKOMA
『MGSV:TPP』リードエフェクトアーティスト、ほか『MGS』シリーズにも記載あり

VFXアーティスト
■SOOJIN KIM
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』エフェクトアーティスト

・YUSUKE HIGA

・HIROMICHI HAYASHI
『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』デジタルアーティスト

・DAI SASAKI

・YU KAGAWA

リードライトニングアーティスト
■AKIRA INAMURA
『MGSV:TPP』ライトニングアーティスト『MGSV:GZ』キャラクターアーティスト

ライトニングアーティスト
・SHUNICHIRO WATANABE
『ACfa』や『ダークソウル2』にシネマティックアーティストなどとして同名の記載あり

・KENICHIRO NISHIDA

リードUIアーティスト
■TSUTOMU HASHIGUCHI
『ペルソナ5』インターフェースデザイナー『MGS4』『MGS:PW』2Dアーティストとして記載あり

UIアーティスト
・CASEY TSUYOSHI MATSUMOTO

・HIROTAKA KINOSHITA

・RYOTARO NAKANO

PROGRAM UNIT
テクニカルディレクター
■AKIO SAKAMOTO 『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』テクニカルディレクター

リードゲームプログラマー
■MAKOTO SANOYAMA
『MGSV:TPP』にリードゲームプログラマーなどとして記載あり

■KUNIO TAKABE
『MGS』シリーズにプログラマーとして記載あり

■TAKEHIRO NOMURA
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』リードゲームプログラマーなどとして記載あり、そのほか『MGS3』シリーズや『MGS4』にも

ゲームプログラマー
■KENICHI MURAOKA
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』に敵NPCプログラマーとして記載あり

■TOSHIMITSU MICHIKAMI
『MGSV:TPP』プレイヤープログラマー、『ベヨネッタ』ステージプログラマーとして同名の記載あり

・JIAOI ZOU

・TAKEHIRO TACHIKAWA

・FABIAN LORENZO BAYT}ION DAYRIT

・DUOSHENG YU

・TAKASHI WAGATSUMA
『NieR:Automata』プログラマー『MGR』斬奪プログラマーとして記載あり

・ERIC JOHNSON

・KENICHI FUKUDA

リードゲームシステムプログラマー
■MASAO TOMOSAWA
『MGS』シリーズでプログラマーやリードUIエンジニアなどとして記載あり

ゲームシステムプログラマー
・TAKU ENDO

リードUIプログラマー
■MAKOTO ABE
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』UIプログラマー

UIプログラマー
・YUSUKE TAKANO

■YUKI SATO
『MGSV:TPP』ナビゲーションエンジニア、『MGSV:GZ』AIエンジニア

・MOTONORI NINOMIYA

・YUMA IMURA

リードシステムプログラマー
■FUMITO MIYAUCHI
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』などにシステムエンジニアやプログラマーとして記載あり

■NORIHITO HATAKEDA
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』にリードレベルエディターエンジニアなどとして記載あり

システムプログラマー
・KATSUNORI YOSHIMATSU

・TATSUMA SATO

・HIDEHISA HARADA 『サイレントヒル2』『サイレントヒル3』にプログラマーとして同名の記載あり

リードグラフィックプログラマー
■TAKAAKI ISHIKAWA
『MGSV:TPP』グラフィックエンジニアとして記載あり

グラフィックプログラマー
■HIROKI TAJIMA
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』グラフィックエンジニアとして記載あり

■KOHEI ISHIYAMA 
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』FXプログラマーとして記載あり

・JIANXIONG HU

リードVFXプログラマー
■YUTA HOSHINO
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』FXエンジニアとして記載あり

リードアニメーションプログラマー/リード物理プログラマー
■YUSUKE NISHIDA
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』リードアニメーションエンジニアとして記載あり

アニメーションプログラマー
■NOZOMU TAKEUCHI
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』テクニカルアーティストとして記載あり

リードネットワークプログラマー
■MASAYUKI KOBAYASHI
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』リードオンラインプログラマーなどとして記載

リードサウンドプログラマー
・KOTARO MORI
『ソウルキャリバーIV』『スマブラ for』などにプログラマーとして記載あり

リードツールプログラマー/リードテクニカルアーティスト
■HIROAKI ARAI
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』リードテクニカルアーティストなどとして記載

ツールプログラマー
・SHUHEI TSURUOKA

・YUTO ARITA 『スマブラ for』プログラマーとして記載

テクニカルアーティスト
・YUKI ISOZAKI

SOUND UNIT
オーディオディレクター/ミュージック
■LUDVIG FORSSELL
『P.T.』『MGSV:TPP』『MGSV:GV』などに参加しているコンポーサー

テクニカルサウンドデザイナー
■HIROYUKI NAKAYAMA
『MGSV:TPP』『MGSV:GV』などでサウンドデザイナーとして記載

サウンドデザイン及び実装
・NICK VAN KLEEF
『Horizon Zero Dawn』サウンドデザイナーとして記載

■PETER WAYNE
『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』サウンドエディターとして記載

・MINORU TSUCHIHASHI
『FF14』などサウンドデザイナーとして記載

プロデューサー
■KENICHIRO IMAIZUMI
『MGS』シリーズにプロデューサーなどとして関わってきた人物

・JAMES VANCE
■KEN MENDOZA 『MGSV:TPP』『MGSV:GZ』などにInternational Coordinationとして記載あり

113名にも及ぶ本作に関わったKojima Productionsのスタッフの中で、過去に『MGS』のナンバリングタイトルに携わった人物だけでも62名。半数以上が元『MGS』スタッフであった。割合にすると約55%である。これが多いか少ないかは、受け手の解釈に委ねられるが、作中で繋がりを描いた『デス・ストランディング』は、人との繋がりによって紡がれていたと言えそうだ。

なお今回は記載していないが、Guerrilla Gamesのスタッフを始め、他にも多くの関係者がスタッフロールには掲載されている。本作の尖った内容は、多くの関係者の手腕によって支えられたものであることは、言うまでもないだろう。

Keiichi Yokoyama
Keiichi Yokoyama

なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。

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